梅子黄|うめのみきばむ|梅干し|梅雨対策|嘉祥の日|和菓子の日

歳時記
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梅子黄 うめのみきばむ

青々と膨らんだ梅の子(実)が黄色く色づきだす頃です。九州も梅雨入りし、沖縄では梅雨末期を迎えています。七十二候は16日より芒種の末候の梅子黄(うめのみきばむ)となります。梅に関する話から梅雨時のおしゃれの話までお伝えしていきます。

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梅子黄(うめのみきばむ)

梅子黄 うめのみきばむ 梅雨 雨

全国的(北海道を除く)に「梅雨入り」が発表されました。
一方、沖縄では梅雨末期を迎え、明日15日は、梅雨が明けると言われる「ハーレー鉦」が打ち鳴らされますが、実際のところ梅雨明けは来週といったところでしょうか。

梅雨は「ばいう」とも読みますが、梅の実の熟す頃の雨という意味だという説もあります。
そして、七十二候は16日より芒種の末候の梅子黄(うめのみきばむ)となります。青々と膨らんだ梅の子(実)が黄色く色づきだす頃です。
ちなみに熟す前の青梅は「梅酒」や「梅シロップ」を作り、熟した梅は梅干しやジャムなどを作るのに向いているそうです。
さらに旧暦の五月の別名には「梅の色月」などと粋な呼び方もあるそうで、梅雨のさ中、花を咲かせたように鮮やかに黄色く色づいていく梅の実は心を和ませてくれるかもしれません。

青梅

梅は観賞用というより、まずは薬用植物として奈良時代中国から伝わった植物です。
現在の日本国内の梅の生産地では、生産量の60%を占める和歌山県が日本一です。
とりわけ和歌山県みなべ町が発祥の「南高梅(なんこううめ)」は、トップブランドとして有名です。

南高梅(なんこううめ)

南高梅 なんこううめ なんこうばい

南高梅(なんこううめ)とは、梅の品種のひとつで、和歌山県を主たる生産地とする白梅、その果実は数ある梅の品種の中でも最高級とされています。
正式には「なんこううめ」と読みます。

江戸時代、紀伊国田辺藩・初代藩主の安藤 直次(あんどう なおつぐ)は、当時の田辺市周辺は、やせ地や傾斜地が多く、年貢の負担に苦しんでいた農民に対して、土地の山に自生していた「藪梅」をみて、それを育てれば年貢を減らすとして育成を推奨しました。
育てられた梅は、徳川幕府8代将軍の頃には将軍も絶賛するほどになりました。

その後、内本梅→内中梅→高田梅と品種の改良がなされ、さらに優良品種へ栽培を統一するための「梅優良母樹種選定会」が発足し、5年にわたる調査の結果、「高田梅」を最優良品種と認定しました。
その調査に尽力したのが南部高校の教諭竹中勝太郎だったことから、高田梅の「高」と「南部高校」の「南高」と併せて南高梅と名付けられ種苗名称登録されました。

「南高梅」は他の梅品種に比べ栽培しやすく豊産性であ、果実品質も優れていたため、その後の梅需要の高まりとともに栽培が急拡大し、国内1位の栽培面積を誇る梅品種とまでなりました。

梅干し

熟した梅

その梅の実から作られる加工品の一番手は何といっても「梅干し」です。
梅は三毒を断ち、その日の難を逃れる」と日本の最古の医学書の「医心方(いしんぼう)」でもその効用を認めている謂わば「万能薬」のような位置づけです。

梅干し

三毒とは

仏教で言う三毒とは心の三毒で「貪・瞋・痴(とん・じん・ち)」を指します。
人間のもつ根元的な3つの悪徳のことで、自分の好むものをむさぼり求める貪欲、自分の嫌いなものを憎み嫌悪する瞋恚(しんい)、ものごとに的確な判断が下せずに迷い惑う愚痴の3つをさしています。
全部で108ある煩悩の中でも、特に私たちを苦しませ悩ませ、そして人を毒する三つの大きなものが「三毒の煩悩」だそうです。

では「梅は三毒を断ち」とある三毒とはどのようなものなのでしょう。
その三つは「水毒・食毒・血毒」です。

水毒

人間の体内にはその体重の60~70%が水分と言われています。その水分が汚れている状態を改善してくれます。

食毒

暴飲暴食や不規則な食事などから体内のバランスが乱れた状態を改善してくれることはもちろんのこと、食中毒を起こす細菌などの増殖を抑える力もあるそうです。

血毒

汚れてドロドロになった血液をサラサラ血液にしてくれます。

梅干しの七徳

 梅干しの七徳

梅干しは、「本草学(薬用に重点をおいて植物や鉱物などの自然物の研究をした中国古来の学問)」の学者・小野蘭山が著した「飲膳摘要(いんぜんてきよう)」には「梅干しの七徳」として以下のように記されています。

1.毒消しに効あり。ゆえにうどんには必ず梅干しを添えて出す。
2.防腐に効あり。夏は飯櫃の底に梅干し1個を入れておけば、その飯は腐らず。
3.疫気を避けるに効あり。旅館では朝食に必ず梅干しを添えるを常とする。
4.その味かえず。
5.息づかいに効あり。走る際、梅干し1粒口に含めば息切れず。
6.頭痛を医するに効あり。 婦人、頭痛する毎に梅干しをこめかみに貼るを常とする。
7.梅干しよりなる梅酢は、流行病に効あり。

ちなみにここで書かれていることはすべて医学的にも証明、説明が出来ているそうです。

梅干しと鰻の食べ合わせは?

鰻 蒲焼

昔から食べ合わせの悪い組み合わせとして「鰻と梅干し」が言われていましたが、これはまったくの間違いでこの食べ合わせは逆に医学的にも栄養学的にも「良い」組み合わせです。このことが言われていた当時は鰻の脂と梅干しの酸味とが刺激し合って、消化不良を起こすからと考えられていたからなのです。
しかし実際はこの梅干しの酸味が胃酸の分泌を促し鰻の脂を消化するのに役立ってくれますし、何よりも脂による消化不良や胃もたれを防いでくれます。さらには鰻に含まれるビタミンB1や梅干しに含まれるクエン酸は疲労回復に効果があり、夏バテ対策にはうってつけの食べ合わせと言えます。

ただあの梅干しのサッパリとした酸味は食欲を増進させ、鰻はもちろんのことつい食べ過ぎてしまうという落とし穴はあります。
食欲があまり湧かない時ならいざ知らず、食欲も普通にある時にはくれぐれもご注意を!!

嘉祥(かしょう、かじょう)の日・和菓子の日

16日は暦では「梅子黄(うめのみきばむ)」ですが、もうひとつ「嘉祥(かしょう、(かじょう)の日」です。
嘉祥の日とは848年、仁明天皇が神託によって元号を「嘉祥(かしょう(かじょう)」と改めた日16の数に因んだ菓子や餅を神前に供えて疫病を除け健康招福を祈ったという例に因んで行われていた行事です。
その後、形を変えながらも宮中や武家、さらには庶民にまでこの日にお菓子や餅を供えたり授けたり食したりして疫を逃れ、健康招福を願うめでたい行事として続けられていました。
しかし明治に入りその風習も廃れてくるに伴い全国和菓子協会昭和54年にこの風習の復活を願い、美しい日本の四季と歴史の中で育まれてきた「和菓子」の素晴しさを楽しみ、後世に伝え残していこうという趣旨で「和菓子の日」を現代版「嘉祥の日」として復活させました。

嘉祥の日 かしょうのひ かじょうのひ 和菓子の日 和菓子

甘い和菓子にビタミンC豊富な緑茶でひとときの暑気払いというのも一興かと思います。

梅雨対策

梅雨対策と言えば、カビなどの湿気対策や食べ物などの食中毒防止がテーマになりますが、ここではちょっと切り口を変えて「梅雨時のオシャレ」についてお伝えしていきたいと思います。

雨の日は誰でも少し憂鬱な気分になります。そんな時期だからこそ逆にちょっとおしゃれなコーディネートを楽しんでみたらいかがでしょうか

梅雨時のおしゃれ 傘 和傘

その筆頭は何といっても「」です。着ている服に色はもちろんのことデザインなども合わせてみるときっと心も楽しくなると思います。ちなみに2023年はより柔らかな印象の「ピスタチオグリーン

や、少し霧がかった「ヘイズグリーン」といった、落ち着きのあるカラーが人気だそうです。

また、ブルーのようにも見える柔らかなグリーンは、夏の爽やかな着こなしにもぴったりです。
2023年のトレンド柄ならばギンガムチェックやグレンチェックなどのチェック柄や、ストライプ柄カラーブロックなどに注目が集まっています。
また花や草木を連想させるボタニカル柄も昨年同様チェックしておきたい柄です。

日本における年間の傘の生産量は1億2000万本から3000万本という驚きの本数が生産されていますので、きっと気に入る一本が見つかることでしょう。

さらに梅雨時の必須ともいえる小物の中ではプチタオルや最近ブームになりつつある「手ぬぐい」があがります。
これらも今年のトレンドを意識しながら選ばれるといいでしょう。その中でも特におすすめなのが「手ぬぐい」です。

梅雨時のおしゃれ 日本手ぬぐい 手ぬぐい

その良さは

●吸水性が非常に良い
●乾きが早く、ちょっと広げておけばすぐに乾きます
●たためばタオルよりかさばらずバッグ内でも省スペースです
●広げたら意外と大きく包む物に多様に対応できます
●ちょっと小粋な雰囲気を漂わせることができます
●ペットボトルなどを包めばバッグ内が水滴で濡れてしまうのを防ぐことが出来ます

もちろん色や柄は、今年のトレンドはもちろんですが、手ぬぐいの場合はそれとともに千鳥格子などの「和モダン」な柄も意識してみたらいかがでしょうか。

ちなみに、博多の夏の風物詩である博多祇園山笠関係者の会話の中で、よく「赤てのごい」という言葉を耳にしますが、博多では手拭いのことを方言で「てのごい」といいます。

結詞

黒糖 黒砂糖 サトウキビ ミネラル補給

これから本格的な夏を迎えるにあたり、梅干しとミネラル豊富な甘い黒糖をうまく活用して暑い夏を乗り切りたいと思います。

乃東枯 なつかれくさかるる

21日からは暦にも「夏」という字が出てくる「夏至」。そして七十二候は「乃東枯(なつかれくさかるる)」と変わります。

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