小雪|虹蔵不見|2023年|しょうせつ|にじかくれてみえず

歳時記
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小雪 しょうせつ

2023年も立冬を過ぎた頃から朝晩の冷え込みが強くなり、着実に本格的な冬に向かっています。
22日から、二十四節気は「小雪(しょうせつ)」そして七十二候は小雪の初候「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」と進んでいきます。
また23日は「勤労感謝の日」の祝日、そして「新嘗祭」が催されます。
勤労感謝の日、新嘗祭については過去記事にて詳しくお伝えしてありますので、ご一読ください。

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小雪(しょうせつ)

小雪 しょうせつ

暦便覧では「冷ゆるが故に雨も雪と也てくだるが故也」と説明があり、積もるほどではないくらい、わずかながら雪が降り始めるころです。
北国では雪が平地でも降り始める頃です。その他の地域でも、日毎に気温が下がり、乾燥も増します
風邪の予防、肌荒れにハンドクリームが必要になってきます。そろそろ、防寒具もほしくなる頃です。
冷え込みが厳しくなりつつある中ではありますが、冬への備えや暮れのご挨拶のお歳暮の準備など始めるには良い頃です。

ちなみに気象台が発表する予報用語の原則として「小雪(こゆき)」とは、二十四節気の「小雪(しょうせつ)」とは違い、雪が数時間降り続いても、1時間あたりの降水量が1mmに満たない雪のことを言うそうです。ただ北日本や日本海側などの雪の多い地方では「雪」の表現を用いるそうです。

小春日和(こはるびより)

小春日和 こはるびより

以前の記事でも触れましたが、小春は、旧暦10月の別称で、その際には「しょうしゅん」と読みます。
小春の「小」とは「似ていて規模が小さい」という意味があるので、簡単に言えば、実際の春という意味ではなく、春っぽいという意味です。
そして「小春」とは旧暦の10月、つまり今の11月の時期のことで、小春日和は、冬の初めの11月頃に、移動性高気圧に覆われ、風も穏やかで温かく感じる晴天の事を春に例えて、小春日和と呼ぶようになりました。そのため「小春日和」は冬の季語ともなっています。2023年の旧暦11月は12月13日からになります。


低気圧が平地に雨、山に雪を降らせて日本の東に抜けたあと、大陸から高気圧が張り出して、気圧配置は西高東低型となり冷たい北風が強めに吹きますが、翌日はその大陸高気圧は移動性となって、風は弱まり小春日和となります。しかし、日中の日なたは暖かいのですが、日陰はひんやりしていて、夜は放射冷却のよって冷え込みます。そのような朝には「霜柱」もしばしば見かけられるようになります。

穏やかに晴れた空を「小春空」、春を思わせる風は「小春風」と言います。他にも「小春凪」「小春日」などの使われ方もあります。
晩秋から初冬にかけて小春日和が続くと、春と勘違いしたのか、桜やたんぽぽなどの春の花が咲くこともあり、「帰り花」「忘れ花」「狂い花」などと呼ばれています。日照りが続いたり、台風などで木が傷んでしまった年に多いと言われています。
また、さらに季節が進むと、暖かい好天は「冬暖(ふゆあたたか)」「冬日和」などと呼ばれるようになっていきます。

最近では、春先頃の暖かい日と間違える誤用も目立ちますが、正確には年を越し、晩冬のころに訪れる暖かな日は「小春日和」ではなく、「四温」「四温日和」というのが正しいそうです。

ちなみに、欧米では小春日和のことを「インディアン・サマー(夏)」と呼ぶそうで、インディアンがこの時期を利用して冬を越すための収穫物を貯蔵したことが起源といわれています。

虹蔵不見(にじかくれてみえず)

小雪 しょうせつ 虹蔵不見 にじかくれてみえず

七十二候は小雪の初候「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」となります。
この候は清明の末侯「虹始見 (にじはじめてあらわる)」と対になった候です。

「虹蔵不見」の「蔵」には潜むという意味があり、虹が見られなくなる頃です。
虹は、太陽の光が空気中の水滴にあたって反射・屈折してできるもので、虹が現れるためには、太陽の光と湿り気を含んだ空気が必要です。
この時期は、寒気の吹き出しに伴い日差しが弱まり、曇り空が多くなり、虹が出たとしてもほんやりとしてすぐに消えてしまい、とりわけ太平洋側の地域では、日差しのせいだけでなく、空気もカラカラに乾燥するため、虹が見える条件が満たされなくなってきます。

しかしながら、季語に「冬の虹」というのがあるように雨上がりの空に思いがけず虹を見ることがありますが、冬は太陽からの光が弱いので、夏のようなくっきりとした虹ではなく、ぼんやりとした淡い虹で、しかもすぐに褪せて消えてしまいます。
そのため夏の虹に比べ、どこか物寂しさすら感じます。

冬に向かうのに「夏みかん?」

夏ミカン

このような時期、西日本では夏みかんの収穫が始まります。

夏みかんの正式名称は「夏橙(なつだいだい)」といって、現在の山口県長門市の青海島・大日比海岸に漂着した柑橘の種子を「西本於長」という女性が撒いたのが起源と伝わっています。現在でもその子孫である西本家ではその原木が保存されていて、史跡名勝天然記念物に指定されています。
原種の夏みかんは現在では山口県萩と和歌山県の一部でしか栽培されていません。
よく耳にする「甘夏」はその夏みかんの改良種です。

本来夏みかんは秋に実がなりますが、あまりにも酸っぱくそのままでは食べられたものではなかったため、酢の代用品として使われていました。
しかし収穫せずに夏まで放置しておいたものを食べてみると酸味が和らぎ、他のみかんのようにおいしく食べることが出来たそうで、そのことから「夏みかん」と呼ばれるようになりました。

その後、薬品を使って酸味が抑えられるようになり、収穫時期が春の果物となり、現在では薬品を使用せず品種改良によって甘い夏みかんができるようになっています。

夏ミカン色 ガードレール 山口

ちなみに山口県の道路のガードレールの多くが黄色というかオレンジ色に塗られているのはもちろん「夏みかん」色に由来しています。

結詞

冬とはいえ、昼間はそこまで冷え込まないのが小雪の時期の特徴で、前述のように「小春日和」になることもありますが、夕方以降はぐっと気温が下がるので、お出掛けになる時は重ね着できる上着やストール、羽織を持って出かけるなど、防寒対策を怠りないよう心がけてください
新型コロナウィルスは、だいぶ収束してきているように感じられますが、昨冬までははコロナの感染対策からインフルエンザの流行もだいぶ抑えられていたものの、今年の冬は、そのインフルエンザの流行が懸念されているようです。

鍋料理

寒さだけでは風邪はひかないとも言いますので、乾燥が加わるこの時期はウィルスを吸い込みやすくなるそうですので、室内に居る時は換気とともに乾燥対策にも十分留意してください。
そして風邪予防におすすめなのは、ビタミンCなどの栄養も豊富な旬のみかんや、旬を迎える白菜、ほうれん草、春菊などの葉物野菜をたくさん使った栄養たっぷりの暖かい鍋料理などだそうです。

朔風払葉 きたかぜこのはをはらう

暦は小雪の次候「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」と移っていきます。

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