水沢腹堅|さわみずこおりつめる|2023年|七十二候|歳時記

水沢腹堅 さわみずこおりつめる 難所が滝 福岡 歳時記
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水沢腹堅 さわみずこおりつめる

暦は25日より大寒の次候「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」になりました。大気の冷えがまさに底となるこの時期、池や沼の水面の氷は、溶けたり凍ったりを繰り返しながら厚みを増し、沢の水さえも凍る頃という意味です。七十二候もあと「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」を残すばかりとなります。

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水沢腹堅(さわみずこおりつめる)

「水沢(さわみず)」とは、水のある沢のこと。「腹(あつ)く」とは厚くという意味で、流れる沢までも氷が厚く堅く張りつめるほど寒い時候といった意味合いです。
小寒・大寒の候では、芹や蕗の薹、雉や鶏と動植物が登場して、春の兆しや微かな気配に意識を向かわせてくれますが、この候だけは厳冬の極みを象徴しています。地中や雪の下では春の兆しが始まっているとはいえ、地上は真冬そのもの、全国的に10年に一度と言われる「この冬一番の最強寒波」も襲来し、寒さの極致を迎え、寒さに対しては正念場の時季が到来したことを人々に伝えています。

この時期は寒さが極まり池や湖沼などの動かない水はもとより、ゆるやかに流れる堰の水まで凍りつく頃です。
強い寒気が日本列島に流れ込みやすい時期でもあり、朝晩に氷点下に達する地域も広がって、各地で暴風雪や大雪を伴い、今年一番の冷え込みを観測しています。
ちなみに、寒さの日本記録は−41℃で、明治35年1月25日に北海道の旭川市で観測されました。
また、長野県諏訪湖では、3日前に薄氷が観測され、今回の寒波で「御神渡り」出現に期待が高まっています。

氷には、様々な呼び方があり、地上にできた氷としては、「」や「氷柱(つらら)」が一般的ですが、樹木に付いた場合は「霧氷」や「樹氷」と呼ばれています。
沢の水など河川の水は凍ると「河氷」、湖の水は凍ると「湖氷」、海の水は凍ると「海氷」と呼ばれ、北海道のオホーツク海沿岸でこの時季から観測され始める「流氷」は「海氷」の一種です。

九州福岡では冬の絶景である宝満山から三郡山の稜線直下にある通称「難所が滝(河原谷の大つらら)」の氷の芸術、大つらら・小つららも気になるところですが、現在は一部が凍っている程度だそうです。

滝の水が凍ると「氷瀑(ひょうばく)」と呼ばれ、引力で勢いよく落下していた水が凍りついて、辺りの情景は動から静へと一転します。

難所が滝

また寒中においては、昔から僧俗を問わず「寒行」または「寒修行」が行われ、各地で武道や音曲などの「寒稽古」や「寒中水泳」が実施されてきました。
一年で最も寒いこの時季に、寒さから逃避するのではなく、寒さに積極的に向き合って、寒さに耐えて打ち克って、精神を鍛練しようという習わしです。

結詞

結詞

目には見えていなくても、すぐ隣まで来ている春を感じながらも、今年も寒さと同時に新型コロナウィルスや、さらにはインフルエンザにも負けず、しっかりと対策・対峙して、凛とした心を持って、この厳冬を乗り越えていきましょう。

ちなみに25日(福岡の太宰府天満宮は7日)には初天神鷽(うそ)替え神事鬼すべ神事など新春のイベントがありますが、風物詩のカテゴリーに2022年版をアップしておりますので、併せてご一読ください。

さて新年明けて早いもので1月も終わりを迎えようとしていますが、七十二候は30日より最後の候の「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」と進んでいきます。次節はいよいよ春の始まりで暦では「立春」です。

鶏始乳 にわとりはじめてとやにつく


ところで、2023年の立春は2月4日です。それに伴い、「節分」は2月3日になりますので、恵方巻や豆まきなどご注意ください。詳しくは改めて掲載いたします。ちなみに2023年の恵方は「南南東」です。

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