九州三十三観音霊場 第三十三番札所 源光山 明石寺

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九州三十三観音霊場
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明石寺は霊場の結願寺で、目の前には多目的ダムもあります。弘法大師空海が唐から帰国した際に訪れ、人々を救済した土地でもあり、その後、江戸初期に留錫した旅僧の霊夢にマタジイの木の根元から大日如来の石仏が出てきたので、大日屋敷と呼ばれていました。

『概略』

源光山 光明密院 明石寺

創建

大宝元年(701年) 開基 行基菩薩

宗派

真言宗 大覚寺派

ご本尊

千手観世音菩薩坐像

十一面千手観音について

別名 千手千眼観自在菩薩(せんじゅせんげんかんじざいぼさつ)とも言い、生きとし生けるものすべてを漏らさず救う、大いなる慈悲を表現する菩薩です。千の手と手のひらの千の眼によってどんな願いも見落とさず、悩み苦しむ衆生を見つけては手を差し伸べる広大無限な功徳と慈悲から「大悲観音」、または観音の王を意味する「蓮華王」とも称されます。
蓮華王とは泰三界曼荼羅で観音が配される場所である「蓮華部」の中で、最高位となっています。
阿修羅や金剛力士などが属する二十八部衆を配下とします。

千手観音は、人々を救うための手が多い分、得られるご利益も多いと考えられています。そのため、災難除け、病気平癒などあらゆる現世利益を網羅しているのです。
そのご利益です。
厄災厄除・苦難除去・病魔退散・悪疫守護・諸願成就・平穏無事・頭痛平癒・病気(難病)平癒・奇病快癒

さらに、夫婦円満や恋愛成就、安産や子宝成就にも功徳があるとされていて、後生善処(ごしょうぜんしょと読みます。亡くなったあと来世でも幸せに過ごせることを言います。)などのご利益もあります。

また六観音(聖観音・千手観音・馬頭観音・十一面観音・准胝観音または不空羂索観音・如意輪観音)の一つに数えられ餓鬼道に迷う人々を救うといわれています。
餓鬼道に生まれ変わる人は、生前に自己中心的な生活を送っていたり、欲望のままに生きていた人々で、ノドの渇きも潤せず、食べることが叶わないため渇きと餓えに苦しみ続けると言われています。

ご真言

おん ばざら たらま きりく

住所・連絡先

福岡県糟屋郡篠栗町篠栗3091 TEL 092-947-0418
(地図)

アクセス

JR福北ゆたか線(篠栗線)「筑前山手」駅から徒歩約10分
車の場合、福岡方面より国道201号線の金出交差点を左折して約3.5キロメートル
駐車場有り

ご詠歌

日と月を かかげてやくも 明石寺 大悲の誓い あらたなりけり

九州三十三観音霊場結願寺(第三十三番札所 源光山 明石寺)

九州三十三観音霊場の結願寺でもある第三十三番札所 源光山 明石寺は全国三大新四国霊場の一つの篠栗四国八十八箇所霊場第四十三番番礼所でもあります。篠栗四国八十八箇所霊場の中でも比較的大きな寺院です。御本尊は四国八十八箇所霊場第四十三番札所・源光山明石寺から観請した千手観世音菩薩ですが、一般的には立っているお姿(立像)の千手観世音菩薩が多いのですが、明石寺の千手観世音菩薩は座っている(坐像)なのが特徴です。

さて鳴渕ダムを目標にしながら明石寺を目指していくと大きな不動明王が目に飛び込んできます。
駐車場は境内手前と鳴渕ダムに近い方の二か所あります。
駐車場から本堂に向かうルートは二通りありますが、今回は境内手前の駐車場に車を止め、お参りに向かうことにしました。

というのもこちらからは男性の金剛門又は女性の胎蔵門をくぐって、各々男性は四十三段、女性は三十三段の男女の大厄の歳の数だけある厄除の石段を登ることで辿り着きます。
筆者は男性ですので、金剛門より43段の石段を上り、山門をくぐっての参拝経路を採りました。
正面が本堂です。

もう一方のルートはダムに近い方駐車場からですと、仁王様が守護する福徳門をくぐり坂を上がり本堂に向かうルートとなります。
こちらからは、福徳門をくぐると右手に不動明王像が迎えてくれます。

この不動明王様は10メートルの迫力ある『赤不動厄除波切不動明王』と呼ばれ、その下では暗闇の中を壁伝いに戒壇巡りができ、その暗闇の途中にある護摩堂では毎月護摩が修法されています。

少し進むとお不動様が見下ろすように鐘楼があります。
この鐘楼堂の鐘は巳年に鋳造されたもので、「巳成金」や「実の成る金」、もしくは「実の成る鐘」という意味があり、参詣者が金運に恵まれて努力が実りますようにとの願いが込められ、参詣者も撞くことができる有難い鐘です。

さて鐘楼向かいの客殿前には十三仏や七福神の石像が居並んでいます。

そしていよいよ本堂へと進みます。
本堂には先程も書きましたが、四国八十八箇所霊場第四十三番札所・源光山明石寺から観請した千手観世音菩薩が祀られています。
通常は本堂の最奥に祀られる千手観世音菩薩ですが、新年と夏の祭礼の際には御開帳されます。
千手観世音菩薩様は多くの手と宝具を持つ仏様であり、観音様の中でも殊にお力をお持ちの仏であることから、蓮華王と呼ばれることもあります。
明石寺の本尊は、八苦除の千手観世音菩薩様と呼び親しまれ、種々の苦を除き、種々の福徳を与えて下さる仏として信仰されています。

最後に本堂と大師堂の間をくぐるように、九州三十三観音霊場のご本尊の「ぼけ封じ観音」の巡拝路が案内されているので進んで行くと、本堂裏の小高い丘に「西国三十三観音お砂踏み霊場」があります。筆者は九州西国霊場は結願させていただいておりますが、西国霊場は巡拝しておりませんでしたので、感慨深いものがありました。

そしてそのまま進んで行くと光明密院と呼ばれる堂があります。堂内には神仏が並んでおり、中央には大日如来、虚空蔵菩薩、地蔵菩薩、毘沙門天、弁財天が安置され、各干支の本尊の説明もあります。
さらにこの光明密院の上にぼけ封じ観音があります。
無事結願を迎えられたことをご報告し、この日の参拝を終えました。

霊場ご本尊 聖(しょう)観世音菩薩について

別名、観音菩薩(かんのんぼさつ)とも呼ばれ、人々を常に観ていて救いの声(音)があれば瞬く間に救済する、という意味からこの名が付けられ日本でも多く信仰されました。
六観音の一つに数えられ、地獄道に迷う人々を救うとされています。
苦しんでいる者を救う時に千手観音や十一面観音などの六観音や三十三観音など、様々な姿に身を変えて救いの手を差し伸べます。
それら変化観音と区別するために変化観音に対して、変化しない観音をいい、また一番もとの観音(本来の姿の観音)という意味で、聖観音と呼ばれるようになりました。
単独で祀られることも多いのですが、阿弥陀如来の左脇侍として勢至菩薩と共に三尊で並ぶこともあります。
ちなみに般若心経は観音菩薩の功徳を説いたものです。

ご真言

おん あろりきゃ そわか

南無大師遍照金剛

明石寺は境内はもとより、周辺にも桜や楓が数多くあり、春には薄紅色の桜、夏には優しい緑の青もみじ、秋には目に鮮やかな紅葉が楽しむことができます。とりわけ冬には雪で一面真っ白な境内と雪を纏う不動明王像が見れることもあり、四季折々に美しい景観が楽しめます。
境内には宿坊大日屋旅館」もあり、お寺喫茶」も営業されているので、しばし日常を離れ、季節やお寺の空気を感じながら宿泊してみたり、喫茶で一休みするのもお勧めです。

九州三十三観音霊場 特別札所 大宝山 報恩寺 原鶴観音

次回は、九州三十三観音霊場 特別札所「大宝山 報恩寺 原鶴観音」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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