九州八十八ヶ所百八霊場第五十一番札所 遍照山 勘代寺

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九州八十八ヶ所百八霊場第五十一番札所 遍照山 勘代寺 九州八十八ヶ所百八霊場
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九州八十八ヶ所百八霊場第五十一番札所 遍照山 勘代寺

日本三代急流、球磨川上流の奥球磨の美しい田園風景の中にございます多良木町に勘代寺はあります。寺暦は鎌倉時代中期からの歴史を有し、諸代相良家の祈願所とし栄えました。ご本尊様は、秘仏十一面観世音菩薩様です。

九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

遍照山 吉祥院 勘代寺
(御朱印)

創建

鎌倉時代中期

宗派

高野山真言宗

ご本尊

十一面観音立像
(お御影)

ご真言

おん まか きゃろにか そわか

十一面観音菩薩について

密教の世界で言われる「六観音(あるいは七観音)」のうちの変化のひとつの観音菩薩様です。
十一面観音菩薩さまは、苦しんでいる人をすぐに見つけるために頭の上に11の顔を持ち、全方向を見守ってくれています。
様々な災難、病気治癒、財福授与、勝利を得るなどの10種類の現世利益があり、延命、地獄に落ちない、極楽浄土に行けるなどの四種果報のご利益があるとされていて、千手観音菩薩と並んで人気の高い観音様で、阿修羅(修羅)道に迷う人々を救ってくださいます
ちなみに頭上面のうち前3面を菩薩面、左3面を瞋怒面、右3面を狗牙上出面、後1面を大笑面が一般的には配されていて、それに頂上の仏面を合わせて11面です。
中には本体のお顔とあわせて11面となる場合もありますし、11面の配列が異なる場合もあります。
その面の中の「大笑面」ですが、悪行を大笑いして改心させ、善の道に向かわせるといわれています。

住所・連絡先

熊本県球磨郡多良木町久米1396 TEL 0966-42-2300
(地図)

アクセス

くま川鉄道多良木駅から九州産交バス槻木行、古城下車、徒歩5分
国道219号線を人吉から湯前に向かい、多良木駅前を右折する。(球磨川鉄道多良木駅より4キロの距離)
高速道路人吉インターより自動車で 40分
境内入り口および裏手に駐車場あり

ご詠歌

法の道 遍く照らす 勘代寺 鐘の響きも 鳴尾の峰に

田園風景の中に建つ(第五十一番 勘代寺)

観光バスも駐車できるほど広く取ってある駐車場に車を停めてお寺を望めば、石段脇に植え込まれたサツキが綺麗に刈り込まれているのが目に入り、参拝前から清々しい心持にさせてくれます。
その石段を上ったすぐ左手に安土桃山時代と伝わる「生善院」と「盛誉法印」の板碑があり、正面に、入母屋造妻入で向拝の付いた本堂があります。

九州八十八ヶ所百八霊場第五十一番札所 遍照山 勘代寺

その勘代寺、歴史は古く鎌倉時代中期からの歴史があるそうです。
元久2年(1205年)人吉荘の守護職に任命された相良長頼に従って、遠州(静岡)から来た北崎氏は、久米に屋敷を構え、さらに年代は定かではないものの、京都北野天満宮を勧請して当地に天満宮を創建しました。この天満宮の別当として創建されたのが勘代寺です。
その当初は「堪提寺」と書いてたそうです。

大永6年(1526年)兵火で焼失しましたが、翌年には北崎氏の庇護により宮殿や諸堂が再建されました。そして元和3年(1617年)僧良重が復興し、遍照山と称しました。
さらに、貞享元年(1684年)普門寺12世・照辰が中興し、人吉城主相良頼喬の祈願所となりました。
以来、相良家の祈願寺として栄えましたが、明治の廃仏毀釈により廃寺となってしまいました。

その後、同じく廃寺となっていた吉祥院と合併して現在の「吉祥院勘代寺」と称するようになりました。

本堂にまつられるご本尊の十一面観音立像は秘仏となっていて拝することは叶いませんでしたが、内陣には、等身大以上のお大師様 薬師如来 孔雀明王 不動明王 をお祀りされていました。
また右手の庫裡の高台に並ぶ十二支の守り本尊(千手観音・虚空蔵菩薩・文殊菩薩・普賢菩薩・勢至菩薩・大日如来・不動尊・阿弥陀如来)の8体の尊像が弥勒菩薩を中心に円を描くように並んでいました

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その他にも境内には、修行大師・疳封じ地蔵 ・水子地蔵・子安観音などが祀られ、裏門から境内に至る石段は、厄払いの男坂四十二段・女坂三十三段の石段で、一段一段厄を落としながら登り詰めると厄除け不動尊が祀られていて、毎月のお大師様報恩日(21日)には、たくさんのお参りの方々に大数珠まわしをしていただき、護摩祈祷が修されます。

南無大師遍照金剛

近くには本文冒頭に名前の出てきた九州八十八ヶ所百八霊場第九十八番札所「千光山 生善院」、通称「猫寺」というお寺があります。
無実の罪で殺されたわが子を思い、母は愛猫・玉垂(たまだれ)に怨みを言い含め、わが子の後を追って死にました。
以後、猫の怨霊が現れ次々と奇怪なことが起き、その霊を静めるために建立されたのが、生善院の謂われだそうです。
寺の門の両脇には「こま猫」が奉納されています。国指定重要文化財の観音堂と厨子があります。
詳しくは、後日お伝えしてまいります。

次回は九州八十八ヶ所百八霊場第五十二番札所「金剛山 高寺院」をお伝えします。

九州八十八ヶ所百八霊場第五十二番札所 金剛山 高寺院

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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