大寒|だいかん|款冬華|ふきのはなさく|2024年|ふきのとう

歳時記
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大寒 だいかん

暦は20日より、二十四節気は一年で一番寒くなる「大寒」、そして七十二候はその初候「款冬華(ふきのはなさく)」と移っていきます。寒さが大変厳しい時ですが、そうは言っても二十四節気では「大寒」の後に控えているのは「立春」、春への兆しも感じとりたいものです。

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大寒(だいかん)

大寒

二十四節気は最終節の「大寒」となり、「暦便覧」には「冷ゆること至りて甚だしきとなればなり」とあるように冬将軍が居座り一年で一番寒い季節となりました。
日本の気象データからも1月26日から2月4日までが一番寒くなるという数値を示しています。

太陽のエネルギーが一番弱まるのは冬至ですが、地球自体が温まったり冷えたりするのに一か月ほど時間を要するため時間差が発生し、大寒の時期が一番寒くなります。

一方、「三寒四温」という言葉があるように、寒い日が三日続くと、その後の四日は暖かくなり、寒い中にも少しだけ春の気配も感じ始めます。

款冬華(ふきのはなさく)

七十二候も残すところあと今候を含めて三候となり、20日より「款冬華(ふきのはなさく)」となります。凍てつく地面からそっと顔をだす「ふきのとう」は少しずつ春に向かっていることを秘かに知らせてくれているようです。

款冬華 ふきのはなさく

「款冬」は漢名でフキのことを指し、その花茎が皆さんもよくご存じの「ふきのとう」です。
その他にも「蕗」「苳」「菜蕗」という漢字も当てられています。
冬黄(ふゆき)がつまって「ふき」になったと言われますが、まさしくフキは冬に黄色い花を咲かせます。

寒のグルメ

小寒、大寒とひしひしと寒さを感じるこの時節ですが、小寒の次候「水泉動(しみずあたたかをふくむ)」で書きましたが、この時期の地下水や湧き水は雑菌の繁殖も少なく清らかな水として「寒の水」といわれ、様々な食品などに利用されています。
また、大寒の日に汲んだ水を保管し、台所など火を使う場所に置いておくと、その1年火事にならないという言い伝えもあります。

その寒の水を使った寒仕込みなどという言葉はよく耳にしますが、日本酒や醤油、味噌などは定番です。
その他にも「寒餅」「寒蜆」「寒海苔」「寒天」など「寒」の文字の入った食品を数えればキリがありません。
それ以外でも、「ふきのとう」や「卵」はこの時期に食したい食材です。

蕗の薹(ふきのとう)

先人の言葉に「春の皿には苦みを盛れ」というのがあります。
独自の香りとほろ苦さがあり、カロテンビタミンB1カリウムを含むふきのとうは、冬の間におとろえた体を目覚めさせてくれます。ふきのとうは、咳止め・咳痰・健胃・浄血・毒消しなどの薬効があることでも知られています。
ちなみに冬ごもりから出てきた熊が、まず最初に口にするのも、このふきのとうと言われています。

フキは日本原産のキク科の多年草で、平安時代から食用として栽培されているそうです。
現在栽培されているものの多くは食用として栽培されたものですが、自生している野生種は、水が豊富で風があまり吹かない場所を好んで繁殖するので、山の沢や斜面、河川の土手や用水路の周辺に生えていることが多いようです。
茎は地中に伸びていき、地下茎から地表に出てきた花のつぼみがフキノトウです。
私たちがフキとして食べているものは茎ではなく、葉と地下茎の間の葉柄という部分だそうです。

蕗の薹 ふきのとう 天ぷら

ふきのとうは漢字では「蕗の薹」と書きますが、天ぷらやおひたしといった定番のほかに、刻んで味噌とみりんを合わせて炒めた「ふきのとう味噌」などはいかがでしょうか。

ふきのとう味噌のレシピ

・ふきのとう …… 7~8個
・味噌・みりん・砂糖……各大さじ3(お好みで加減してください)
・油(またはごま油)…… 適量

作り方

・ふきのとうの前処理はお好みで以下のどちらかを選んでください
【香りや苦味を楽しみたい場合】
ふきのとうを半分に切り、水にさらしてアクを抜く
【香りや苦味を抑えたい場合】
ふきのとうを茹でてから、水にさらしてアクを抜く
・水気をとって細かく刻み、油で炒める。
・味噌・砂糖・みりんを入れ、弱火で練り混ぜながら煮詰める

ふき味噌

店頭でふきのとうを見かけられたら、今夜のご飯のお供や晩酌のアテにすぐ隣まで来ている春を感じながらお楽しみください。

大寒卵(だいかんたまご)

ご存じない方も多いかもしれませんが、この時期(大寒の日)に産んでくれた「卵」は大寒卵または寒卵と言って滋養に良い食材で昔から珍重されていました。

大寒卵

特に大寒の日に産まれた卵は「大寒卵(だいかんたまご)」と呼ばれ、寒い季節に産まれる卵は大変貴重で寒さに負けることなく産み落とされた卵は強運を持っていると信じられ、子供が食べれば丈夫になり、大人が食べれば金運が上がると言われ縁起の良い食べ物とされています。

現代では品種改良や飼育環境の改善などで一年中安定的に供給されている鶏卵ですが、昔は冬の寒さによって、鶏の産卵数が極端に少なくなり、さらに寒さが厳しくなると、鶏たちは寒気をしのぐため飼料を多く食べ、水の摂取量を減らすため、栄養がギュッと詰まって、一年のうちで最も栄養価が高い卵になっていたようです。

この時期に採卵日が1月20日となっている卵を見つけたら、食べて今年の運気をアップさせてください。
もちろん食べ方は生卵の「TKG(たまごかけ)ご飯」で・・・

冬土用

うなぎを食べることで名を馳せている「土用」ですが、土用は春夏秋冬4回あるのをご存じでしょうか。

土用は「雑節」のひとつで、二十四節気の立春・立夏・立秋・立冬の前後の約18日間のことをいいます。2024年の冬の土用は「冬土用」は1月18日~2月3日までです。

土用には、してはいけないことが4つあるといわれています。

1.土いじりや庭仕事など土を動かすこと

2.家の建築、地鎮祭、井戸掘りなど

3.家を買う、結婚などの新しいこと

4.旅行などの場所の移動

しかし、18日間これらのことができないとなると大変ですよね。

そこで土用には「間日(まび)」というのがあり、その日は4つのことをしても大丈夫だと言われています。ちなみにこの間日は、冬土用の場合、寅・卯・巳の日で2024年は1月18日、1月27日、1月28日、1月30日だそうです。

結詞

冬季におけるインフルエンザ等の感染を少しでも防ぐためには、基本的対策と共に睡眠などの休養や栄養補給も大切です。
春の七草を始め、蕗など「春の使者」とも言われる山菜の恵みを有り難くいただき、隣に居合わせる春に向けて、心身を活性化して、今出来ることを確実に実行していきたいものです。

水沢腹堅 さわみずこおりつめる

とは言え、寒さが毎日続き、各地で大雪のニュースが飛び込んできています。
そのような気候の中、暦は25日より大寒の次候「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」と進んでいきます。

そのような中、沖縄本島では寒緋桜の開花の報も飛び込んできました。
風物詩のカテゴリーに沖縄の八重岳の桜まつりや長崎のランタンフェスティバルを書きました「厳寒期の二大イベント」もアップしておりますので、併せてご一読ください。

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