寒蝉鳴|ひぐらしなく|2023年|蝉時雨|山の日|七十二候

歳時記
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寒蝉鳴 ひぐらしなく

台風6号の後遺症により、公開出来ていなかった記事を今日・明日に公開させていただきます。

さて、暦は13日より暦は立秋の次候七十二候では「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」となりました。
「寒蝉」とは秋を告げる蝉のことを表し、「蜩(ひぐらし)」を指すようです。
またその鳴く時期から寒蝉は「法師蝉=ツクツクボウシ」だという見解もあります。
ただヒグラシのあの哀愁を帯びたカナカナ…という鳴き声はその習性から日の出前や日の入り前後の比較的気温の低い薄暗い時間帯に聴こえてきます。特に夕暮れ時に聴こえてくるあの響きは日本人の琴線に触れる鳴き声だと思います。

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寒蝉鳴(ひぐらしなく)

蝉の鳴き声といえばあの松尾芭蕉の有名な句
閑さや 岩に染み入る 蝉の声」ですね。
あの蝉の声はニ~ンニ~ンと鳴くニィニィゼミだそうですが、私はあの声はニィニィゼミではなくてヒグラシの声の方が似合うような気がします。
このようにセミには様々な鳴き声があるようで、沖縄では「カ~ンカ~ン」甲高く金属的な鳴き声の大島蝉(オオシマゼミ)という小さな蝉がいます。
内地出身の私には初めて聞く鳴き声でした。

蝉は背中の左右内側に左右に発音膜という膜があって、発音筋という強い筋肉につながっています。
筋肉が縮むと発音膜が引っぱられて音が出るという仕組みで、薄い金属板をへこませると「ペコン」と鳴るのと同じ仕組みです。
ただ蝉の場合は発音膜を1秒間に約100回も伸び縮みさせるので、連続したような音が出るそうです。
その音が共鳴室であの類を見ない大きさに大きくします。
そして蝉の種類によって体型や鳴く時の動きに違いがあり、それぞれの鳴き声の音色やリズムが生まれてきます。

蝉の鳴き声が一斉に響き渡る様を「蝉時雨(せみしぐれ)」と呼んでいますが、最盛期の蝉時雨は「蝉豪雨」とでも言っていいほどの激しさです。
これも命を繋ぐという使命を果たすために短い命の中で求愛する必死でありながら、儚い声と聴けば、その鳴き声も一味違って耳に入ってきます。

ちなみにお馴染みどころの蝉の鳴き声は

ニィニィゼミ「ニ~ンニ~ン」
ヒグラシ「カナカナカナカナ・・・」
アブラゼミ「ジージリジリ…」
ミンミンゼミ「ミーン、ミーン」
クマゼミ「シャア、シャア」
ツクツクボウシ「ツクツクボーシ、ツクツクボーシ」

といったところでしょうか。

夏から秋にかけてその移ろいを声で感じさせてくれる蝉達。
そんなちょっとした音にも季節を感じられることが出来る日本人の感性は素晴らしいです。

山の日

山の日

さて8月11日は何の日だったかご存知ですか?
答えは「山の日」です。

比較的新しい国民の祝日なので馴染みも薄く「えっ!?今日は何のお休みなの?」と言っている方も多いことでしょう。
「山の日」は『山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する』という趣旨のもと2016年から国民の祝日としてスタートしました。

7月の「海の日」は明治天皇が明治9年、東北地方巡幸した帰路、灯台観察船「明治丸」で青森から函館を経由した後、横浜御用邸伊勢山離宮へ海路にて帰着された日の「海の記念日」がその由来となっていますが、「山の日」にはその明確な由来はないようです。

「海の記念日」が1995年に国民の祝日として「海の日」としてスタートしたのをきっかけに複数の府県で独自に「山の日」が作られました。
2002年の国際山岳年に国民の祝日としての「山の日」制定に向けて構想が本格化し、2010年日本山岳協会など山岳5団体が「山の日制定協議会」を設立し、2013年には「山の日制定議員連盟」が超党派で発足し、その運動は一気に全国的に広がっていきました。
こうした流れを受けて2014年国民の祝日としての「山の日」が制定され2016年に施行となりました。

このような経緯で制定された「山の日」ですが、その日にちに関しては紆余曲折があったようです。
祝日のない6月や、7月の海の日の翌日などが候補としてあがりましたが、まずお盆のころで休暇がとりやすいことなどの理由で8月12日が最有力となりました。
しかし、その日が日航機が群馬県の御巣鷹山に墜落してしまい多くの犠牲者を出してしまった日となってしまったことから、重ならない様に11日にしたそうです。

ただこの8月11日という日にちはヤミクモに8月だ!、11日だ!としたわけではなく、以前から漢数字の「八」は山の形に見えることや「11」は木々が山麓に立ち並ぶようなイメージから「8」や「11」は山を連想させる数字として好まれてきたようです。
ちなみに国民の祝日になる前の各県の山の日は8月8日が「やまなし山の日」「ぎふ山の日」、11月11日は「かがわ山の日」「えひめ山の日」「こうち山の日」です。

結詞

本来「山の日」は山の自然に触れ、屋外でアクティヴに過ごす休日でしょう。今年は新型コロナウィルスも感染法上5類に分類され久々に行動制限のない夏を迎えました。テレビではごった返す富士山五合目の映像がたくさん流れています。

くれぐれもご自身が楽しむだけでなく、大切な自然や、その景観を守っていただけるように、マナーを守った上で楽しんでいただきたいものです。

さて今年も「猛暑日」が続き残暑が厳し過ぎますが、暦は立秋の末候「蒙霧升降(ふかききりまとう)」と移っていきます。

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