九州三十三観音霊場 第十四番札所 飛龍山 大光院

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九州三十三観音霊場
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九州三十三観音霊場 第十四番札所 飛龍山 大光院

大光院は、血の池地獄から鉄輪に向かう途中の道路沿いにあり、金峯山修験本宗の寺院です。大光院の御本尊は不動明王で、身代わり不動尊と呼ばれます。
また九州三十三観音霊場第十四番札所ともなっています。

『概略』

飛龍山 大光院

昭和4年(1929年) 雲海僧正

宗派

金峯山修験本宗
*天台宗より分宗した宗派

ご本尊

不動明王立像(身代り不動)

不動明王について

不動明王は、密教の教主、大日如来が衆生教化のため変身した明王の中では最高位の仏様です。
普段は柔和な大日如来が、優しさだけでは通用しない人々を救済するために、あえて怒りの形相をしています。
邪悪な相手には徹底的に厳しく、人が間違った道へ進もうとした時には、正しい道へと戻れるように諭してくれる存在です。
迷いの世界から煩悩を絶ちきり、仏の道を教えてくれる尊い存在なのです。

空海が日本にもたらした最初のお姿は両目を見開く恐ろしい形相で、おさげ髪のお姿でした。その後19世紀になると、「不動十九観」が定められ左目をやや閉じ、右目を開ける天地眼、上唇を下歯で噛み下唇を上歯で噛むといった特徴となりました。
そして倶利伽羅剣という宝剣と悪い心を縛り上げることにより、善き心を呼び起こさせるための羂索と呼ばれる網をもっておられます。
さらに背後には炎が立ち上げる火焔光背があります。

不動十九観とは

不動明王を心に浮かべる時、その見た目の特徴を表すもので、これを満たしたものを心に描くと理想的な不動明王の姿が描ける考えられます。

1.大日如来の化身であること。
2.真言中に「ア」・「ロ」・「カン」・「マン」の四字があること。
3.常に火生三昧に住していること。
4.童子の姿を現わし、その身容が卑しく肥満であること。
5.髪の毛の上に七沙髻があること。
6.左に一弁髪を垂らすこと。
7.額に水波のようなしわがあること。
8.左の目を閉じ右の目を開くこと。
9.下の歯で右上の唇を噛み、左下の唇の外へ出すこと。
10.口を固く閉じること。
11.右手に剣をとること。
12.左手に羂索を持つこと。
13.行者の残食を食べること。
14.大磐石の上に安座すること。
15.色が醜く、青黒であること。
16.奮迅して忿怒であること。
17.光背に迦楼羅炎かるらえんがあること。
18.倶力迦羅竜くりからりゅうが剣にまとわりついていること。
19.矜羯羅童子と制多迦童子の二童子が侍していること。

ご真言

なーまく さーまんだー ばーさら なん せんだん まーかろしゃな そわたや うんたらたかんまん

住所・連絡先

大分県別府市北鉄輪2 TEL 0977-67-6351
(地図)

アクセス

大分自動車道別府インターより10分
JR日豊本線別府駅より別府循環バス20分北鉄輪バス停下車
門前に駐車場有り

ご詠歌

世を照らす 飛龍の光 ありがたや 地獄もはすの うてなとぞなる

別府鉄輪の温泉地に佇む(第十四番札所 飛龍山 大光院)

九州三十三観音霊場 第十四番札所 飛龍山 大光院

両脇の仁王像に迎えられ、山門をくぐると、正面左手に本堂があります。

ご本尊は「身代り不動」で、長野の善光寺の御神木をもって江戸初期に造立されたと伝わる尊像です。
ただこの尊像には不思議な逸話も残っていて、仏師が最後に瞳を入れかかった時に急死してしまい、その後を継いで瞳を入れようとした仏師二人も急死してしまったそうで、以来瞳の入っていないままの珍しい御仏だそうです。

本堂の参拝した後、ご住職のお勧めに従い、本堂向かいの「八葉殿」に参拝することにしました。

八葉殿は水子供養と所願成就のお堂で、小楼天や金剛明王など様々な仏様、神様たちが所狭しと奉安されていました。

その後、本堂右手の小高い所に「脳天堂」と「金剛堂」並んで立っています。
脳天堂は首から上の守り神で、試験の合格や学力向上、首から上の病気一切にご利益をいただける脳天大神がお祀りされています。

さてその他境内には、修験道の開祖の役行者の像など様々な尊像がこちらも所狭しと居並んでおられました。

その中でも境内中央の不動明王は「一願不動」と呼ばれ、一人一願成就のご利益を授けてくださるお不動さまだそうです。

そして最後に今回の参拝の主たる目的の九州三十三観音霊場のご本尊の聖観音様にお参りをしてこの日の巡礼を終えました。

霊場ご本尊 聖(しょう)観世音菩薩について

別名、観音菩薩(かんのんぼさつ)とも呼ばれ、人々を常に観ていて救いの声(音)があれば瞬く間に救済する、という意味からこの名が付けられ日本でも多く信仰されました。
六観音の一つに数えられ、地獄道に迷う人々を救うとされています。
苦しんでいる者を救う時に千手観音や十一面観音などの六観音や三十三観音など、様々な姿に身を変えて救いの手を差し伸べます。
それら変化観音と区別するために変化観音に対して、変化しない観音をいい、また一番もとの観音(本来の姿の観音)という意味で、聖観音と呼ばれるようになりました。
単独で祀られることも多いのですが、阿弥陀如来の左脇侍として勢至菩薩と共に三尊で並ぶこともあります。
ちなみに般若心経は観音菩薩の功徳を説いたものです。

ご真言

おん あろりきゃ そわか

南無根本伝教大師福聚金剛

大光院には、雲海僧正が衆生に根ざした布教の一環として、生活に疲れた方や生きる希望の無くなった方が立ち直っていただける場所として「かけこみ寺」の建設を発願した意思を継ぎ、多くの方々のご協力により昭和54年(1979年)に経費無料の宿泊施設として「かけこみ寺信徒会館」が建立されているそうです。

九州三十三観音霊場 第十五番札所 龍雲山 興禅院

次回は、九州三十三観音霊場 第十五番札所「龍雲山 興禅院」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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