九州八十八ヶ所百八霊場第九十番札所 常住金剛山 浄心院

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九州二十四地蔵尊霊場
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九州八十八ヶ所百八霊場第九十番札所 常住金剛山 浄心院

浄心院は開山の浄心法尼が、不動尊を感得しその霊験により創建されました。「神仏習合」つまり神・仏ともに祭祀する寺院です。内陣には身代わり不動・大日如来・釈迦如来などを安置しています。また稲荷大明神も浄心法尼が神託によって本堂内に勧請しました。

九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

常住金剛山 浄心院

創建

年代不詳 浄心法尼

宗派

真言宗大覚寺派

ご本尊

不動明王立像(九州八十八ヶ所百八霊場ご本尊)

ご真言

のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろしやだ そわたや うんたらた かんまん

不動明王について

不動明王は、密教の教主、大日如来が衆生教化のため変身した明王の中では最高位の仏様です。
普段は柔和な大日如来が、優しさだけでは通用しない人々を救済するために、あえて怒りの形相をしています。
邪悪な相手には徹底的に厳しく、人が間違った道へ進もうとした時には、正しい道へと戻れるように諭してくれる存在です。
迷いの世界から煩悩を絶ちきり、仏の道を教えてくれる尊い存在なのです。

空海が日本にもたらした最初のお姿は両目を見開く恐ろしい形相で、おさげ髪のお姿でした。その後19世紀になると、「不動十九観」が定められ左目をやや閉じ、右目を開ける天地眼、上唇を下歯で噛み下唇を上歯で噛むといった特徴となりました。
そして倶利伽羅剣という宝剣と悪い心を縛り上げることにより、善き心を呼び起こさせるための羂索と呼ばれる網をもっておられます。
さらに背後には炎が立ち上げる火焔光背があります。

不動十九観とは

不動明王を心に浮かべる時、その見た目の特徴を表すもので、これを満たしたものを心に描くと理想的な不動明王の姿が描ける考えられます。

1.大日如来の化身であること。
2.真言中に「ア」・「ロ」・「カン」・「マン」の四字があること。
3.常に火生三昧に住していること。
4.童子の姿を現わし、その身容が卑しく肥満であること。
5.髪の毛の上に七沙髻があること。
6.左に一弁髪を垂らすこと。
7.額に水波のようなしわがあること。
8.左の目を閉じ右の目を開くこと。
9.下の歯で右上の唇を噛み、左下の唇の外へ出すこと。
10.口を固く閉じること。
11.右手に剣をとること。
12.左手に羂索を持つこと。
13.行者の残食を食べること。
14.大磐石の上に安座すること。
15.色が醜く、青黒であること。
16.奮迅して忿怒であること。
17.光背に迦楼羅炎かるらえんがあること。
18.倶力迦羅竜くりからりゅうが剣にまとわりついていること。
19.矜羯羅童子と制多迦童子の二童子が侍していること。

住所・連絡先

福岡県朝倉市平塚780-1 TEL 0946-22-7702
(地図)

アクセス

西鉄甘木線上浦駅下車、徒歩10分
大分自動車道甘木インターから車で10分
境内に駐車場あり

ご詠歌

金剛の 変わらぬ力 不動尊 神仏不二の 浄心の寺

他の霊場札所

九州二十四地蔵尊霊場第八番

九州二十四地蔵尊霊場第八番は、先行公開してありますのでご参照ください。
 霊場ご本尊・本堂内向かって左側の別室、平塚苦ぬき地蔵尊
 ご詠歌 金山の 地蔵は苦ぬき 大菩薩 遍く照らす 輪廻の誓い
 ご真言 おん かかかび さんまえ そわか

神仏不二の正しく神仏習合の寺(第九十番 浄心院)

鳥居があって一見神社のような佇まいをしてはいますが、れっきとしたお寺です。
また本堂も入母屋造ではありますが、横に長く民家風で、境内の不動尊や六地蔵などの石仏が無ければ、お寺だと気づかないかもしれません。

本堂の中は、思いの外広く、内陣は三つに分かれています。
中央は身代わり不動、大日如来、釈迦如来、十一面観音立像などの仏の世界
向かって左側の別室は、苦ぬき地蔵尊が祀られ、九州二十四地蔵尊第八番札所にもなっている救済の世界
そして右側が浄心院の特徴的である真登麻丸稲荷大明神を祀った神々しい社があって、神の世界となっています。
まさに神仏習合です。

ただ、稲荷大明神は弘法大師空海も信仰した神で、満更、真言宗と縁が無いわけではないようです。

南無大師遍照金剛

ご朱印をいただいて、お暇しようとしたら、お菓子の小包をいただきました。
「どうぞ。ご接待です。車の中ででも召し上がってください」と。
初めてご接待をいただきましたので、巡拝をしているとこんなこともあるんだなぁ、とちょっと嬉しくなり、胸に抱きつつお礼を述べて、浄心院を後にしました。

九州八十八ヶ所百八霊場第九十一番札所 貫山修善院 真光寺

次回は九州八十八ヶ所百八霊場第九十一番札所「貫山修善院 真光寺」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもって遍く一切に及およぼし
われらと衆生と
みなともに仏道を成ぜんことを 合掌

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