九州西国霊場 第五番札所 長岩屋(ながいわや)山 天念寺

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九州西国霊場
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次回は九州西国霊場 第五番札所 長岩屋山 天念寺

天念寺はその中山として、六郷座主の役職をもっていたといわれています。
天念寺では旧正月七日に「修正鬼会」が開かれる。これは国の重要無形民族文化財に指定されているもので、息災延命の願いが込められているといわれるが、前の年の悪を正し、その年の吉祥を祈るためのものだと伝わっています。
九州西国霊場~より

『概略』

長岩屋山 天念寺
(御朱印)

御朱印は「長安寺」0978-27-3842へ要連絡

別称

川中不動

創建

養老2年(718年) 仁聞菩薩

宗派

天台宗

ご本尊

釈迦如来坐像(本堂)

聖観世音菩薩立像(九州西国霊場ご本尊)
(お御影)

ご真言

のうまく さんまんだ ぼだなん ばく

おん あろりきゃ そわか

聖観世音菩薩について

別名、観音菩薩(かんのんぼさつ)とも呼ばれ、人々を常に観ていて救いの声(音)があれば瞬く間に救済する、という意味からこの名が付けられ日本でも多く信仰されました。
六観音の一つに数えられ、地獄道に迷う人々を救うとされています。
苦しんでいる者を救う時に千手観音や十一面観音などの六観音や三十三観音など、様々な姿に身を変えて救いの手を差し伸べます。
それら変化観音と区別するために変化観音に対して、変化しない観音をいい、また一番もとの観音(本来の姿の観音)という意味で、聖観音と呼ばれるようになりました。
単独で祀られることも多いのですが、阿弥陀如来の左脇侍として勢至菩薩と共に三尊で並ぶこともあります。
ちなみに般若心経は観音菩薩の功徳を説いたものです。

住所・連絡先

大分県豊後高田市長岩屋1152 TEL 0978-27-3842(長安寺)
(地図)

アクセス

JR日豊本線宇佐駅からタクシーにて40分

ご詠歌

よしあしを いわやのやまの ゆうかぜに みのけむりも そらにきえなん

岩峰群に囲まれた霊場(第五番 天念寺)

国東半島の中心をなす「両子山(標高721m)」の六つの谷筋に形成された集落「六郷」に栄えた六郷満山の寺院群の中でもここ天念寺は六郷満山座主格を持ち、かつては大いに栄えたお寺です。
ここ天念寺はその「宇佐神宮六郷満山霊場第九番札所」ともなっています。

ちなみに、国東半島六郷の天台宗寺院によってもたらされた仏教文化を総称して「六郷満山」と称ぶ。
 平安末には本山比叡山に倣って、本山(研究)、中山(修練)、末山(布教)の三山組織をとりいれ、天念寺はその中山として、六郷座主の役職をもっていたといわれる。国東半島六郷の天台宗寺院は当初65ケ寺を数えたが、仁安3年(1168)、法華経28品に因み28ケ寺に整理され、また、それらはすべて養老2年(718)に仁聞により開基された寺だと伝わる。

天念寺は昭和16年(1941年)の大洪水で本堂や庫裡、そして大切な記録まで失ってしまいました。
現在は岩峰群を背に護摩堂身濯(みそそぎ・みすすぎ・みそぎ)神社、そして再建された本堂が並んでいます。

次回は九州西国霊場 第五番札所 長岩屋山 天念寺

本堂には痛みは激しいものの釈迦三尊や吉祥天などの木造平安仏が安置されています。

そしてそれこそ岸壁に突き刺さるように建っている「身濯神社

裏手にまわると「突き刺さる」とはこのことだといわざるを得ない建物です。

そして棟続きのように建っている茅葺のお堂が「護摩堂・講堂」です。

こちらの岩窟内の内陣には薬師如来坐像が・・・そして片手が失われた破損著しい霊場ご本尊の「聖観音菩薩立像」

この護摩堂・講堂は毎年旧暦の正月七日に法会として行われる「修正鬼会」の舞台となっています。修正鬼会は現在国指定の重要無形文化財となっていてます

天念寺でもう一つ有名なのが道路を挟んで反対側の長岩屋川の中にある巨岩に刻まれた不動三尊「川中不動」です。
この摩崖仏は、 室町時代に、氾濫を繰り返す川の水害防除の願のために造られたと伝えられています。
真ん中に不動明王、その横に制多迦童子、矜羯羅童子の両脇侍という不動三尊で、真ん中の不動明王は3.7mもあります。

ご参拝の際のご朱印は通常天念寺は無住のため長安寺(0978-27-3842)に連絡の上、頂いてください。

南無根本伝教大師福聚金剛

さて天念寺のそばに真新しい建物があります。
平成15年に出来た「長岩屋伝統文化伝習施設・鬼会の里」です。

こちらではいつでも巨大画面の映像で鬼会を楽しむことが出来ます。

修正鬼会とは

大分県、国東(くにさき)半島の六郷満山(ろくごうまんざん)(天台宗の諸寺院)に伝わる修正会(しゅしょうえ)の行事で、鬼が登場することから修正鬼会と呼ばれています。
鬼は、仏の化身または先祖が姿を変えたものといわれています。

かつては国東半島に点在する六郷満山の天台宗寺院各寺で行なわれ、隆盛を極めていましたが、現在では旧正月7日に天念寺(毎年)、岩戸寺(西暦の偶数年)、旧正月5日に成仏寺(西暦の奇数年)でのみ行われています。
養老年間、国東六郷満山の開基仁聞菩薩が国家安穏、五穀豊穣などの諸願成就のため「鬼会式」6巻を下賜(かし)されたことに始まるとの言い伝えがあります。

若干の違いが寺ごとにありますが、僧侶による読経や香水棒などを用いた舞のあと、2人の僧が扮した鈴鬼が登場し、その後、やはり僧が扮した災払鬼(さいはらいおに)と天念寺では荒鬼(天念寺)、岩戸寺では災払鬼と鎮鬼(しずめおに)そして成仏寺では災払鬼、荒鬼、鎮鬼が現れて激しく舞い踊り、参集の人々の一年の無事を祈って松明でたたくなどの行事を行います。
天念寺では、これで終わりですが、岩戸寺と成仏寺では、舞い踊った鬼が、松明を持った松明入れ衆とともに集落の家々を回り、人々の無病息災を祈りもてなしを受けます。

この法会は国指定重要無形民俗文化財ともなっています。

九州西国霊場 第六番札所 足曳(あしびき)山 両子(ふたご)寺

次回は九州西国霊場 第六番札所「足曳山 両子寺」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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