九州西国霊場 第十六番札所 本吉山 清水(きよみず)寺

スポンサーリンク
九州西国霊場
スポンサーリンク
九州西国霊場 第十六番札所 本吉山 清水(きよみず)寺

大同元年(806年)、中国留学の帰途寄錫された伝教大師最澄が、一羽の雉に導かれ入山。合歓の大木に丈六(4.8m)の千手観音を敬刻され安置したのにはじまると伝えられています。
清水寺は、邪馬台国の女王卑弥呼ゆかりの女山の尾根伝いに連なる清水山の中腹に建っており、山麓の本吉から谷川沿の旧参道を登って行くと、本坊に向かって左側斜面に牡丹園があり、四月半ば頃には、三千株といわれる牡丹が開花し、参拝者の目を楽しませてくれる。
また、紅葉の名所の清水寺本坊庭園雪舟作といわれる国指定の名勝です。
前庭には北原白秋の自筆を刻んだ歌碑もあります。
さらには、延享2年(1745年)建立という銅板葺き二層の楼門は県の文化財指定を受け、本堂から200mほど行ったところには、県下最古の木造層塔である丹塗の三重塔があり、天保7年(1836年)建立で、こちらも県指定の文化財です。

九州西国霊場~より

『概略』

本吉山 清水(きよみず)寺
(御朱印)

創建

大同元年(806年) 伝教大師最澄

宗派

天台宗

ご本尊

千手観世音菩薩像(九州西国霊場ご本尊)

ご真言

おん ばざら だるま きりく (天台宗系)

千手観世音菩薩について

別名 千手千眼観自在菩薩(せんじゅせんげんかんじざいぼさつ)とも言い、生きとし生けるものすべてを漏らさず救う、大いなる慈悲を表現する菩薩です。千の手と手のひらの千の眼によってどんな願いも見落とさず、悩み苦しむ衆生を見つけては手を差し伸べる広大無限な功徳と慈悲から「大悲観音」、または観音の王を意味する「蓮華王」とも称されます。
蓮華王とは泰三界曼荼羅で観音が配される場所である「蓮華部」の中で、最高位となっています。
阿修羅や金剛力士などが属する二十八部衆を配下とします。

千手観音は、人々を救うための手が多い分、得られるご利益も多いと考えられています。そのため、災難除け、病気平癒などあらゆる現世利益を網羅しているのです。
そのご利益です。
厄災厄除・苦難除去・病魔退散・悪疫守護・諸願成就・平穏無事・頭痛平癒・病気(難病)平癒・奇病快癒

さらに、夫婦円満や恋愛成就、安産や子宝成就にも功徳があるとされていて、後生善処(ごしょうぜんしょと読みます。亡くなったあと来世でも幸せに過ごせることを言います。)などのご利益もあります。

また六観音(聖観音・千手観音・馬頭観音・十一面観音・准胝観音または不空羂索観音・如意輪観音)の一つに数えられ餓鬼道に迷う人々を救うといわれています。
餓鬼道に生まれ変わる人は、生前に自己中心的な生活を送っていたり、欲望のままに生きていた人々で、ノドの渇きも潤せず、食べることが叶わないため渇きと餓えに苦しみ続けると言われています。

住所・連絡先

福岡県みやま市瀬高町本吉1119-1 TEL 0944-63-7625
(地図)

アクセス

JR鹿児島本線「瀬高」駅から車で約10分
九州新幹線「筑後船小屋」駅から車で約15分
九州道みやま柳川ICから約4分

ご詠歌

おとにきく なももとよしの のりのみず きよきながれを くみてしるらん

紅葉の名所 第十六番札所 清水寺

本吉山清水寺伝教大師・最澄が唐での留学を終えて帰途、有明海東方の山に輝く一筋の光を見つけ、一羽の雉に導かれて入山し、合歓(ねむ)の大木に立木のまま丈六(一丈六尺、4.8m)の千手観音菩薩を彫ったのが始まりだそうです。
その光の源である霊木の合歓の木と出会ったのが現在の本堂が建つ地だったそうです。

ちなみに郷土玩具の「きじ車」は、伝教大師をこの地に案内した雉にちなむ木製の玩具で、大師が唐から連れ帰った竹本王が竹本翁吉と名乗って瀬高に住み、きじ車を作ったという説もあります。

まずは本坊庭園に立ち寄り、国指定名勝となっている雪舟作と伝えられる庭園を拝観させていただきます。
清水山を借景に開放感漂う中に配置された色づく木々や水の流れなど心安らぐ庭は、さすが国の指定名勝だけのことはあります。
本坊前には大きな銀杏樹があり、紅葉時期には黄色のジュウタンで敷きつめられます。
傍らには北原白秋自筆による碑が立っていて、「ちち恋し 母恋してふ 子のきじは 赤と青とも そめられにけり」と刻まれています。

本坊を後に参道を登って行きますと小川を挟んで旧参道があります。
その斜面には苔むした五百羅漢の石仏が何か物言いたげでもありながらひっそりと立ち並んでいます。

その先には仁王門。

さらに上り急傾斜の石段の上には県指定の文化財の銅板葺き入母屋造二層の楼門がそびえたっています。

楼門をくぐりさらに石段を登り詰めたところにこちらも銅板葺きの堂々たる本堂へと至ります。

九州西国霊場 第十六番札所 本吉山 清水(きよみず)寺

こちらに霊場本尊でもある「千手観音菩薩立像」が安置されています。

このご本尊は、平素は厨子の中におさめられていて、年に一回8月9日の夜観音朝観音の法要の時に御開帳され拝観することができるそうです。
そしてこの日に参拝すると四万六千日お参りした功徳があると言われています。

本堂のお参りを済ませご朱印を頂いた後、九州では珍しい三重塔に立ち寄ります。
福岡県下最古の木造層塔だそうです。
文政5年(1822年)柳川10代藩主立花鑑賢と領内住民の寄進により14年の歳月を費やして 天保7年(1836年)に完成したもので、 高さは27mだそうです。
現在の三重塔は、以前の原型をそのまま活かし、古材も再利用して昭和41年11月に補修されたものです。

三重塔の前にやや小ぶりのお堂があります。
最澄の弟子、円仁(慈覚大師)が霊夢により、師僧、伝教大師の足跡をたずね、世の子供たちが健全に育つようにと願いを込めて彫ったと伝わる「乳父(ちちぶ)観音」がおさめられています。

堂前には授乳姿の絵馬や乳房をかたどった額などもあり、多くの女性からの信仰をあつめています。

南無根本伝教大師福聚金剛

本坊庭園は室町時代の作で、作者は雪舟(1420年~1506年)であろうといわれています。
清水連山の愛宕山を借景に岩清水をひいた心字の池を中心とする庭石の配置、植込み、池にそそぐ暖、急の滝など、自然と人工の美が溶け合い、春夏秋冬いつ訪れても飽きない名園です。

春は新緑、秋は紅葉など、四季折々の趣があります。

九州西国霊場 第十七番札所 巨泉山 永興寺

次回は九州西国霊場「第十七番札所 巨泉山 永興寺」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

コメント