九州西国霊場 第三番札所 補陀落(ふだらく)山 清水(せいすい)寺

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九州西国霊場
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九州西国霊場 第三番札所 補陀落(ふだらく)山 清水(せいすい)寺

開創は養老元年(717)、仁聞菩薩によると伝わっています。その後、京都清水寺の本尊を勧請して七堂伽藍を復興されました。
ご本尊は十一面千手観音で、平素は秘仏となっていて、毎年1月10日と8月10日の2回だけご開帳されます。
九州西国霊場~より

『概略』

補陀落山 清水寺
(御朱印)

創建

養老元年(717年)仁聞菩薩

宗派

曹洞宗

ご本尊

十一面千手観世音大士立像(九州西国霊場ご本尊)

ご真言

おん ばざら だるま きりく

十一面千手観世音菩薩について

別名 千手千眼観自在菩薩(せんじゅせんげんかんじざいぼさつ)とも言い、生きとし生けるものすべてを漏らさず救う、大いなる慈悲を表現する菩薩です。千の手と手のひらの千の眼によってどんな願いも見落とさず、悩み苦しむ衆生を見つけては手を差し伸べる広大無限な功徳と慈悲から「大悲観音」、または観音の王を意味する「蓮華王」とも称されます。
蓮華王とは泰三界曼荼羅で観音が配される場所である「蓮華部」の中で、最高位となっています。
阿修羅金剛力士などが属する二十八部衆を配下とします。

千手観音は、人々を救うための手が多い分、得られるご利益も多いと考えられています。そのため、災難除け、病気平癒などあらゆる現世利益を網羅しているのです。
そのご利益です。
厄災厄除・苦難除去・病魔退散・悪疫守護・諸願成就・平穏無事・頭痛平癒・病気(難病)平癒・奇病快癒

さらに、夫婦円満や恋愛成就、安産や子宝成就にも功徳があるとされていて、後生善処(ごしょうぜんしょと読みます。亡くなったあと来世でも幸せに過ごせることを言います。)などのご利益もあります。

また六観音(聖観音・千手観音・馬頭観音・十一面観音・准胝観音または不空羂索観音・如意輪観音)の一つに数えられ餓鬼道に迷う人々を救うといわれています。
餓鬼道に生まれ変わる人は、生前に自己中心的な生活を送っていたり、欲望のままに生きていた人々で、ノドの渇きも潤せず、食べることが叶わないため渇きと餓えに苦しみ続けると言われています。

住所・連絡先

大分県宇佐市清水443 TEL 0978-33-1426
(地図)

アクセス

JR日豊本線今津駅下車、タクシー15分
宇佐別府道宇佐インターから北西へ約12km。
門前に駐車場(トイレ有)あり

ご詠歌

ふだらくの ちかいもよよに ふかければ きよきながれに かげうつすなり

閑寂の中に佇む第三番札所清水寺

開創は養老元年(717)、仁聞菩薩によると伝わっています。
清水寺は一時期は山岳信仰の求菩提山修験道の傘下に入っていたといますが、治承4年(1180年)、平清盛の嫡男、小松内府平重盛が派遣した平宗清が、京都清水寺の本尊を勧請して七堂伽藍を復興しました。
また、応永11年(1404年)には、大分県国東町の曹洞宗九州本山泉福寺から龍室禅師を迎え、曹洞宗の座禅道場として改宗されました。

天正年間(1573年~92年)にキリシタン大名の大友宗麟の兵火で再び焼失しましたが、ご本尊は難をのがれ、寛永14年(1637年)木下宗連大居士により再建されました。
宗連は、秀吉の正室ねね(後の高台院)の兄の木下家定の四男(諸説あり)で文化人として知られています。

駐車場に着くと、鐘楼を兼ねた荘厳な山門が出迎えてくれます。
境内に進み左手の立派な本堂にご挨拶をして、まっすぐ進むと観音堂に登る石段が見えます。

石段下には観音巡礼のためこの地を訪れた種田山頭火の像が佇んでいます。

まずは石段を登らずに左手に歩を進めると、清水寺開創にまつわる湧水があり、不老長寿に霊験あらたかであると言われ、その湧き口には「乳観音」が祀られています。

さて戻り石段を登ると慈悲観音像とともにご本尊の十一面千手観世音が祀られている観音堂があります。

ご本尊十一面千手観音は秘仏ため厨子に納められ、その扉は閉められています。
ただ、毎年1月10日と8月10日の2回だけご開帳されます。

観音堂にお参りを済ませ、さらにもう少し上り詰めると小さな広場があり、そこには観音様が衆生を救済するために変えて現れる33種の姿(観音三十三応現身)の石像が整然と並んでいます。

南無釈迦牟尼仏南無高祖承陽大師

放浪の俳人、種田山頭火は清水寺を訪れた時に
「しみじみと閑寂な気分にひたることが出来ました」と師である荻原井泉水に書き送っています。
そしてその時に詠んだ句が、仁聞菩薩の創建にまつわる霊境の清水を見て
岩かげ まさしく水が 湧いている」です。

次回は九州西国霊場 第五番札所 長岩屋山 天念寺

次回は九州西国霊場 第五番札所「長岩屋山 天念寺」をお伝えしていきます。
第四番札所・八幡宇佐宮大楽寺は九州八十八所百八霊場にアップしてありますのでご覧ください。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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