土潤溽暑|つちうるおうてむしあつし|2023年|植物の暑さ対策

歳時記
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2023年は28日から七十二候は大暑の次候「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」へと移ります。全国的に湿度が高くジットリとした天気が続いています。
海洋性気候の沖縄でも「熱中症アラート」が連日発表されています。

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土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)

土潤溽暑 つちうるおうてむしあつし 日本の夏

この七十二候にある「溽暑(じょくしょ)」とは湿気が多く蒸し暑いことを意味していて、梅雨明け前の湿度が高く纏わりつくような暑さを指しています。
またこの「溽暑」という言葉は2023年は7月18日から始まった旧暦の6月の異名ともなっています。

日本の夏は何故蒸し暑い?

土潤溽暑 つちうるおうてむしあつし

日本の夏はご存じの通り、赤道直下の人たちですら参ってしまうぐらいの「暑さ」ですが、それは夏をもたらす「太平洋高気圧」のせいです。
日本周辺の高気圧には「シベリア高気圧」「オホーツク海高気圧」「太平洋高気圧」と「移動性高気圧」の四つが高気圧四天王と呼ばれていますが、先程もお話ししましたが、日本に夏をもたらすのは「太平洋高気圧」です。しかし、最近では「チベット高気圧」という名前も気象情報などでよく聞かれるようになりました。
高気圧とは文字通り、周囲より気圧の高い領域を言い、その中心部では下降気流が発生し水分を含んだ空気も圧縮され乾燥して晴天をもたらすします。

太平洋高気圧

下降した気流は中心部より気圧の低い周囲へ時計回りに噴出していきます。
しかしながら太平洋高気圧は「海洋性高気圧」のため、その際に海の水蒸気を含みながら噴き出すため、日本には湿度が高く暖かい空気を送り込みます。
このことが、日本の夏がカラッとせずに不快な暑さを伴った夏になる理由です。

植物だって暑い

さて、そんな溽暑の日本の夏、植物だってもちろん暑いのです。
そこで植物だってちゃんと「夏の暑さ対策」をしています。しかも紫外線対策まで。

植物が成長するために太陽の光を浴びて光合成をすることですが、あまり暑過ぎると体温(植物の場合は葉温)が上昇し過ぎてしまうと酵素が働かなくなり、植物の大切な働きである光合成をも阻害してしまいます。
人間は汗をかいて上がった体温を下げますが、植物も同じように葉にある「気孔」という組織を開いて水分を蒸発させて葉温を調節しています。
まるで植物が自ら「打ち水」をしているようです。
それを日本人は「草いきれ」と表現しています。

緑のカーテン

最近、エコブームにのって取り入れられてきている「緑のカーテン」も単に「すだれ」や「よしず」のように遮光の目的だけではなく、この「草いきれ」の効果も無意識に利用しているわけです。

さて植物はそんな暑さ対策だけではなく、夏の強い日差しの紫外線から身を守る術もしっかり備えています。

人間も紫外線による活性酸素の生成が問題視されていますが、植物だって活性酸素はありがたくない物質です。
そのため強すぎる紫外線から身を守るため葉の表面では紫外線を乱反射させたり吸収したりしています。
さらにそれでも出来た活性酸素はカロテンやアントシアニン、リコペンなどの抗酸化物質で消去していきます。

紫外線をたくさん浴びた植物が色鮮やかなのはそれらの抗酸化物質をたくさん生成した証です。

夏野菜

人間は日焼け止めを買ってきたり、野菜などから抗酸化物質を摂取していますが、植物たちはちゃんと自ら日焼け止めクリームを持ち、抗酸化物質を作り出しています。

枝豆

暑い日に恋しくなるのが、やはりビールではないでしょうか。最近の天気アプリでは「ビール指数」なるものも掲載されています。
そこでそのビールのアテといえば枝豆でしょう。
枝豆と言っても「枝豆」という植物があるわけではなく、大豆の未熟豆のことを指してそう呼んでいます。

枝豆

その枝豆、東アジアに自生していたものが中国で分化し、縄文時代には日本にも伝わりました。
そして奈良・平安時代には現代のような食べ方をしていたようです。

枝豆は「畑の肉」とも呼ばれるように、良質なたんぱく質が多く含まれ、ビタミン類、食物繊維やカルシウム、鉄分など多くの栄養素も含んでいます。
さらには大豆には少ないβ-カロチンビタミンCなども含まれ夏バテ解消や疲労回復にはうってつけの食材です。

その上、アミノ酸の一種の「メチオニン」はビタミンB1やビタミンCと共にアルコールの分解を促し、肝臓の働きを助けてくれるので、飲み過ぎや二日酔いを防止する働きがあります。
ですのでビールとの相性は抜群です。
そんなスーパー食材枝豆は「EDAMAME」として万国共通語ともなっています。

結詞

九州地方、関東甲信地方、東北地方を除いて梅雨明けしました。とは言え、いよいよ溽暑の候を迎え、多くの予想では2023年の夏も平年以上に暑くなる予想が出されています。

暑さのピークは暑さのピークは、7月下旬から8月上旬と予想されています。
その理由として今年も日本付近でチベット高気圧も本州付近に張り出し、太平洋高気圧と重なり合う「ダブル高気圧」に覆われると予想されてます。

ダブル高気圧

太平洋高気圧とチベット高気圧は広がる高度が違うため、チベット高気圧が日本付近まで張り出すと、上空で重なり合って「ダブル高気圧」となり、二つの高気圧が非常に背の高い一つの高気圧のように働き、厳しい暑さをもたらします。

8月は中旬以降で暑さの和らぐ時期がありそうですが、気温は西日本や沖縄を中心に平年より高く、残暑が厳しくなりそうです。

新型コロナウィルスもじわじわと感染が再拡大し始めています。また、ヘルパンギーナなどのウイルス感染症も例年にない子供達の間で拡がりを見せていますので、今年の夏も感染症予防対策熱中症対策の両面作戦を強いられることになりそうですので、くれぐれもご自愛専一にお過ごしください。

新型コロナウィルス対策 熱中症対策

そのような夏に向かう中、暦は大暑の末候「大雨時行(たいうときどきふる)」と移っていきます。

大雨時行 たいうときどきふる

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