九州八十八ヶ所百八霊場 第六十八番札所 阿遮山 無動院

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九州八十八ヶ所百八霊場第六十八番番札所 阿遮山 無動院 九州三十六不動尊霊場
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九州八十八ヶ所百八霊場第六十八番番札所 阿遮山 無動院

室町時代創建の無動院は、約600年もの間、黒髪山修験道とともに、繁栄してきました。境内には重要文化財指定の六地蔵尊石塔や眼病平癒の黒髪眼不動尊などがあり、近隣の人々に篤く信仰を受けています。

九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

阿遮山 無動院
(御朱印)

創建

長享元年(1487年 ) 成僧法師

宗派

真言宗大覚寺派

ご本尊

不動明王立像(九州八十八ヶ所百八霊場ご本尊)
(お御影)

ご真言

のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろしやだ そわたや うんたらた かんまん

不動明王について

不動明王は、密教の教主、大日如来が衆生教化のため変身した明王の中では最高位の仏様です。
普段は柔和な大日如来が、優しさだけでは通用しない人々を救済するために、あえて怒りの形相をしています。
邪悪な相手には徹底的に厳しく、人が間違った道へ進もうとした時には、正しい道へと戻れるように諭してくれる存在です。
迷いの世界から煩悩を絶ちきり、仏の道を教えてくれる尊い存在なのです。

空海が日本にもたらした最初のお姿は両目を見開く恐ろしい形相で、おさげ髪のお姿でした。その後19世紀になると、「不動十九観」が定められ左目をやや閉じ、右目を開ける天地眼、上唇を下歯で噛み下唇を上歯で噛むといった特徴となりました。
そして倶利伽羅剣という宝剣と悪い心を縛り上げることにより、善き心を呼び起こさせるための羂索と呼ばれる網をもっておられます。
さらに背後には炎が立ち上げる火焔光背があります。

不動十九観とは

不動明王を心に浮かべる時、その見た目の特徴を表すもので、これを満たしたものを心に描くと理想的な不動明王の姿が描ける考えられます。

1.大日如来の化身であること。
2.真言中に「ア」・「ロ」・「カン」・「マン」の四字があること。
3.常に火生三昧に住していること。
4.童子の姿を現わし、その身容が卑しく肥満であること。
5.髪の毛の上に七沙髻があること。
6.左に一弁髪を垂らすこと。
7.額に水波のようなしわがあること。
8.左の目を閉じ右の目を開くこと。
9.下の歯で右上の唇を噛み、左下の唇の外へ出すこと。
10.口を固く閉じること。
11.右手に剣をとること。
12.左手に羂索を持つこと。
13.行者の残食を食べること。
14.大磐石の上に安座すること。
15.色が醜く、青黒であること。
16.奮迅して忿怒であること。
17.光背に迦楼羅炎かるらえんがあること。
18.倶力迦羅竜くりからりゅうが剣にまとわりついていること。
19.矜羯羅童子と制多迦童子の二童子が侍していること。

住所・連絡先

佐賀県武雄市山内町大野黒髪9122 TEL 0954-45-3774
(地図)

アクセス

JR佐世保線三間坂駅から西肥バス伊万里行、「十二神」下車、徒歩15分 または、「大砂古入り口」下車、徒歩10分
三間坂駅よりタクシー5分
67番東光寺より国道35号線から伊万里方面に右折、バス停のコンビニを右折する
長崎自動車道「武雄北方インター」より15分
西九州自動車道「波佐見・有田インター」より15分
境内下に大駐車場あり

ご詠歌

魔を降し 慈悲の羂索 垂れたもう 阿遮明王のいます無動院

他の霊場札所

九州三十六不動尊霊場 第二十六番札所 願掛け不動

霊場ご本尊・本堂

ご詠歌

魔を降し 慈悲の羂索 垂れたもう 阿遮明王の います無動院(九州八十八所百八霊場と同じ)

ご真言

のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろしやだ そわたや うんたらた かんまん
(御朱印)

文化財の六地蔵尊石幢(第六十八番 無動院)

室町時代成僧法師により創建され黒髪山修験道とともに繁栄してきましたが、法師が没することで一時廃寺となりました。
その後150年余り時が経ち黒髪山大智院の十一世覚尊が復興し、弟子の空遍をもって中興一世とし、以降大智院(九州八十八所百八霊場 第百四番札所)の隠居寺となっていました。

駐車場より境内へと導く石段わきには、山内町の文化財となっている六地蔵尊石幢があります。
長い塔身の上に蓮台があり、その上の六面に地蔵尊が浮き彫りにされています。
さらに、この石幢は塔の頭に笠石を乗せてあるせいか遠目には石灯篭のようにも見えます。
その保存状態は良く、地蔵尊の彫りも未だくっきりしています。

この六地蔵尊石幢の脇から石段を上ると遠くに霊場である黒髪山を望む見晴らしの開かれた不動尊などの石仏が並ぶ境内にがあります。
入母屋造の妻入で、わずかに反りがあるある向拝のついている古寺としての風格すら感じさせる本堂が建っています。

九州八十八ヶ所百八霊場第六十八番番札所 阿遮山 無動院

ご本尊は本堂奥の須弥壇の中心不動明王立像をお祀りし、赤い迦楼羅炎を背負い鮮やかに彩色された不動明王様が立っておられます。
様々な願いを聞き届けてくださることから「願掛け不動」と呼ばれています。
またこのご本尊は九州三十六不動尊霊場の第二十六番札所のご本尊にもなっていて不動尊信仰の参拝者の方々も多く訪れます。

石段を上り境内に入ると正面に入母屋造妻入りの本堂が迎えてくれます。
張り出した流れ向拝が雨模様の参拝者にはとてもありがたく感じられます。

南無大師遍照金剛

実は境内にもう一体のお不動様がお祀りされています。

こちらは「黒髪眼不動尊」と言われ造営当時像に眼が入っていませんでした。
前住職が経をあげていると
「眼を入れてほしい」と霊告がありそこで縁のある有田焼職人が眼を作って入れたそうです。
以来眼病をはじめ眼に関する悩みから救ってくださるお不動様として近隣の人々に名を馳せ、篤く信仰されているそうです。

次回は九州八十八ヶ所百八霊場第六十九番番札所「黒髪山 西光密寺」をお伝えいます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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