九州八十八ヶ所百八霊場第五十三番札所 千福山 観蓮寺

スポンサーリンク
九州八十八ヶ所百八霊場
スポンサーリンク
九州八十八ヶ所百八霊場第五十三番札所 千福山 観蓮寺

観蓮寺は元は観琳寺といい、治承年間(1177年~1181年)平重盛菩提のため、矢瀬主馬佑が建立したと伝えられています。その当時は禅宗の一派だったそうですが、大永6年(1526年)当地の内乱「瑞堅の乱」に依り堂宇も焼失してしまいました。慶長年間(1596年~1615年)再興しその時から千福寺 観蓮寺と改称し真言宗に改められました。
途中数回の無住の時を経て現在に至っています。

九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

千福(せんぷく)山 観蓮(かんれん)寺
(御朱印)

別称

村山観音

創建

治承年間(1177年~1181年) 矢瀬主馬佑
慶長年間(1596年~1615年)再興 観蓮寺と改称 勢算

宗派

真言宗 大覚寺派

ご本尊

十一面千手観音立像
(お御影)

ご真言

おん ばざら たらま きりく

十一面千手観音について

別名 千手千眼観自在菩薩(せんじゅせんげんかんじざいぼさつ)とも言い、生きとし生けるものすべてを漏らさず救う、大いなる慈悲を表現する菩薩です。千の手と手のひらの千の眼によってどんな願いも見落とさず、悩み苦しむ衆生を見つけては手を差し伸べる広大無限な功徳と慈悲から「大悲観音」、または観音の王を意味する「蓮華王」とも称されます。
蓮華王とは胎蔵界曼荼羅で観音が配される場所である「蓮華部」の中で、最高位となっています。
阿修羅や金剛力士などが属する二十八部衆を配下とします。

千手観音は、人々を救うための手が多い分、得られるご利益も多いと考えられています。そのため、災難除け、病気平癒などあらゆる現世利益を網羅しているのです。
そのご利益です。
厄災厄除・苦難除去・病魔退散・悪疫守護・諸願成就・平穏無事・頭痛平癒・病気(難病)平癒・奇病快癒

さらに、夫婦円満や恋愛成就、安産や子宝成就にも功徳があるとされていて、後生善処(ごしょうぜんしょと読みます。亡くなったあと来世でも幸せに過ごせることを言います。)などのご利益もあります。

また六観音(聖観音・千手観音・馬頭観音・十一面観音・准胝観音または不空羂索観音・如意輪観音)の一つに数えられ餓鬼道に迷う人々を救うといわれています。
餓鬼道に生まれ変わる人は、生前に自己中心的な生活を送っていたり、欲望のままに生きていた人々で、ノドの渇きも潤せず、食べることが叶わないため渇きと餓えに苦しみ続けると言われています。

住所・連絡先

熊本県人吉市城本町村山1363 TEL 0966-24-4911
(地図)

アクセス

JR肥薩線人吉駅下車、徒歩20分
九州自動車道人吉インターを降りて右へ、瓦町交差点を左折して、右手の村山公園を上がる
境内に駐車場あり

ご詠歌

霧霞 ふた村山の 空晴れて 心の月も 澄み昇るかな

村山観音(第五十三番 観蓮寺)

温泉郷としても名の知れた人吉市。日本三大急流の球磨川下りなど観光資源にも恵まれ「九州の小京都」とも呼ばれる城下町です。
そんな人吉盆地のほぼ中央の高台、村山台地の頂上付近に「村山観音」として信仰をあつめている観蓮寺があります。
元は「観琳寺」と称し臨済宗のお寺だったそうです。瑞堅の乱の兵火により焼失した折の再興した際に千福山観蓮寺と改称し真言宗の改宗して現在に至ります。
周辺は杉をはじめ多数の木々で囲まれている。

九州八十八ヶ所百八霊場第五十三番札所 千福山 観蓮寺

石灯籠が並ぶ石段を上ると「村山観音」と呼ばれる観音堂があります。
この入母屋造りの古びた観音堂は、相良三十三観音第九番札所ともなっていて、巡拝の霊場の雰囲気漂うお堂です。
本尊は約2mの千手十一面観音で平安時代末期の行基菩薩作と伝えられています。
また脇侍には、伝教大師作の多聞天、広目天、そして定朝作の持国天、増長天の諸尊が祀られています。

そして観音堂右手には宝形造の大師堂が建っています。

観音堂の右手下に本堂があり、こちらの本尊も千手観音立像ですが金銅仏です。

このご本尊は明治31年(1898年)に突然姿が見えなくなり、2年後に参道にて見つかったという逸話がある尊像です。
そしてこの尊像は観琳寺以来のご本尊と思われます。

その他、境内には、稲荷社・淡島社・水子地蔵尊等をおまつりしています。

南無大師遍照金剛

人吉駅の裏手に「大悲坂」というところがあり、こちらが旧参道があります。
その参道入り口には地蔵石仏が立っておられます。
そのお地蔵様より、観蓮寺十二世・政善が1年半の歳月をかけて造立した地蔵石仏が観音堂至る約1kmの旧参道沿いに六地蔵が配されています
このようにお祀りする形態は全国的にも珍しいものだそうです。

次回は九州八十八ヶ所百八霊場第五十四番札所「白雲山 医王寺」をお伝えします。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

コメント