九州八十八ヶ所百八霊場第四十九番札所 大師山 剣山寺

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九州八十八ヶ所百八霊場第五十番札所 伝法山 願成寺 九州八十八ヶ所百八霊場
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九州八十八ヶ所百八霊場第五十番札所 伝法山 願成寺

剣山寺は、鹿児島県の南にあり、東支那海の見える静かな町のお寺です。ご本尊の不動明王様は参拝のみなさまのお話しをいつも“ニコニコ”して聞いて下さり、「あわてるな、急ぐな、あなたはあなたのままでよい」といつも話かけてくださる様な気がします。境内には慶長9年(約400年前)の三重の石塔もあります。さらに、お寺の後ろには熊野神社があります。

九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

大師山 剣山寺
(御朱印)

創建

大正時代 小牟田譲真和尚

宗派

高野山真言宗

ご本尊

不動明王立像
(お御影)

ご真言

のうまく さんまんだ ばだらだん せんだ まかろしやだ そわたや うんたらた かんまん

不動明王について

不動明王は、密教の教主、大日如来が衆生教化のため変身した明王の中では最高位の仏様です。
普段は柔和な大日如来が、優しさだけでは通用しない人々を救済するために、あえて怒りの形相をしています。
邪悪な相手には徹底的に厳しく、人が間違った道へ進もうとした時には、正しい道へと戻れるように諭してくれる存在です。
迷いの世界から煩悩を絶ちきり、仏の道を教えてくれる尊い存在なのです。

空海が日本にもたらした最初のお姿は両目を見開く恐ろしい形相で、おさげ髪のお姿でした。その後19世紀になると、「不動十九観」が定められ左目をやや閉じ、右目を開ける天地眼、上唇を下歯で噛み下唇を上歯で噛むといった特徴となりました。
そして倶利伽羅剣という宝剣と悪い心を縛り上げることにより、善き心を呼び起こさせるための羂索と呼ばれる網をもっておられます。
さらに背後には炎が立ち上げる火焔光背があります。

不動十九観とは

不動明王を心に浮かべる時、その見た目の特徴を表すもので、これを満たしたものを心に描くと理想的な不動明王の姿が描ける考えられます。

1.大日如来の化身であること。
2.真言中に「ア」・「ロ」・「カン」・「マン」の四字があること。
3.常に火生三昧に住していること。
4.童子の姿を現わし、その身容が卑しく肥満であること。
5.髪の毛の上に七沙髻があること。
6.左に一弁髪を垂らすこと。
7.額に水波のようなしわがあること。
8.左の目を閉じ右の目を開くこと。
9.下の歯で右上の唇を噛み、左下の唇の外へ出すこと。
10.口を固く閉じること。
11.右手に剣をとること。
12.左手に羂索を持つこと。
13.行者の残食を食べること。
14.大磐石の上に安座すること。
15.色が醜く、青黒であること。
16.奮迅して忿怒であること。
17.光背に迦楼羅炎かるらえんがあること。
18.倶力迦羅竜くりからりゅうが剣にまとわりついていること。
19.矜羯羅童子と制多迦童子の二童子が侍していること。

住所・連絡先

鹿児島県日置市日吉町日置1239-6 TEL 0992-92-2181
(地図)

アクセス

JR鹿児島本線伊集院駅から鹿児島交通バス寺下または城の下下車、徒歩10分。
枕崎から国道270号線を、加世田市、金峰町、吹上町を経て大川を渡り寺標を右へ。
境内に駐車場有り

ご詠歌

大慈悲を 求め尋ねて 剣山寺 大師の教え 遍照金剛

廃仏毀釈を乗り越えて(第四十九番 剣山寺)

大正年間(1912-1926)に小牟田譲真和尚が、鹿児島市加治屋町に大師院を建立し布教に努めました。のち、太平洋戦争で空襲に遭い全てを焼失し、別院があった日置に移転しました。後を継いだ孝心尼は、昭和49年(1974)開山堂と大師堂を建立し境内を整備。さらに、昭和59年(1984)北側の土地を求め、大師堂を移して奥の院としました。

道標に導かれて境内に入ると右手の修行大師像と左手にプレハブ造の本堂が迎えてくれます。

以前は傾斜の緩やかな切妻造の横に長い民家風のお堂であったそうだが、火事で焼失し再建途上だそうです。
堂内にはご本尊の不動明王のほか弘法大師などの諸尊が安置されています。

本堂の参拝を終えて、裏手に進むと、ぼけ封じ観音堂開山堂奥の院大師堂などの三つの小堂が建立されています。

剣山寺は大正時代に創建された新しいお寺で、当初は鹿児島市加治屋町に大師院として布教していたのが始まりで、太平洋戦争で空襲に遭い焼失してしまい別院であった日置にて移転してきたそうです。

九州八十八ヶ所百八霊場第五十番札所 伝法山 願成寺

本堂裏手の境内には廃仏毀釈により仏教の弾圧がことのほか徹底された鹿児島にあって江戸時代当初の年号「慶長九年」が刻まれた三重石塔なども残っているのは、かつてこの地には中原坊という桂山寺の子院があり、その遺産であろうと考えられています。

南無大師遍照金剛

剣山寺の周辺には、「さつま小鶴」「赤猿」などの銘柄の芋焼酎で名の知れた小正醸造や、日本三大砂丘のひとつに数えられる「吹上浜」もあり、雄大な景観を楽しむことも出来ます。

次回は九州八十八ヶ所百八霊場第五十番札所「伝法山 願成寺」をお伝えします。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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