玄鳥去|つばめさる|2023年|つばめのねぐら入り|八朔|孔子祭

歳時記
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玄鳥去 つばめさる

18日より七十二候も「玄鳥去(つばめさる)」になります。今年も気象庁は「異常気象」と認めるような台風や大雨に見舞われています。そして15日は二百十日、二百二十日と並び農家の方々の三大厄日のひとつ「八朔」が巡ってきます。今後とも更なる大雨に警戒が必要のようです。
さて、日中の暑さはさておいて、朝晩吹く風は幾分の気配が感じられ凌ぎやすくなってきました。

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玄鳥去(つばめさる)

玄鳥去 つばめさる

春先に日本へやってきたツバメたちが子育てを終えて南へ渡っていく頃です。
玄鳥とは「ツバメ」のことを指し、旧暦8月は「燕去月(つばめさりづき)」とも呼ばれ、季節の移ろいを知らせる象徴の鳥の一つとして親しまれてきました。
ツバメは春と秋に渡りをします。「玄鳥去」と対をなす七十二候は清明の初候、第13候の「玄鳥至(つばめいたる)」で2023年は4月4日でした。
「玄鳥至(つばめいたる)」は越冬地から再びツバメが戻りやってくるという意味です。

ツバメの渡りの距離はなんと3000kmから5000kmにも及び、東南アジアの台湾、フィリピン、マレー半島さらにはオーストラリアにまで渡っていきます。

2月の初旬から1羽ずつ南西諸島に現れ9℃の等温線に沿って1日に20kmから30kmずつ北上し、4月下旬ごろ北海道に達します。その際は、オスがメスより数日早く昨年子育てをした巣に戻ってくるようです。
そしてそのツバメが子育てを終えた9月中旬から10月下旬にかけて今度は越冬地の南へと小グループ単位の集団を作って旅立っていきます。

ツバメは1シーズンに2回の子育てをすると言われています。

育つまでは凡そ20日間で巣立ちますが、最初の子育てを終えた幼鳥は巣立った後の巣が2番目の子育てのための巣となってしまうため、帰る巣も無く出発の日まで間は水辺のアシ原や大きな樹木などで集団を作って一人前の「渡り鳥」になるための鍛錬をしながら成長していきます。

夏になると、2番目に巣立った幼鳥や子育ての終わった親鳥たちもその集団に加わります。

そして旅立ちの日、親鳥から順に旅立っていきます。親たちは幼鳥たちを連れて行ってはくれません。
そんな幼鳥たちですが、生まれながら、太陽や地磁気によって方角を知り、目的地に近づくと地形や目立つ建造物をたよりに正しい場所を見つけるという「渡りの能力」を持っているそうです。

さらにツバメは飛びながらほとんどの生活を送れるようにその体は出来ていて、食事や水浴びなど空中を飛びながら何でもこなしてしまいます
まるで走りながら何でもこなしてしまう自転車のロードレーサーのようです。

つばめのねぐら入り

つばめのねぐら入り

出典:日本野鳥の会

さて皆さんは「つばめのねぐら入り」という言葉をご存じでしょうか。
日本に飛来直後の春、子育てを始める前にもねぐらを利用しますが、規模は夏ほどではありません。
卵を産むと抱卵のために、卵がかえってからも、ヒナが大きくなるまでは親鳥は巣で過ごします。
ヒナが大きくなり、巣が狭くなると、親鳥は巣の周辺で夜を過ごすようになります。
子育てが終わると、親鳥に巣立った雛も加わって集まってねぐらで寝るようになります。
巣立った後のツバメは、秋に南へ移動するまでの間、餌が取りやすい田んぼや川辺などで過ごします
今の時期のツバメは、夜になると、河川敷のヨシ原などに集団でねぐらをつくることも知られています。
日没前後に、多いところでは数万のツバメが集まります。
そこより寒さを避けるため日本を離れ暖かい南の地域へと旅立っていきます。

玄鳥去 つばめさる

その抜群の飛翔力で島伝いに渡っていきます。
越冬地での暮らしぶりは、巣は作らず、日中は田んぼ・川・沼などでエサを捕り、日暮れになるとエサ場から市街地の電線や街路樹に帰ってきて集団で眠っているそうです。
来年も元気に無事に帰ってきてくれることを願いつつ、「行ってらっしゃい!」と静かに見送ってあげたいものです。

孔子祭

孔子とは

孔子

孔子(紀元前552年~紀元前479年)は、中国の思想家、哲学者で儒教(じゅきょう)の始祖です。
その経典は「四書五経(ししょごきょう)」といいます。

四書(ししょ)

四つの書物のことで、論語(ろんご)大学(だいがく)中庸(ちゅうよう)孟子(もうし)です。

五経(ごきょう・ごけい)

五つの経書(きょうしょ・儒教で尊重される文献の総称)のことで、易経(えききょう)書経(しょきょう)詩経(しきょう)礼記(らいき)春秋(しゅんじゅう)です。

この中でも有名なのは論語(ろんご)ですが、名前をお聞きになった方も多いと思います。

長崎県孔子廟の孔子祭

孔子廟 長崎

この時期、長崎県孔子廟では「孔子祭」が毎年9月中旬の土曜日午後に開催されています。
長崎県孔子廟は、明治26年(1983年)に清国(現在の中国)政府と在日華僑(中国国籍を持ちながら日本に住む中国人)が協力して建てたもので、日本で唯一の本格的中国様式の霊廟(先祖や偉人などの霊を祭った場所)です。
長崎孔子廟の「孔子祭」は、孔子の生誕を祝うお祭で、現在は作り物ですが、牛、豚、山羊が一頭ずつ供えられ、中国の孔子本廟の協力や指導で、祭礼を司る50人ほどの祭官が古式にのっとって儀式を行います。
と同時に中国獅子舞の舞いなども奉納され、多くの観覧者で賑わいます。

ちなみに東京の湯島聖堂(徳川五代将軍綱吉が儒教の振興を図るために創建)でも「孔子祭」が行われますが、こちらは孔子をはじめとする中国の先聖先師に牛や羊などのいけにえを供えるお祭で、毎年4月第4日曜日に行われます。

結詞

さて、空を見上げれば、モクモクとした入道雲とともに羊雲や鰯雲など秋の訪れを示す雲も現れて、秋が着実に近づいてきているのを感じさせてくれます。夏と秋の鬩ぎあいのせいか、大気の状態が不安定になり時折雷が鳴ることもあります。

秋分

暦は二十四節気は「秋分」そして七十二候は「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」と移っていきます。

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