正月事始め | 事八日 | 事始め | 事納め | 針供養 | 煤払い | 大掃除

正月事始め正月 風物詩
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正月事始め正月

今年も残り少なくなり、何かと気忙しい中、追い打ちをかけるような話題で恐縮ですが、13日は正月事始めといい、正月の準備を始める日です。

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正月事始め

12月13日はお正月の準備に取り掛かるには良い日とされる「正月事始め」です。

中国で生まれた天文学・占星術で「二十八宿」というものがあって、旧暦の12月13日は「鬼宿」と名前こそ恐ろしげですが、鬼が辺りをうろつかない日とされ「万事進むに大吉」と、とても縁起の良い日とされています。
江戸時代の江戸城ではそれに因んでかこの日に「煤払い」を行ったことから庶民の間でもこの日に煤払いをするようになったようです。

正月事始め

その大掃除が終われば門松にする松や、おせち料理の支度の為の薪などを採りに山に出かけました。
このことからこの日は「松迎え」とも呼ばれています。

煤払い

煤払い

お正月は年神様が訪ねてこられ「五穀豊穣」「子孫繁栄」「無病息災」をもたらせてくれます。
年神様をお迎えするために家中の煤や埃を落とし気持ちよくお迎えするためにこの日から大掃除に精を出しました。
神様はさておき家中をきれいに清掃・整理することは新たな年を迎えるにあたり気持ちまで改まるものです。

大掃除

さて現代社会の大掃除ですが、正月事始めの煤払いにそのルーツを見出すことができます。
大掃除だけでなくおせちの準備をしたり、年賀状を書いたりと何かと忙しい年末、効率よく大掃除を終えて清々しく新年を迎えたいものです。

大掃除

そこで大掃除のコツのようなものをお伝えしておきましょう。

まずは大まかな予定を立ててみてはいかがでしょうか。次の順番で進めていくと効率がいいです。

  1. 不用品の整理(分別したごみの収集日に要注意)
  2. 不用品の処分
  3. 掃除場所のリストアップ(完璧を望まず今年の重点個所を決めましょう)
  4. 掃除する箇所の順番を決めましょう
  5. 掃除用具・用品の在庫を確認して、必要な道具や不足しそうなものは補充しておきましょう。
  6. 予定に沿って進めていきましょう

4の順番の基本は以下の通りです。

  1. 上から下へ(例:天井→壁→床)
  2. 奥から手前(例:押し入れ→戸棚→テレビや家具の下)
  3. 細かいところや細かい作業は一番最後

とにかく完璧を狙わず重点的にやることがポイントです。
きれいになったお家の中で年賀状書き、お飾りの準備、おせち料理の準備と進めていきましょう。

事八日(ことようか)

さて12月8日と2月8日(本来は旧暦)は、事を始めたり納めたるする大事な日として「事八日(ことようか)」といい、様々な行事が行われてきました。昔の農家では、12月8日に作業を締めくくり、お正月の準備を始めました。これが「事納め」で、今年の収穫を終え、田を見守ってくださった神様に感謝をします。これと対になる行事として、年が明けた2月8日を「事始め」といい、農作業や祭事を開始しました。また反対に、元旦に新年の幸せをもたらす年神様は働きだします。正月準備を始めるので12月8日を「事始め」、2月8日を「事納め」とする地方もあります。「事」を何ととらえるかによって、またその日にお祀りする神様によって一方の始まりの日はまた一方の終わりの日になるわけです。そして、これらを合わせて「事八日」と呼ぶようになりました。
さらに、「事八日」には一年間お世話になった道具を片付け、供養する風習があります。その代表的な行事が「針供養」です。「針供養」も12月8日に行う地域と2月8日に行う地域があります。お世話になった折れた針や古くなった針を、感謝の気持ちを込めて柔らかい豆腐やこんにゃくに刺し、川に流したり、神社に納めたりして、裁縫の上達を願う行事です。
またこの日に「お事汁」という根菜たっぷりのみそ汁を食べ、「無病息災」を祈る習慣もあります。
ぐっと冷え込む日が増えてきましたので、温かい汁物がおいしいです。

お事汁の作り方

お事汁
味の素より

作り方をご紹介していますので、味わってみてはいかがでしょうか。
旧暦12月8日、2月8日の「事八日」(ことようか)に、無病息災を祈って食べる野菜たっぷりのみそ汁が「お事汁」です。
おこと汁は別名「六質汁」(むしつじる)とも呼ばれ、元々は芋、大根、にんじん、ごぼう、小豆、こんにゃくの6種類の具を入れて作ったみそ汁です。ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、寒い季節に体の芯から温まる伝統の健康長寿食といえます。
地方によって、入れる具材はいろいろあるようです。

針供養

針供養

事納めに関連したならわしでは、針を供養し針仕事を休む「針供養」や、能登半島では田の神様を家に迎える「あえのこと」などが行われます。「あえ」はもてなすの意味があり、コシヒカリの小豆ご飯、たら汁、大根と鱈の酢の物、お造り、甘酒など、能登で獲れた食材を用いて、田の神様にご馳走をふるまいます。

縫い物の上達を願って、一年間使用した針を供養する「針供養」です。
男女平等の現代社会でこんなことを言うと叱られてしまうかもしれませんが、昔、針仕事は女性にとってとても大切な仕事でしたので、供養の方法は地域によってさまざまですが、その大切な道具である針に対して折れた針や古くなった針を柔らかい豆腐やこんにゃくに刺して、感謝の気持ちを込めて川に流したり、お寺や神社に納めたりしつつ、更なる裁縫の上達を願いました。
こんにゃくや豆腐などの柔らかいものに刺す理由は、いつも固いものを刺している針を休めるため。豆腐のように色白で柔らかい心を持った人になれるようにとの願いも込められているそうです。
「針供養」は12月8日に行う地域と2月8日に行う地域があり様々です。
東日本では2月8日に西日本では12月8日に行われる事が多いようですが九州では淡島神社の本社に倣ってか2月8日に神事が行われるところが多いようです。
現代でも縫製関係や服飾関係をはじめとして「針」に関係する業界や学校などでは「針供養」は連綿と続けられています。

九州で針供養が行われる主な神社

警固神社(福岡県)

淡島神社(福岡県)

最近では針仕事をする機会も少なくなったかもしれませんが、針だけではなく、自分がお世話になっている仕事道具に感謝する日と捉えて、きれいに掃除してあげるのもいいかもしれません。

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