九州八十八ヶ所百八霊場第九十二番札所 大原山 不動院

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九州三十六不動尊霊場
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九州八十八ヶ所百八霊場第九十二番札所 大原山 不動院

不動院は、古くは現在の大分県国東半島にあったお寺の寺号を開山の心玉阿闍梨が大正15年にこの地に移転再興し現在に至っています。境内には樹齢100年の銀木犀や、銀杏の木が聳え立ち、耳なし地蔵・アゴなし地蔵といった珍しい仏像もお祀りされています。

九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

大原(たいげん)山 不動院

創建

大正15年(1926年)心玉阿闍梨

宗派

真言宗醍醐派

ご本尊

不動明王坐像(九州八十八ヶ所百八霊場ご本尊)

ご真言

のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろしやだ そわたや うんたらた かんまん

不動明王について

不動明王は、密教の教主、大日如来が衆生教化のため変身した明王の中では最高位の仏様です。
普段は柔和な大日如来が、優しさだけでは通用しない人々を救済するために、あえて怒りの形相をしています。
邪悪な相手には徹底的に厳しく、人が間違った道へ進もうとした時には、正しい道へと戻れるように諭してくれる存在です。
迷いの世界から煩悩を絶ちきり、仏の道を教えてくれる尊い存在なのです。

空海が日本にもたらした最初のお姿は両目を見開く恐ろしい形相で、おさげ髪のお姿でした。その後19世紀になると、「不動十九観」が定められ左目をやや閉じ、右目を開ける天地眼、上唇を下歯で噛み下唇を上歯で噛むといった特徴となりました。
そして倶利伽羅剣という宝剣と悪い心を縛り上げることにより、善き心を呼び起こさせるための羂索と呼ばれる網をもっておられます。
さらに背後には炎が立ち上げる火焔光背があります。

不動十九観とは

不動明王を心に浮かべる時、その見た目の特徴を表すもので、これを満たしたものを心に描くと理想的な不動明王の姿が描ける考えられます。

1.大日如来の化身であること。
2.真言中に「ア」・「ロ」・「カン」・「マン」の四字があること。
3.常に火生三昧に住していること。
4.童子の姿を現わし、その身容が卑しく肥満であること。
5.髪の毛の上に七沙髻があること。
6.左に一弁髪を垂らすこと。
7.額に水波のようなしわがあること。
8.左の目を閉じ右の目を開くこと。
9.下の歯で右上の唇を噛み、左下の唇の外へ出すこと。
10.口を固く閉じること。
11.右手に剣をとること。
12.左手に羂索を持つこと。
13.行者の残食を食べること。
14.大磐石の上に安座すること。
15.色が醜く、青黒であること。
16.奮迅して忿怒であること。
17.光背に迦楼羅炎かるらえんがあること。
18.倶力迦羅竜くりからりゅうが剣にまとわりついていること。
19.矜羯羅童子と制多迦童子の二童子が侍していること。

住所・連絡先

福岡県北九州市門司区吉志171-3 TEL 093-481-1044
(地図)

アクセス

JR鹿児島本線 門司駅より(車で約20分)
西鉄バス「恒見営業所行(行先番号47・48)」乗車 → 「恒見営業所」下車
→「恒見営業所」より徒歩20分
JR日豊本線 下曽根駅より(車で約20分)
西鉄バス「青葉車庫行(行先番号14・16・17・19)」乗車 → 「寺迫口」下車
→西鉄バス「恒見営業所行(行先番号10・11)」乗車 → 「門司ゴルフ場前」下車
→「門司ゴルフ場前」より徒歩7分
九州自動車道新門司インター出口から車で約6分
九州自動車道小倉東ICより約18分
北九州都市高速大里インター出口から車で約10分
境内駐車場あり

ご詠歌

世を照らし 魔性を祓う 憤怒尊 衆生を救う 慈悲のみこころ

他の霊場札所

九州三十六不動尊霊場第三十三番

霊場ご本尊・身代わり不動尊
ご詠歌 世を照らし 魔性を祓う 憤怒尊 衆生を救う 慈悲のみこころ(九州八十八所百八霊場と同じ)
ご真言 のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろしやだ そわたや うんたらた かんまん

樹齢100年の銀木犀が見守る(第九十二番 不動院)

門司ゴルフ倶楽部に池を挟んで隣接するように不動院はあります。
駐車場、境内ともに広く明るく開放的な空気に満ちたお寺です。

正面にどっしりとした本堂があり、九州八十八ヶ所百八霊場第九十二番札所九州三十六不動尊霊場第三十三番札所となっています。

右手に水子地蔵尊と鐘楼があり、その梵鐘は参拝者だれでもが撞くことが出来ます
鐘楼の案内板には、以下のように書かれていました。
「当山の鐘はお参りされた皆様にご自由に撞いていただいております。心を込めてお撞きください。
梵鐘を撞くと、その鐘の音を聞きつけ神仏が集まってくるとお経に書かれています。よってお参りの方がまず鐘を撞き、それからみ仏さまに祈りを捧げますと、より一層のご利益があるとされています。ご多幸をお祈りいたします  合掌 山主」
参拝者としてとてもありがたいお寺のご配慮です。
もちろん私も心静かに撞かせていただきました。

さて開山の心玉阿闍梨は地元の豪農の出身でありながら度重なる災難を憂い、一大発心して僧侶の道を志したそうです。

明治32年に京都郡豊津国分寺の住職、宮本考染師のもとで修行に励み、この地に高野山大師協会を設立、その後、大正15年に大分県東国東郡安岐村掛樋より寺号を移転したそうです。

ここ不動院には様々な神様や仏様が仲良く共存されておられ、ここにも神仏習合の風が吹き渡っていました。

南無大師遍照金剛

本堂にて参拝を済ませ、境内左手奥に赤い奉納旗がはためくお堂があるので行ってみると、隣接するゴルフ場の緑を借景にした趣ある風情が漂っていました。
このお堂は金運や仕事運にご利益があるといわれる「お多福弁才天」を祀る「弁天堂」です。
お堂正面で迎えてくださるのお釈迦さまの石像です。

弁財天ご真言 おん そらそば ていえい そわか

九州八十八ヶ所百八霊場第九十三番札所 瑠璃山 正法寺

次回は九州八十八ヶ所百八霊場第九十三番札所「瑠璃山 正法寺」をお伝えしてまいります。

願わくは
この功徳をもってあまねく一切に及およぼし
われらと衆生と皆共に仏道を成ぜんことを 合掌

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