九州八十八ヶ所百八霊場 第五十九番札所 叡興山 光明寺

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九州八十八ヶ所百八霊場
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九州八十八ヶ所百八霊場第五十九番札所 叡興山 光明寺

光明寺は天平年間(729~749)に開山です。
入母屋造の本堂には、行基菩薩作のご本尊「十一面千手観音立像」を安置していますが、秘仏のため三十三年に一度開扉となっています。
また参道脇に大師堂があり、その周りには八十八ヶ所の石像があります。

九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

叡興山 補陀落院 光明寺
(御朱印)

創建

天平年間(729~749)行基菩薩 開山

宗派

真言宗大覚寺派

ご本尊

十一面千手観音立像
(お御影)

ご真言

おん ばざら たらま きりく

十一面千手観音について

別名 千手千眼観自在菩薩(せんじゅせんげんかんじざいぼさつ)とも言い、生きとし生けるものすべてを漏らさず救う、大いなる慈悲を表現する菩薩です。千の手と手のひらの千の眼によってどんな願いも見落とさず、悩み苦しむ衆生を見つけては手を差し伸べる広大無限な功徳と慈悲から「大悲観音」、または観音の王を意味する「蓮華王」とも称されます。
蓮華王とは泰三界曼荼羅で観音が配される場所である「蓮華部」の中で、最高位となっています。
阿修羅や金剛力士などが属する二十八部衆を配下とします。

千手観音は、人々を救うための手が多い分、得られるご利益も多いと考えられています。そのため、災難除け、病気平癒などあらゆる現世利益を網羅しているのです。
そのご利益です。
厄災厄除・苦難除去・病魔退散・悪疫守護・諸願成就・平穏無事・頭痛平癒・病気(難病)平癒・奇病快癒

さらに、夫婦円満や恋愛成就、安産や子宝成就にも功徳があるとされていて、後生善処(ごしょうぜんしょと読みます。亡くなったあと来世でも幸せに過ごせることを言います。)などのご利益もあります。

また六観音(聖観音・千手観音・馬頭観音・十一面観音・准胝観音または不空羂索観音・如意輪観音)の一つに数えられ餓鬼道に迷う人々を救うといわれています。
餓鬼道に生まれ変わる人は、生前に自己中心的な生活を送っていたり、欲望のままに生きていた人々で、ノドの渇きも潤せず、食べることが叶わないため渇きと餓えに苦しみ続けると言われています。

住所・連絡先

福岡県筑後市津島807 TEL 0942-53-4824
(地図)

JR鹿児島本線「筑後船小屋」・駅九州新幹線「筑後船小屋」駅から徒歩約10分
境内に駐車場あり

ご詠歌

草の庵 あいの川水 浅けれど 宿りて光る 明けの月影

川面を望み(第五十九番 光明寺)

五十九番 光明寺の最寄り駅はJR鹿児島本線「船小屋」は柳川藩の土木船格納の小屋があったことに由来するそうです。

九州八十八ヶ所百八霊場第五十九番札所 叡興山 光明寺

ここ光明寺も矢部川の支流の土手に面して仁王門を有する造りで、趣を感じさせてくれます。また寺の歴史も古く、天平年間に聖武天皇の勅願による行基菩薩が開山したと伝えられています。
縁起は国分寺と同じであり、中央との深い関係がうかがわれます。
その仁王門に安置されている仁王像は鎌倉期の仏師運慶の子・湛慶(たんけい)作と伝わっています。

右手に本堂を小ぶりにしたような大師堂があります。大師堂の周囲には八十八ヶ所の石仏が祀られていました。

川を背にしてさらに進むと正面に入母屋造の本堂があります。
本堂前方に左右二基の石塔が立っていますが、その内の一基(東塔)は、平重盛が安元元年(1175年)に奉納されたものとされる(実際は少し後の鎌倉中期頃の作と考えられている)由緒のあるもので、九重の造りで、すっきりとした中に歴史を感じさせてくれるものでした。
この石塔は福岡県文化財となっています。
西塔は嘉永2年(1849年)に久留米藩第九代藩主有馬頼徳によって建てられた模作塔だそうです。

さて本堂内には、秘仏のため直接拝むことはできませんが、開山の行基菩薩が自刻したといわれる、ご本尊の十一面千手観音様が安置されています。
ご本尊右側に閻魔(えんま)王を中心に、秦広(しんこう)王・初江(しょこう)王・宋帝(そうてい)王・五官(ごかん)王・変成(へんせい)王・太山(たいざん)王・平等(びょうどう)王・都市(とし)王・五道転輪(ごどうてんりん)王の十王像が並んでいます。
思わずこれまでの罪を、亡者の罪業を裁断する十王に懺悔したくなりました。

南無大師遍照金剛

余談になりますが、光明寺最寄り駅の筑後船小屋駅すぐそばには、在九州球団の「ソフトバンクホークス」の二軍・三軍の専用球場及び練習場等として使用している「HAWKSベースボールパーク筑後」があります。

次回は九州八十八ヶ所百八霊場第六十番札所「成田山 龍王院」をお伝えします。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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