九州三十六不動尊霊場 第三十四番札所 屏風山 鎮国寺

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九州三十三観音霊場
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鎮国寺は、中国より帰朝された弘法大師が、鎮護国家の根本道場として最初に建立された寺で、本堂(五仏堂)には、宗像五社の本地仏とされる大日如来、釈迦如来、薬師如来、阿弥陀如来、如意輪観音、境内には聖観音がお祀りされていまるとともに、護摩堂に霊場ご本尊の不動明王立像(身代り不動)が安置されています。

『概略』

屏風山 鎮国寺
(御朱印)

別称

身代り不動 護摩堂

創建

大同元年(806年) 弘法大師 空海

宗派

真言宗 御室派

ご本尊

胎蔵界大日如来坐像 (五仏堂)

不動明王立像(九州三十六不動尊霊場ご本尊)
(お御影)

ご真言

のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろ しやだ そわたや うんたらた かんまん

不動明王について

不動明王は、密教の教主、大日如来が衆生教化のため変身した明王の中では最高位の仏様です。
普段は柔和な大日如来が、優しさだけでは通用しない人々を救済するために、あえて怒りの形相をしています。
邪悪な相手には徹底的に厳しく、人が間違った道へ進もうとした時には、正しい道へと戻れるように諭してくれる存在です。
迷いの世界から煩悩を絶ちきり、仏の道を教えてくれる尊い存在なのです。

空海が日本にもたらした最初のお姿は両目を見開く恐ろしい形相で、おさげ髪のお姿でした。その後19世紀になると、「不動十九観」が定められ左目をやや閉じ、右目を開ける天地眼、上唇を下歯で噛み下唇を上歯で噛むといった特徴となりました。
そして倶利伽羅剣という宝剣と悪い心を縛り上げることにより、善き心を呼び起こさせるための羂索と呼ばれる網をもっておられます。
さらに背後には炎が立ち上げる火焔光背があります。

不動十九観とは

不動明王を心に浮かべる時、その見た目の特徴を表すもので、これを満たしたものを心に描くと理想的な不動明王の姿が描ける考えられます。

1.大日如来の化身であること。
2.真言中に「ア」・「ロ」・「カン」・「マン」の四字があること。
3.常に火生三昧に住していること。
4.童子の姿を現わし、その身容が卑しく肥満であること。
5.髪の毛の上に七沙髻があること。
6.左に一弁髪を垂らすこと。
7.額に水波のようなしわがあること。
8.左の目を閉じ右の目を開くこと。
9.下の歯で右上の唇を噛み、左下の唇の外へ出すこと。
10.口を固く閉じること。
11.右手に剣をとること。
12.左手に羂索を持つこと。
13.行者の残食を食べること。
14.大磐石の上に安座すること。
15.色が醜く、青黒であること。
16.奮迅して忿怒であること。
17.光背に迦楼羅炎かるらえんがあること。
18.倶力迦羅竜くりからりゅうが剣にまとわりついていること。
19.矜羯羅童子と制多迦童子の二童子が侍していること。

住所・連絡先

福岡県宗像市吉田966 TEL 0940-62-0111
(地図)

アクセス

九州自動車道「若宮」インターから約25分
九州自動車道「古賀」インターから約30分
駐車場あり

JR鹿児島本線「東郷駅」下車 徒歩1時間15分 タクシー10分
JR鹿児島本線「東郷駅」下車 神湊波止場行き(宗像大社経由)に乗車「宗像大社前」で下車 徒歩15分

ご詠歌

身代わりの 誓いをたのむ 鎮国寺 阿字の山坂 のぼるうれしさ

空海を救った不動明王(第三十四番 鎮国寺)

境内で本堂と見紛うばかりの大きなお堂の護摩堂には、大師作と伝わる像高93センチあまりの木造不動明王が祀られ、身代わり不動として崇敬を集めています。
国指定重文の秘仏で、柴灯護摩の厳修される四月二十八日だけ御開帳されますが、こちらが霊場本尊です。

余談ですが、この柴灯護摩供では、境内で火渡りが行われ護摩木を燃やし住職をはじめ山伏や参拝者が燃え尽きた灰の上を素足で渡るそうです。
そして参拝者は誰でも参加できるそうですが、それほどの暑さではないようです。

さて鎮国寺には奥の院と呼ばれている「不動堂」があり、帰朝後弘法大師・空海が籠もって修行したと伝わる岩窟を背に立てられています。

こちらは九州八十八所百八霊場百八番、結願の札所です。

こちらのご本尊も不動明王様で弘法大師が遣唐使として渡海のおり台風に遭遇し、その際神仏に祈ったところ不動明王が出現し波を鎮めたという逸話があり、ご朱印には「波切不動尊」と書かれていました。

また鎮国寺のお不動様には様々な霊験話があり、車で大事故に遭ったのに怪我一つなくお守りだけが割れていたとか、腹痛で乗り遅れた飛行機に重大なトラブルが発生したとか底知れないパワーをお持ちのようです。

南無大師遍照金剛

今回は九州三十六不動尊霊場「第三十四番札所 屏風山 鎮国寺」をお伝えしてまいりましが、鎮国寺は九州三十三観音霊場第一番札所であるとともに九州西国霊場第三十一番札所、そして九州八十八所百八霊場第八十八番・百八番として結願のお寺ともなっています。

ちなみに他の霊場の霊場ご本尊は、
九州八十八所百八霊場第第八十八番札所「胎蔵大日如来座像」 本堂(五仏堂)
同百八番札所の霊場ご本尊は「不動明王立像」 奥の院
九州西国霊場第三十一番札所「如意輪観世音菩薩」 本堂(五仏堂)
九州三十三観音霊場第一番札所「聖観音立像」 境内、文殊堂と地蔵堂の間
となっています。

九州二十四地蔵尊霊場 第十二番札所 成就山 本願院

次回は再び九州二十四地蔵尊霊場に戻り、第十二番札所「成就山 本願院」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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