九州八十八ヶ所百八霊場 第七番札所 普賢山 興徳院

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九州八十八ヶ所百八霊場
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普賢山興徳院は昭和4年に妙善尼が甘木の中心部に創建し、病人や貧しい人を救おうと、弘法大師を本尊として加持祈祷をされていたお寺です。
昭和40年に現在地に移転し十一面観音を本尊とし、昭和56年に弘祐尼によって本堂が建立されました。
その後、第3世、妙香尼が跡を継、創建から三代続いて尼僧によって護られてきたお寺で、今日では加持祈祷と先祖供養(施餓鬼供養)を主体に活動をおこなっているそうです。

『概略』

普賢山 興徳院
(御朱印)

創建

1929年(昭和4年) 妙善尼

宗派

真言宗 大覚寺派

ご本尊

十一面観音立像(九州八十八ヶ所百八霊場ご本尊)
(お御影)

ご真言

おん まか きゃろにか そわか

十一面観音菩薩について

密教の世界で言われる「六観音(あるいは七観音)」のうちの変化のひとつの観音菩薩様です。
十一面観音菩薩さまは、苦しんでいる人をすぐに見つけるために頭の上に11の顔を持ち、全方向を見守ってくれています。
様々な災難、病気治癒、財福授与、勝利を得るなどの10種類の現世利益があり、延命、地獄に落ちない、極楽浄土に行けるなどの四種果報のご利益があるとされていて、千手観音菩薩と並んで人気の高い観音様で、阿修羅(修羅)道に迷う人々を救ってくださいます。
ちなみに頭上面のうち前3面を菩薩面、左3面を瞋怒面、右3面を狗牙上出面、後1面を大笑面が一般的には配されていて、それに頂上の仏面を合わせて11面です。
中には本体のお顔とあわせて11面となる場合もありますし、11面の配列が異なる場合もあります。
その面の中の「大笑面」ですが、悪行を大笑いして改心させ、善の道に向かわせるといわれています。

住所・連絡先

福岡県朝倉市牛木52 TEL 0946-22-4421
(地図)

アクセス

JR鹿児島本線基山駅乗り換えまたは西鉄大牟田線小郡駅下車 徒歩2分
西鉄甘木線小郡駅~甘木駅下車、徒歩10分

西鉄大牟田線宮の陣駅 乗り換え甘木鉄道(レールバス基山~甘木線)甘木駅下車、徒歩10分

車の場合、国道386号線甘木橋信号を小石原川沿いに下り、3分

境内入り口に駐車場あり

ご詠歌

み仏の 救世の誓いは 普賢山 甘露の清水 汲めや興徳

修験の山から筑後川に流れ込む小石原川沿いに佇む伽藍

日本三大暴れ川の次男坊・筑紫次(二)郎(つくしじろう)の別名もある「筑後川」の支流が小石原川です。修験の山で有名な英彦山ひこさん)の麓を源とする川です。
支流と言っても川幅はかなり広く「滔々と流れる」という言葉も当てはまるような河川です。
この辺りは、数年前、桜の撮影に甘木公園を訪ねたことがあるので、ちょっと懐かしく感じました。
朝倉市と合併前は、甘木市と言って甘木公園をはじめ桜の名所が点在していますが、とりわけ有名で多くの観光客を集めているが城下町「秋月」でしょう。

その街中を抜け、小石原川の左岸に沿ったところに白壁に囲まれて興徳院はあります。

本堂は一見民家風の佇まいですが、内陣はとても立派で、十一面観音や弘法大師、そして不動尊などが荘厳に祀られていました。
境内は庭石や緑を巧に配置されていて、こじんまりとはしているものの、どこかほっと一息つけるような空間が広がっています。
川側に立っている白壁の内側には地蔵菩薩、弘法大師、十三仏の諸尊などの石仏が一列に並んでいました。

御朱印をいただく間、お茶と餅菓子を出していただき、また帰り際には、数袋のお菓子が詰められた包みを「ご接待」いただき恐縮の極みでした。

南無大師遍照金剛

今回お参りした興徳院は、冒頭で書きましたように創建から三代続いて尼僧によって護られてきたお寺で、本堂が民家風なのは、気軽にお参り出来るようにとの願いが込められているそうです。
お参りを終えて、境内を出ると支流と言えどもけっこう川幅の広い小石原川の光景と春先の穏やかな風にさらに癒された遍路旅でした。

次回は第八番札所「遍照山 隆照寺」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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