九州三十六不動尊霊場 第二十七番札所 大杉山 正福寺

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九州三十六不動尊霊場
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正福寺の山号は大杉山、もと藤津郡塩田村にあった「前平山正福寺」と、現在地の「大杉山西福寺」が明治38年に合祀されました。正福寺は大同元年、弘法大師の開基で十六善神を本尊とする寺院で、いっぽう西福寺は永享2年に大覚上人が開基したお寺です。

ご本尊の不動明王は、特に心を清める、精神的に強くなれる、という御利益があり、岸岳城の岸岳一族や、唐津城を本拠にする豪族たちの祈願所としても信仰を集めてきました。

『概略』

大杉山 正福寺
(御朱印)

創建

正福寺 大同元年(806年) 弘法大師空海
西福寺 永享2年(1430年)峯山大覚上人

明治38年(1905年) 合祀

宗派

真言宗 醍醐派

ご本尊

不動明王像(大杉不動尊)
(お御影)

ご真言

のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろ しやだ そわたや うんたらた かんまん

不動明王について

不動明王は、密教の教主、大日如来が衆生教化のため変身した明王の中では最高位の仏様です。
普段は柔和な大日如来が、優しさだけでは通用しない人々を救済するために、あえて怒りの形相をしています。
邪悪な相手には徹底的に厳しく、人が間違った道へ進もうとした時には、正しい道へと戻れるように諭してくれる存在です。
迷いの世界から煩悩を絶ちきり、仏の道を教えてくれる尊い存在なのです。

空海が日本にもたらした最初のお姿は両目を見開く恐ろしい形相で、おさげ髪のお姿でした。その後19世紀になると、「不動十九観」が定められ左目をやや閉じ、右目を開ける天地眼、上唇を下歯で噛み下唇を上歯で噛むといった特徴となりました。
そして倶利伽羅剣という宝剣と悪い心を縛り上げることにより、善き心を呼び起こさせるための羂索と呼ばれる網をもっておられます。
さらに背後には炎が立ち上げる火焔光背があります。

不動十九観とは

不動明王を心に浮かべる時、その見た目の特徴を表すもので、これを満たしたものを心に描くと理想的な不動明王の姿が描ける考えられます。

1.大日如来の化身であること。
2.真言中に「ア」・「ロ」・「カン」・「マン」の四字があること。
3.常に火生三昧に住していること。
4.童子の姿を現わし、その身容が卑しく肥満であること。
5.髪の毛の上に七沙髻があること。
6.左に一弁髪を垂らすこと。
7.額に水波のようなしわがあること。
8.左の目を閉じ右の目を開くこと。
9.下の歯で右上の唇を噛み、左下の唇の外へ出すこと。
10.口を固く閉じること。
11.右手に剣をとること。
12.左手に羂索を持つこと。
13.行者の残食を食べること。
14.大磐石の上に安座すること。
15.色が醜く、青黒であること。
16.奮迅して忿怒であること。
17.光背に迦楼羅炎かるらえんがあること。
18.倶力迦羅竜くりからりゅうが剣にまとわりついていること。
19.矜羯羅童子と制多迦童子の二童子が侍していること。

住所・連絡先

佐賀県唐津市北波多大杉838 TEL 0955-64-2209
(地図)

アクセス

【電車】
JR唐津線唐津駅よりタクシー約15分
または同駅より、徒歩約1分の昭和バス伊万里行きに約30分、徳須恵下車後約10分
【車】
長崎自動車道・多久ICより約30分

駐車場あり 10台

ご詠歌

波多川の 水面にうつる 破邪の剣
     祈るまごころ 身こそ安けれ

健康祈願の大杉不動

弘法大師開基の古刹、正福寺も明治の廃仏毀釈のあおりを受けて廃寺寸前まで追い込まれました。そこで西福寺の申し出により、現在地に合祀されることになりました。その経緯により「正福寺」の名が残ることになりました。

西福寺は岸岳城主、波多好清の懇請により伽藍を建立し、波多氏の祈願所として一門の家紋を掲げ隆盛しました。
合祀にあたり、1930年に本堂が建てられ「大杉山正福寺」と号するようになりました。

西福寺のご本尊で開基の峯山大覚上人自刻の不動明王で成田不動尊のご分霊です。
現在の不動明王の胎内にその尊像が納められています。

現在の像は、真っ赤な炎のような霊鳥・迦楼羅を頭に載せ、像高1.85mで、悠然と構え、力強い表情をされておられます。
かつては豪族たちに胆力を与えていたことでしょう。
現在でも身体健全・家内安全などを願って多くの人々が参詣しています。

その他本堂には、大日如来、阿弥陀如来、十一面観音、愛染明王などが奉安されておりますが、かつての正福寺より伝えられた十六善神の掛け軸も納められています。
その掛け軸には、十六体の夜叉神が描かれていて、毎年6月の第二日曜に行われる大般若会で拝観することができるそうです。

南無大師遍照金剛

境内に聳える大銀杏には、気根がコブのように数本垂れ下がり、まるで女性の乳房のようで、「触ると母乳が出る」といわれ産後の女性が多く参拝に訪れたそうです。

また境内の片隅には、小さなお堂もあり、これは前住職が退いた後も日々お参りや修行に使いたいと建てたものだそうです。

第二十八番札所 雷山千如寺 宝池坊は九州八十八ヶ所百八霊場にて公開しておりますのでご参照ください。

次回は九州三十六不動尊霊場 第二十九番札所「林泉山 真光院」をお伝えしていきます。

願がわくは
この功徳をもってあまねく一切に及およぼし
われらと衆生とみなともに仏道を成ぜんことを 合掌

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