
正覚寺は、享保20年(1735年)に諫早藩士・藤井氏の菩提寺として、大亀圓晟(だいきえんじょう)大和尚が開山した曹洞宗の寺院です。境内は禅宗の寺院らしく整然として清浄な空気に満ちています。正面本堂内陣にご本尊の金色に輝く釈迦牟尼仏が道元禅師、螢山禅師に守られるように奉安されています。
『概略』
護国山 正覚(しょうかく)寺
(御朱印)

創建
享保20年(1735年) 大亀圓晟大和尚
宗派
曹洞宗
ご本尊
寺院ご本尊 釈迦牟尼仏 本堂
ご真言 のうまく さんまんだ ぼだなんばく
霊場ご本尊
不動明王立像(波切り不動尊) 太子堂
(お御影)

ご真言 なあまく さあまんだあ ばあさら なん せんだん まあかろしゃな そわたや うんたらたかんまん(天台系・修験道系)
不動明王について
不動明王は、密教の教主、大日如来が衆生教化のため変身した明王の中では最高位の仏様です。
普段は柔和な大日如来が、優しさだけでは通用しない人々を救済するために、あえて怒りの形相をしています。
邪悪な相手には徹底的に厳しく、人が間違った道へ進もうとした時には、正しい道へと戻れるように諭してくれる存在です。
迷いの世界から煩悩を絶ちきり、仏の道を教えてくれる尊い存在なのです。
空海が日本にもたらした最初のお姿は両目を見開く恐ろしい形相で、おさげ髪のお姿でした。その後19世紀になると、「不動十九観」が定められ左目をやや閉じ、右目を開ける天地眼、上唇を下歯で噛み下唇を上歯で噛むといった特徴となりました。
そして倶利伽羅剣という宝剣と悪い心を縛り上げることにより、善き心を呼び起こさせるための羂索と呼ばれる網をもっておられます。
さらに背後には炎が立ち上げる火焔光背があります。
不動十九観とは
不動明王を心に浮かべる時、その見た目の特徴を表すもので、これを満たしたものを心に描くと理想的な不動明王の姿が描ける考えられます。
1.大日如来の化身であること。
2.真言中に「ア」・「ロ」・「カン」・「マン」の四字があること。
3.常に火生三昧に住していること。
4.童子の姿を現わし、その身容が卑しく肥満であること。
5.髪の毛の上に七沙髻があること。
6.左に一弁髪を垂らすこと。
7.額に水波のようなしわがあること。
8.左の目を閉じ右の目を開くこと。
9.下の歯で右上の唇を噛み、左下の唇の外へ出すこと。
10.口を固く閉じること。
11.右手に剣をとること。
12.左手に羂索を持つこと。
13.行者の残食を食べること。
14.大磐石の上に安座すること。
15.色が醜く、青黒であること。
16.奮迅して忿怒であること。
17.光背に迦楼羅炎かるらえんがあること。
18.倶力迦羅竜くりからりゅうが剣にまとわりついていること。
19.矜羯羅童子と制多迦童子の二童子が侍していること。
住所・連絡先
長崎県長崎市矢上町13-25 TEL 095-838-2769
(地図)
アクセス
【電車】
JR長崎本線喜々津駅よりタクシーで約15分、またはJR長崎本線長崎駅より長崎県営バス諫早行きにて約30分「矢上」下車徒歩5分
【車】
長崎自動車道、長崎多良見ICより約15分
駐車場有 20台
ご詠歌
護国山 法(のり)に包みし 暁の
悟り修めし 大悲の恵み
住職の心をも救った波切り不動

霊場ご本尊の不動明王は本堂左手奥の太子堂に聖徳太子像とともにお祀りされています。
その不動明王様は別名・波切り不動と呼ばれています。

近所の娘が嫁ぎ先での出産時に産後の肥立ちが悪く、母子ともに危険な状態に陥ってしましました。
そこで娘の母親がこちらのお不動様に願掛けしたところ無事平癒したそうです。
このようなこともあり、産後の母子が健康祈願でお参りすることが多いそうです。
また豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に戦勝祈願したとも伝わっています。

その尊像は、深みある鮮やかな群青に彩色され、先端が金色の火炎を背負っておられます。
その表情は眉を吊り上げ凄い形相で睨んでおられますが、色彩が豊かなためか、どこか南国的な明るさも感じられます。
しかし彩色のため真偽のほどは確かではありませんが、藤原期の作といわれています。
この尊像、もともとは真言宗寺院の本尊として祀られていたものだそうで、台風の被害で御堂が崩壊してしまい、再建もままならない状況であった際に、正覚寺の前住職が話し合って移したものだそうです。
毎月28日の縁日には多くの参拝者で賑わっています。

また本堂内陣には、ご本尊の釈迦牟尼仏、両祖大師の他に、右手に聖観世音菩薩がお祀りされています。
この聖観世音菩薩様は、住職がある日仏具屋に並んでいるのに気づきました。
すると
「連れて帰ってほしい」
と強く呼び止められるように感じたそうです。
仏具屋に金額を尋ねると、とても購入できるような金額ではありませんでした。
とあきらめていたところ、思いもよらない信者さんからの援助などもあり、お迎えすることができたそうです。
他にも黄金に輝くビルマから連れて帰ったという菩薩さまや天狗に似た秋葉大権現などもお祀りされています。
秋葉大権現は、火伏の神様で、この地域に火事が起こらないようにとお迎えしたそうです。
南無高祖承陽大師道元禅師
南無太祖常済大師瑩山禅師
「お不動様は自分勝手な生き方ではなく、本来の生き方のヒントを教えてくださっている。そして本当の力というものは自分の中にあるんです」
とご住職は仰っているそうですが、心に強く残る一言だと感じています。
第二十四番札所密厳山誕生院は、九州八十八ヶ所百八霊場にて公開しておりますのでご参照ください。
次回は九州三十六不動尊霊場 第二十五番札所「杉岳山 大聖寺」をお伝えしていきます。
願がわくは
この功徳をもってあまねく一切に及およぼし
われらと衆生とみなともに仏道を成ぜんことを 合掌


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