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三重町から宮崎県北川町に通じる国道326号(日向街道)沿いの三国峠に入る山すその静かな内山地区に蓮城寺(れんじょうじ)はあります。本尊千手観音にちなみ通称「内山観音」と言われています。
蓮城寺は高野山真言宗の寺で、この寺の歴史は古く寺伝によれば、欽明天皇の15年(546)に中国の天台山から渡来した僧蓮城が開山、真名野長者(炭焼小五郎)が寺を建立したといわれている豊後国最古の寺です。 観音堂には本尊の千手観音、薬師堂には京都三十三間堂と並ぶ998体の薬師像が安置されています。また、山の山腹には高さ22mの巨大な般若姫像が建っており、町のシンボルとなっています。 この近辺は桜の名所としても知られており、秋の紅葉もきれいな場所です。
九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より
『概略』
有智(うち)山 蓮城寺
(御朱印)
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別称
内山観音
千体薬師
創建
真名野長者 開基
蓮城法師 開山
宗派
高野山真言宗
ご本尊
千手観音坐像(九州八十八ヶ所百八霊場ご本尊)
(お御影)
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ご真言
おん ばざら たらま きりく
千手観音について
別名 千手千眼観自在菩薩(せんじゅせんげんかんじざいぼさつ)とも言い、生きとし生けるものすべてを漏らさず救う、大いなる慈悲を表現する菩薩です。千の手と手のひらの千の眼によってどんな願いも見落とさず、悩み苦しむ衆生を見つけては手を差し伸べる広大無限な功徳と慈悲から「大悲観音」、または観音の王を意味する「蓮華王」とも称されます。
蓮華王とは泰三界曼荼羅で観音が配される場所である「蓮華部」の中で、最高位となっています。
阿修羅や金剛力士などが属する二十八部衆を配下とします。
千手観音は、人々を救うための手が多い分、得られるご利益も多いと考えられています。そのため、災難除け、病気平癒などあらゆる現世利益を網羅しているのです。
そのご利益です。
厄災厄除・苦難除去・病魔退散・悪疫守護・諸願成就・平穏無事・頭痛平癒・病気(難病)平癒・奇病快癒
さらに、夫婦円満や恋愛成就、安産や子宝成就にも功徳があるとされていて、後生善処(ごしょうぜんしょと読みます。亡くなったあと来世でも幸せに過ごせることを言います。)などのご利益もあります。
また六観音(聖観音・千手観音・馬頭観音・十一面観音・准胝観音または不空羂索観音・如意輪観音)の一つに数えられ餓鬼道に迷う人々を救うといわれています。
餓鬼道に生まれ変わる人は、生前に自己中心的な生活を送っていたり、欲望のままに生きていた人々で、ノドの渇きも潤せず、食べることが叶わないため渇きと餓えに苦しみ続けると言われています。
住所・連絡先
大分県豊後大野市三重町内山527 TEL 0974-22-0598
(地図)
アクセス
JR豊肥本線三重町駅下車、大野交通バス柿木行き 内山観音下車。
大分自動車道大分米良インターから国道10号線を南下。
三重町に入ったら寺標にしたがう。
門前に駐車場あり
ご詠歌
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もらさじの 誓い有智(うち)の山なれば 我をいざなえ 同じ蓮(はち)すへ
他の霊場札所
九州西国霊場第十一番札所
霊場ご本尊・本堂内(九州八十八ヶ所百八霊場ご本尊)
ご詠歌 もらさじの 誓い有智(うち)の山なれば 我をいざなえ 同じ蓮(はち)すへ
ご真言 おん ばざら たらま きりく
(御朱印)
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九州四十九院薬師霊場第十七番札所
霊場ご本尊・千体薬師堂内
ご詠歌 もらさじの 誓い有智(うち)の山なれば 我をいざなえ 同じ蓮(はち)すへ
ご真言 おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
(御朱印)
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別名内山観音(第二十七番 蓮城寺)
巡拝先までの道中、宮迫、犬飼などの磨崖仏を詣でながらの遍路です。
大分というとキリシタン大名の大友宗麟が有名ですが、磨崖仏を訪ねていると仏教文化も華やかであったことも感じられます。
そんな思いに浸りながら三重町の中心部からさらに山手の方に車を進めていくと、山の上の方に巨大な「般若姫(真名野長者の娘)」の像が目に飛び込んできて目指す蓮城寺が近いことを知らせてくれます。
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門前には土産物店もある広い駐車場も整備されていて、ちょっとした観光スポットといった雰囲気ですが、山門をくぐり境内に一歩足を踏み入れると入母屋造の古びた本堂が霊場の空気感とともに迎えてくれます。
本堂右手に大きな大師堂があり、こちらで納経印をいだだきます。
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蓮城寺の見どころといえば何といっても本堂と見間違うほどの大きさで入母屋造の千体薬師堂でしょう。
堂内には、中央に薬師三尊、そして両脇には約千体(正確には998体)の薬師如来立像が奉安され、その様は圧巻の一言に尽きます。
そしてこちらは「九州四十九院薬師霊場第十七番札所」となっています。
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さてこの蓮城寺には、一獲千金の物語「真名野長者」の伝説があり、開基もこの真名野長者だそうです。ちなみに有名な臼杵石仏もこの長者の開基と伝えられています。
余談になりますが、長者に嫁いできた玉津姫は顔に痣があったそうですが、薬師堂の裏手の山中の長者夫婦の墓と伝えられている2基の石造の宝塔の近くにある金亀ヶ淵の水で顔を洗ったところ痣がとれたという言い伝えも残っています。
また、冒頭に書きました「般若姫」は長者夫婦の娘で玉津姫の念持仏の千手観音に祈願したところ授かったといわれ、その観音様は本堂裏手の小堂に安置されています。
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南無大師遍照金剛
今回、真名野長者や玉津姫、般若姫の伝説の内容は割愛させていただきましたが、ご興味の湧いた方はネット上に詳しくまとめられたページもありますので検索の上訪ねてみたらいかがでしょうか。
また春の桜・秋の紅葉の名所ともなっているそうです。
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次回は第二十八番札所「高野山 興山寺」をお伝えしていきます。
願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌
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