九州八十八ヶ所百八霊場 第十八番札所 延命山 徳泉寺

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九州二十四地蔵尊霊場
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大正8年、「佐伯心海」師が、その師「慈航和尚」の命により「延命地蔵菩薩」を本尊として、北九州に「大光坊」を開いたのに始まります。その後、「高野山真言宗 大師協会戸畑市部・大光坊」となり、昭和12年に現在地(北九州市戸畑区千防1丁目)に移転して「延命山・徳泉寺」と寺号公称し、現在にいたります。「戸畑のお地蔵さん」と地元の人に親しまれ、朝な夕なお香の煙が絶えないお寺です。

九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

延命山 徳泉寺
(御朱印)

別称

戸畑のお地蔵さん

創建

1919年(大正8年) 佐伯心海和尚

宗派

高野山真言宗

ご本尊

延命地蔵菩薩半跏像(九州八十八ヶ所百八霊場ご本尊)
(お御影)

ご真言

おん かかか びさんまえい そわか

延命地蔵菩薩について

大地のように広大な慈悲で生あるものすべてをすくうという菩薩様です。
釈迦(しゃか)入滅後、弥勒(みろく)菩薩が如来(にょらい)としてあらわれるまでの無仏の間、衆生を救済するとされています。
菩薩でありながら一般に僧形で、右手に錫杖(しゃくじょう)、左手に宝珠をもっておられます。
延命地蔵菩薩は、とりわけ地蔵菩薩の働きのうち、寿命を延ばし、福利を与える面を特に強調した呼称です。

住所・連絡先

福岡県北九州市戸畑区千防1-6-17 TEL 093-871-4988
(地図)

アクセス

JR鹿児島本線戸畑駅下車徒歩10分
お車の場合は北九州都市高速戸畑出口から2分
境内裏側に駐車場あり

ご詠歌

一筋に すがる 延命地蔵尊 よろずの願い かなわざるなし

他の霊場札所

九州二十四地蔵尊霊場第一番

霊場ご本尊・本堂内及び山門を入って左手の地蔵堂内にも日限地蔵尊
ご詠歌 一筋に すがる 延命地蔵尊 よろずの願い かなわざるなし
ご真言 おん かかかび さんまえ そわか

戸畑のお地蔵さん

都会のど真ん中という立地から、決して広いとは言えない境内ではありますが、大きな木々に囲まれて、緑の多い空間を形成しています。
境内には多数の石仏が安置されています。

中でも本堂前にそびえるは、北九州市の保存樹にも指定されるほどの古木です。
そんな環境からか、ここだけはとても空気が澄んで清められたエアポケットのようなエリアに感じました。

冒頭にもあるように、ここ徳泉寺は大正8年に師にあたる「慈航和尚」の指示により「延命地蔵菩薩」を本尊として、北九州に「大光坊」を開いたのに始まりです。

皆が自由に参拝できるようにと扉も無く、「妙楽寿量門」と書かれた山門をくぐり正面が入母屋造妻入、唐破風の向拝のついた本堂です。

内部は荘厳な造りで、私の目には、特に格天井の素晴らしさが印象的でした。
本堂内にはご本尊のほかにも不動尊や愛染明王などが奉安されています。

本尊が延命地蔵菩薩様ということもあって、九州二十四地蔵尊第一番札所ともなっています。
その延命地蔵尊は厨子の中に安置され、右手に錫杖、左手に宝珠を持ち、左足を下に垂れて、その膝の上に右足を乗せている半跏像」だそうです。

さらに心海和尚は本堂とは別に、より参拝者とお地蔵様が縁を結んでいただこうと山門をくぐって左手に地蔵堂を建立されました。
この地蔵堂にはご本尊の分身が「日限地蔵尊」としてお祀りされています。
日限地蔵尊とは、例えば出産予定日や合格発表など、「○月○日に○○があります。うまくいきますように。」など日付を指定して祈願するという意味で、「日を限って祈願すると願いが叶えられる」といわれる地蔵菩薩です。
日切地蔵と表記することもあります。

この地蔵堂には様々な以下のような逸話もあります。

逸話その一

昭和14年(1939年)この地方の草相撲の大関を自称していた若者が日限地蔵尊のことを聞き「こんな一尺足らずの石の地蔵など、俺が持ち上げてやる」と豪語しましたが、いざ持ち上げようとしてみるとお地蔵さまはまったく動かなかったそうです。
それに驚いた若者はお地蔵さまに懺悔し、自ら発起人となって地蔵堂の前に数坪の前堂を建立したそうです。そのため旧堂は前堂より一段高くなっています
その前堂は、かつて籠堂(お籠りして祈願する)の役割を果たしていたそうです。

逸話その二

その旧堂には、窓がなく薄暗いため、信者の方々から窓を開けようという話が何度も出ているそうですが、その都度、お地蔵さまが重くなるので、現在も窓がない状態が続いているそうです。

南無大師遍照金剛

この地蔵堂には「お抱え地蔵さん」があります。
このお抱え地蔵さんは、例えばAとBという2つの選択肢で迷っている時、AとBそれぞれ強く願いして「お抱え地蔵さん」を持ち上げます。
そしてAの時は岩のように重く持ち上がらず、Bの時は羽のように軽く持ち上がったとしたら、それは「お抱え地蔵さん」がBの選択肢に進みなさいと導いて下さっているそうです。
迷い事がある人は一度「お抱え地蔵さん」に聞いてみてはいかがでしょうか

次回は第十九番札所「慈眼山 普門院」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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