九州八十八ヶ所百八霊場 第三十六番札所 観弘山 貫川寺

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九州八十八ヶ所百八霊場
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延岡より日向灘を望みながら、国道10号線を南下し宮崎に向かう途中の国道沿いに、第36番貫川寺はございます。本尊は十一面観世音菩薩。立像と坐像がございます。立像は、その昔、九州連山の尾鈴山に祀られておりましたが、昭和の初期に当寺のご本尊としてお迎え致しました仏像であります。
坐像は、黎明の時代とされる21世紀を迎え、人々の魂の目覚めを念願し、黎明十一面観世音菩薩と名付けて、平成16年に安置致しました左手に金剛鈴を持つ仏像であります。 境内には、三界萬霊の供養処として、水掛六地蔵尊・十一面観世音菩薩・水子地蔵尊、安産と子供の健やかなる成長を願う子育大師像を安置しております。
九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

観弘山 貫川寺
(御朱印)

創建

明治四十二年(1909年) 高橋 貫弘 和尚

宗派

高野山真言宗

ご本尊

十一面観音立像(九州八十八ヶ所百八霊場ご本尊)
(お御影)

ご真言

おん まか きゃろにか そわか
(おん ろけいじばら きりく そわか)

十一面観音について

苦しんでいる人をすぐに見つけるために頭の上に11の顔があり、全方向を見守っています。またそれぞれの顔は人々をなだめたり怒ったり、励ましてくれたりするといわれています。十種勝利(現世利益)と四種果報(死後成仏)という様々なご利益があり、千手観音菩薩と並んで人気の高い観音である。六観音の1つに数えられ、修羅道に迷う人々を救います
奈良時代から多く信仰されるようになり、延命、病気治療などを願って多く祀られるようになりました。
ちなみに頭上面のうち前3面を菩薩面、左3面を瞋怒面、右3面を狗牙上出面(くげじょうしゅつめん)、うしろ1面を大笑面といい、頂上に仏面を配して11面です。中には本面とあわせて11面となる場合もあります。また11面の配列が異なる場合もあります。 大笑面は、悪行を大笑いして改心させ、善の道に向かわせるといわれています。

住所・連絡先

宮崎県児湯郡都農町大字川北名貫983 TEL 0983-25-2612
(地図)

アクセス

JR日豊本線日向市駅から宮崎交通バス宮崎行、名貫橋下車すぐ。
国道10号線、都農神社を過ぎて、国道沿いにある。
境内に駐車場あり

ご詠歌

名貫川 水に映りし 観世音 弘誓の慈悲も 清き貫川寺

かつての霊山に抱かれて(第三十六番 貫川寺)

貫川寺の縁起は、明治42年、諸国を行脚していた高橋貫弘和尚が名貫川のほとりにある三明神社にて修行をしていた時、眼病の村人に加持祈祷を修したところ平癒したことによって近郷の多くの信者が集まったため、この地に永住することを決め建立しました。

現在の本堂は花頭窓が開けられた鉄筋コンクリート造。

創建当初は弘法大師を本尊として加持祈祷を行い、他に十一面観音、地蔵菩薩、不動尊などが安置されていたそうです。
第二世の弘和尼が「子安大師」で有名な四国八十八ヶ所六十一番香園寺(こうおんじ)で修行をしていた縁から、「子育大師」を勧請しています。
現在は境内背後に望む、かつての修験道の霊山「尾鈴山」の本地仏であった十一面観音が御本尊となっています。

この十一面観音は明治の修験道禁止令により尾鈴山が霊山として衰微した後、在家に祀られていましたが、仏縁により貫川寺の本尊として迎えられたそうです。

こじんまりとした境内ではあるものの、やはり霊山からのお力か、凛とした空気の漂う中でのお参りでした。

南無大師遍照金剛

尾鈴山は、標高1405メートルで山中に「尾鈴神社」があり、現在でも修験道の名残を感じさせているそうです。
現在は、尾鈴県立自然公園となっていて山上付近には高山植物の「寒蘭」の群落地があります。

九州八十八ヶ所百八霊場 第三十七番札所 圓山(まるやま)高野山 香泉寺

次回は第三十七番札所「圓山(まるやま)高野山 香泉寺」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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