九州八十八ヶ所百八霊場 七十五番札所 石橋山 御橋観音寺

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九州三十三観音霊場
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九州八十八ヶ所百八霊場第七十五番札所 石橋山 御橋観音寺

1240年前に行基菩薩が海底で光を放つ大木から三体の観音像を敬刻し、開眼供養して東の海に流されたその内の1体が御橋観音寺となり現在まで信仰の霊地として栄えています。また二条の大石橋をはじめ春は桜、秋は紅葉と平戸八景の景勝地としても有名です。

九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

石橋(せっきょう)山 御橋(おはし)観音寺
(御朱印)

創建

養老年間 行基菩薩

宗派

真言宗智山派

ご本尊

十一面観音坐像(秘仏) 行基菩薩作(九州八十八ヶ所百八霊場ご本尊)
毎月18日、正月三が日に御開帳
(お御影)

ご真言

おん まか きゃろにきゃ そわか

十一面観音菩薩について

密教の世界で言われる「六観音(あるいは七観音)」のうちの変化のひとつの観音菩薩様です。
十一面観音菩薩さまは、苦しんでいる人をすぐに見つけるために頭の上に11の顔を持ち、全方向を見守ってくれています。
様々な災難、病気治癒、財福授与、勝利を得るなどの10種類の現世利益があり、延命、地獄に落ちない、極楽浄土に行けるなどの四種果報のご利益があるとされていて、千手観音菩薩と並んで人気の高い観音様で、阿修羅(修羅)道に迷う人々を救ってくださいます
ちなみに頭上面のうち前3面を菩薩面、左3面を瞋怒面、右3面を狗牙上出面、後1面を大笑面が一般的には配されていて、それに頂上の仏面を合わせて11面です。
中には本体のお顔とあわせて11面となる場合もありますし、11面の配列が異なる場合もあります。
その面の中の「大笑面」ですが、悪行を大笑いして改心させ、善の道に向かわせるといわれています。

住所・連絡先

長崎県佐世保市吉井町直谷94 TEL 0956-64-2176
(地図)

アクセス

松浦鉄道吉井駅下車、タクシー5分
車の場合JR佐世保駅より車で50分
国道204号線を吉井町に入り、寺標を右折する。
境内前に駐車場あり。

ご詠歌

はるばると 登りて見れば 天かける 二條の橋を 拝む極楽

他の霊場札所

九州三十三観音霊場第二十九番札所

霊場ご本尊・本堂前

ご詠歌

はるばると 登りて見れば 天かける 二條の橋を 拝む極楽(九州八十八所百八霊場と同じ)

ご真言

おん あろりきゃ そわか
(御朱印)

天然の奇勝・大石橋、御橋観音(第七十五番 御橋観音寺)

養老年間(717年~724年)佐世保日宇東の浦では夜になると海辺に不思議な光が輝き、漁師が船出できずにこまっていたところ、通りかかった行基菩薩が海中から見出し、その3本の霊木に一刀三拝して三体の観音像を彫り、開眼供養後、有縁のところに届くようにと東の浦に流しました。
その内の一体が佐々の港に漂着し御橋観音としてお祀りしているのがご本尊、十一面観音坐像です。

ちなみに他の二体は佐世保港の松林の海辺と長崎外脇岬に漂着し、それぞれ「福石観音」「みさき観音」として篤く信仰されています。

さて山門をくぐり参道を進んだところに入母屋造のかつての本堂、現在は開山堂となっているお堂があります。

その右手を見上げると、巨大な二枚の岩が橋のように渡っている光景が目に入ります。
大石橋」と呼ばれ、寺号、山号もこれに由来しご詠歌にもうたわれています。大石橋の下は奥の院となっていて不動尊や地蔵尊などの石仏が点在しています。

現在の本堂は宝形造の美しい姿で山門手前に建っていて、観音菩薩がご本尊のお寺として九州三十三観音霊場第二十九番札所として訪れる参拝者も多いお寺です。

南無大師遍照金剛

余談になりますが、境内のシダ植物群落は国の天然記念物に指定され、生育分布の北限とされる種類のシダも群生しているそうです。
中でも「シロヤマゼンマイシダ」「ホウライシダ」「エダウチホングウシダ」「ミヤジマシダ」などは御橋観音が生育分布の北限といわれていて、特に珍しいものだそうです。

九州八十八ヶ所百八霊場第七十六番札所 弦掛山 西福寺

次回は九州八十八ヶ所百八霊場第七十六番札所「弦掛山 西福寺」をお伝えします。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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