禾乃登|こくものすなわちみのる|2023年|越中おわら風の盆

歳時記
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禾乃登 こくものすなわちみのる

七十二節気は稲などの穀物が実り始める頃の「禾乃登(こくものすなわちみのる)」と移ります。
同時に台風の襲来が多い季節でもあるので、農家の方は油断できません。そのため古くから、風をおさめ、無事に収穫できることを祈り、各地で風鎮祭(風祭)が行われます。

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禾乃登(こくものすなわちみのる)

禾乃登 こくものすなわちみのる

2023年は3日より二十四節気「処暑」の末候の禾乃登(こくものすなわちみのる)に入ります。
稲が実り、その穂を垂らす頃です。待ちに待った収穫ももうすぐです。
」という漢字は、稲の穂先にある毛のことだそうですが、粟の穂が実ったところを表す象形文字でもあり、「いね」や「のぎ」とも読みます。漢字を分類する際の偏(へん)で「のぎへん」というのを聞いたことがあると思いますが、その「のぎ」です。
稲、稗、麦、粟などの総称でもあるそうです。
この時期、穀物の刈り入れ間近ですが、農家の方々はこの時期に多発する台風や大雨に気を抜けない時期でもあります。

実際、米の収穫はもう少し先ですが、今年もおいしい新米が楽しみな季節が近づいてきましたが、陸の米に先んじて「海の米」と呼ばれる日本人にはお馴染みの「鰯(いわし)」も旬の時期を迎えようとしています。8月から10月頃のイワシは脂ののりがよく、とても美味しいといわれています。
「海の米」または「海の牧草」といわれるのは、海の生態系を支える重要なタンパク質源だということからだそうです。

鰯 いわし イワシ

世界中の海の生態系をイワシが支えていると思うと「海の米」と呼ばれるのも納得です。

二百十日 二百二十日

台風 二百十日 二百二十日

この時期、よく耳にする言葉で「二百十日(2023年は9月1日)」「二百二十日(同9月11日)」がありますが、立春から数えて210日目、220日目の日を指しています。この時期は農作物に甚大な影響を与える台風に見舞われることも多い頃でもあり、このふたつも季節の移り変りをより適確に掴むために設けられた、特別な暦日である雑節(他の雑節:節分・八十八夜・入梅・半夏生 ・社日・土用・彼岸)とされ、合わせて八朔(同9月15日)が農家にとって三大厄日として戒められています。
そして頃に吹く秋の強風野分(のわき・のわけ)と呼んでいます。

風が禍する二百十日などはその風をモチーフにして夏目漱石の「二百十日」や宮沢賢治の「風の又三郎」という小説を残しています。興味のある方は「読書の秋」に読まれてみるのも良いかもしれません。とりわけ「二百十日」は九州の阿蘇山が舞台となっている小説です。

越中おわら風の盆

また全国各地では風を鎮めると同時に豊作を願う「風祭り」が行われ、現在でも連綿と各地に残っています。
中でも富山県高山市八尾町内11か所で町流しが行われる「越中八尾おわら風の盆」は哀愁を帯びた胡弓の音とともに越中おわら節に乗せて、坂の町を揃いの法被や浴衣姿で目深にかぶった編み笠の男女が古い街並みを流し、踊り歩きます。その独特な風情から多くの小説や歌の題材にもなっていて、石川さゆりさんの「風の盆恋歌」はご存じの方も多いと思います。
この風物詩、本年2023年は開催が決定されていますが、8月20日~30日の前夜祭とおわら演舞場ステージは中止となり、9月1日より3日の期間で町流し中心の開催となるそうです。

防災の日

2023年も甚大な水害などで防災、減災が呼びかけられる一年となっていますが、9月1日は関東大震災が発生した日にちなんで1960年(昭和35年)に「防災の日」が制定され、犠牲者の慰霊とともに、災害に備えて避難訓練や防災用品の点検などを促す日です。

まずは命を守る防災」ということを常日頃から念頭に置いておきたいものです。
そしてもう一度ご家族で「家族防災会議」的な話し合いをもって、以下の点を確認しておいたらいかがでしょうか。

防災の日 防災グッズ 非常持出袋

・非常持ち出し袋
・家族の連絡手段
・非難の際の経路と場所
・最終的な家族の合流場所 等々

とにもかくにも、自らの命はもとより大切な人の命を守るための準備と行動が大切です。
人間は「自分のところは大丈夫だ」という正常性バイアスが働くそうです。
大丈夫なものなら避難などしたくないと思いがちですが、最悪のリスクを考慮する心構えも必要だと思います。
そのためには、気象庁や国土交通省などの防災に関する情報の精度がより高くなることを期待したいものです。

併せて「シニアブログ」にて「災害時とスマホ」と題する記事も掲載してありますのでご一読いただければ幸いです。

結詞

古来からの穀物の有り難さに感謝し、農家のご苦労に想いを馳せて、今年も無事に「実りの秋」が到来するよう祈りたいと思います。
稲といえば「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という句が頭に浮かびます。
人も学問や徳が深まるにつれて腰が低くなり、成長を遂げた立派な人や人格者ほど謙虚に振る舞うものであるという意味ですが、私自身も幾たび年齢を重ねても驕ることなく努力をつづけたいものです。

白露 はくろ

カレンダーも早いもので残すところあと4枚、一年の1/3となり年々、月日の経つのが早く感じられます。

台風11号・12号の進路も大変気になるところではありますが、暦も二十四節気は「白露」そして七十二候は「草露白(くさのつゆしろし)」と移っていきます。

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