九州八十八ヶ所百八霊場 第六十番札所 成田山 龍王院

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九州八十八ヶ所百八霊場
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佐賀成田山龍王院のご本尊「不動明王」は、嵯峨天皇の勅命により弘法大師がみずから敬刻して開眼し護摩法を修せられました千葉県の成田山新勝寺の尊像のご分霊です。境内はとても広く、本堂は鉄筋コンクリート造りで、一見近代的なホールのような造形です。

九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

成田山 龍王院
(御朱印)

創建

昭和40年(1965年)

別称

佐賀成田山

宗派

真言宗智山派

ご本尊

不動明王坐像
(お御影)

ご真言

のうまく さんまんだ ばだらだん せんだ まかろしやだ そわたや うんたらた かんまん

不動明王について

不動明王は、密教の教主、大日如来が衆生教化のため変身した明王の中では最高位の仏様です。
普段は柔和な大日如来が、優しさだけでは通用しない人々を救済するために、あえて怒りの形相をしています。
邪悪な相手には徹底的に厳しく、人が間違った道へ進もうとした時には、正しい道へと戻れるように諭してくれる存在です。
迷いの世界から煩悩を絶ちきり、仏の道を教えてくれる尊い存在なのです。

空海が日本にもたらした最初のお姿は両目を見開く恐ろしい形相で、おさげ髪のお姿でした。その後19世紀になると、「不動十九観」が定められ左目をやや閉じ、右目を開ける天地眼、上唇を下歯で噛み下唇を上歯で噛むといった特徴となりました。
そして倶利伽羅剣という宝剣と悪い心を縛り上げることにより、善き心を呼び起こさせるための羂索と呼ばれる網をもっておられます。
さらに背後には炎が立ち上げる火焔光背があります。

不動十九観とは

不動明王を心に浮かべる時、その見た目の特徴を表すもので、これを満たしたものを心に描くと理想的な不動明王の姿が描ける考えられます。

1.大日如来の化身であること。
2.真言中に「ア」・「ロ」・「カン」・「マン」の四字があること。
3.常に火生三昧に住していること。
4.童子の姿を現わし、その身容が卑しく肥満であること。
5.髪の毛の上に七沙髻があること。
6.左に一弁髪を垂らすこと。
7.額に水波のようなしわがあること。
8.左の目を閉じ右の目を開くこと。
9.下の歯で右上の唇を噛み、左下の唇の外へ出すこと。
10.口を固く閉じること。
11.右手に剣をとること。
12.左手に羂索を持つこと。
13.行者の残食を食べること。
14.大磐石の上に安座すること。
15.色が醜く、青黒であること。
16.奮迅して忿怒であること。
17.光背に迦楼羅炎かるらえんがあること。
18.倶力迦羅竜くりからりゅうが剣にまとわりついていること。
19.矜羯羅童子と制多迦童子の二童子が侍していること。

住所・連絡先

佐賀県三養基郡上峰町堤1903 TEL 0952-52-2083
(地図)

アクセス

JR鹿児島本線鳥栖駅から西鉄バス東目達原行、佐賀成田山前下車
国道34号線を佐賀方面へ。長崎自動車道東脊振インターからは南下し、三田川町田手交差点を左折
境内に大駐車場あり

ご詠歌

絡みあう 思いを尋ねて 成田不動 行きつ戻りつ 開運坂を

近代的な諸堂(第六十番 龍王院)

ここは、有名な千葉県にある成田山・新勝寺の末寺です。
昭和40年に熱心な信徒の懇願によって成田山の分霊をお奉りしたそうです。以来、佐賀成田山として年始などは広い駐車場もいっぱいになります。

境内の諸堂は近代的な建物で、ちょっと趣には欠けますが、裏手には滝場も設けられ、また不動明王や観音菩薩、八大龍王、十三仏などの石仏も祀られていて、霊的な雰囲気が充分に漂っています

本堂も外観と異なり、内部は荘厳で、内陣に祀られた不動尊のお姿も威風堂々とした佇まいです。
私たちがカメラを下げていたせいか、お寺の方が
私どものお寺は、撮影可ですよ」とお声をかけていただいたので、他のお寺では、内陣の撮影は遠慮していたのですが、こちらでは遠慮なく撮影させていただきました。

最後に境内入り口の出世稲荷にもお参りをして、「吉野ヶ里歴史公園」に向かうことにしました。
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南無大師遍照金剛

九州八十八所巡拝は九州全域に広がっているので、なかなか移動等大変ですが、その道中に様々な観光スポットや温泉等が点在しているので、そういう楽しみも加わります。
ここ龍王院のすぐ傍には、「吉野ヶ里歴史公園」があります。
吉野ヶ里遺跡は、我が国最大の弥生時代の遺跡です。

ちなみに本院である「成田山新勝寺」は1080余年の歴史をもち、年間1000万人を超える参詣者が訪れる全国有数の寺院です。


成田山開山の祖である寛朝大僧正(かんちょうだいそうじょう)は、940年(天慶3年)、朱雀天皇の勅命を受け、平将門の乱を鎮めるために関東に下り、成田山を開山しました。
その時に携えたのが、冒頭にも書きました弘法大師・空海がみずから敬刻して開眼し護摩法を修せられた「不動明王」です。

九州八十八ヶ所百八霊場第六十一番札所 普明山 高野寺

次回は九州八十八ヶ所百八霊場第六十一番札所「普明山 高野寺」をお伝えします。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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