九州三十三観音霊場 第十六番札所 立護山 満願寺

スポンサーリンク
九州三十三観音霊場
スポンサーリンク

満願寺は文永11年(1274年)の元寇の役の際、北条時定が国土安泰を祈願して醍醐三宝院門跡の経杲大僧正を迎えて建てた寺です。この寺には本尊の毘沙門天王の仏像等、多くの貴重な宝物や小文書が収められ、南小国町の歴史・文化の中心となっています。

『概略』

立護山 満願寺

創建

文永11年(1274年) 経杲 大僧正

宗派

高野山真言宗

ご本尊

大慈大悲毘沙門天

毘沙門天について

元来インド、ヒンズー教の神であり、仏法を擁護し須彌山の北方を守護する善神です。
インド神話での財宝神・クベーラが前身といわれています。独尊で祀られる場合は毘沙門天で、四天王の一尊として祀られる場合は多聞天と呼ばれます。七福神の1人です。

毘沙門天は「すべてのことを一切聞きもらさない知恵者」という意味から多聞天と訳されました。四天王の中では最強の武神であり、夜叉と羅刹を従えて仏教世界の北方を守護しています。戦国武将で毘沙門天を守仏として崇拝している者は多く、上杉謙信は自分を毘沙門天の化身だと信じて信仰していました。

戦勝祈願、鎮護国家の他に財宝福徳のご利益があります。

ご真言

おん べいしら まんだや そわか

住所・連絡先

熊本県阿蘇郡南小国町満願寺2292 TEL 0967-42-0384
(地図)

アクセス

久大本線日田駅から日田バスにて杖立下車(所要時間約40分)。その後タクシー・車で約25分。
豊肥本線阿蘇駅から九州産交バス別府行きで黒川温泉下車。その後タクシー・車で約10分。
豊肥本線阿蘇駅から九州産交バス別府行きで小国ゆうステーション下車、その後タクシー・車で約20分。
豊肥本線阿蘇駅から杖立行きバスにて市原下車、その後満願寺行きバスに乗り換え(所要時間50分)
尚、熊本駅より杖立行き直行バス有り
門前に駐車場有り

ご詠歌

萬世の願いを 満つる寺なれば まいるこころは 楽しかるらん

南小国町の歴史の中心(第十六番札所 立護山 満願寺)

小国郷は鎌倉時代に承久の乱により公家の葉室氏から北条氏の所領となりました。
ここ満願寺は文永11年(1274年)、文永の役の際、執権・北条時頼の弟で、鎮西奉行で最前線で総指揮に当たっていた北条時定が国土安泰を祈願して、弘法大師によって結界された八葉峯に囲まれ、九州の中心部に位置するところに伽藍を建立し、醍醐三宝院門跡(亀山天皇第二親王)である経杲大僧正を迎えたと伝えられています。

寺には国の重要文化財に指定されている北条時宗・時定の画像をはじめ、毘沙門天王(多聞天王)の仏像等の貴重な宝物や小文書が収められ、紅葉の名所ともなっている室町時代の面影を残した満願寺庭園や北条三氏(時定・定宗・随時)の五輪塔など史跡・文化財も多く、南小国町の歴史・文化の中心ともいえます。

本堂に安置されているご本尊の毘沙門天は永年に亘る護摩供養のため黒ずんでいますが、750年たった現在でもこの世の安寧を見守っておられます。

さて駐車場より太鼓橋を渡ると、どっしりとした風格のある鐘楼門が迎えてくれます。

鐘楼門をくぐると正面に本堂が構えられています。

九州三十三観音霊場 第十六番札所 立護山 満願寺

堂内には内陣中央に黒ずんだご本尊の毘沙門天像が奉安され、外陣に今回の九州三十三観音第十六番札所の霊場ご本尊の聖観音立像がおられます。

本堂でも参拝を終え、境内の散策に移ると、北条三氏の五輪の塔や苔むし時代を感じさせてくれる多くの石仏が安置されていました。

最後に現代では紅葉のスポットともなっている九州最古の庭園といわれる「満願寺庭園」を拝見させていただき巡礼を終了しました。

霊場ご本尊 聖(しょう)観世音菩薩について

別名、観音菩薩(かんのんぼさつ)とも呼ばれ、人々を常に観ていて救いの声(音)があれば瞬く間に救済する、という意味からこの名が付けられ日本でも多く信仰されました。
六観音の一つに数えられ、地獄道に迷う人々を救うとされています。
苦しんでいる者を救う時に千手観音や十一面観音などの六観音や三十三観音など、様々な姿に身を変えて救いの手を差し伸べます。
それら変化観音と区別するために変化観音に対して、変化しない観音をいい、また一番もとの観音(本来の姿の観音)という意味で、聖観音と呼ばれるようになりました。
単独で祀られることも多いのですが、阿弥陀如来の左脇侍として勢至菩薩と共に三尊で並ぶこともあります。
ちなみに般若心経は観音菩薩の功徳を説いたものです。

ご真言

おん あろりきゃ そわか

南無大師遍照金剛

次回は、九州三十三観音霊場 第十七番札所「起雲山 含蔵禅寺」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

コメント