
南に霊山を望み、西に高崎・由布連山を背にした、豊かな自然と悠久の歴史が息づく豊後の国の静かな一隅に佇むのが、金龍山臨済(りんさい)寺です。
臨済寺は、修験道を源とし、明治以降は比叡山天台宗の法儀を根本に、不動明王への信仰とともに歩みを続けています。
ご本尊の厄除不動尊は、災いを祓い、願いを成就させる仏として信仰され、多くの方々が祈りを捧げに訪れてます。
『概略』
金龍山 臨済(りんさい)寺
(御朱印)

創建
宝永6年(1709年) 秀明上人
宗派
天台宗
ご本尊
寺院・霊場ご本尊
不動明王立像(厄除け不動尊)
ご真言
なあまく さあまんだあ ばあさら なん せんだん まあかろしゃな そわたや うんたらたかんまん(天台系・修験道系)
不動明王について
不動明王は、密教の教主、大日如来が衆生教化のため変身した明王の中では最高位の仏様です。
普段は柔和な大日如来が、優しさだけでは通用しない人々を救済するために、あえて怒りの形相をしています。
邪悪な相手には徹底的に厳しく、人が間違った道へ進もうとした時には、正しい道へと戻れるように諭してくれる存在です。
迷いの世界から煩悩を絶ちきり、仏の道を教えてくれる尊い存在なのです。
空海が日本にもたらした最初のお姿は両目を見開く恐ろしい形相で、おさげ髪のお姿でした。その後19世紀になると、「不動十九観」が定められ左目をやや閉じ、右目を開ける天地眼、上唇を下歯で噛み下唇を上歯で噛むといった特徴となりました。
そして倶利伽羅剣という宝剣と悪い心を縛り上げることにより、善き心を呼び起こさせるための羂索と呼ばれる網をもっておられます。
さらに背後には炎が立ち上げる火焔光背があります。
不動十九観とは
不動明王を心に浮かべる時、その見た目の特徴を表すもので、これを満たしたものを心に描くと理想的な不動明王の姿が描ける考えられます。
1.大日如来の化身であること。
2.真言中に「ア」・「ロ」・「カン」・「マン」の四字があること。
3.常に火生三昧に住していること。
4.童子の姿を現わし、その身容が卑しく肥満であること。
5.髪の毛の上に七沙髻があること。
6.左に一弁髪を垂らすこと。
7.額に水波のようなしわがあること。
8.左の目を閉じ右の目を開くこと。
9.下の歯で右上の唇を噛み、左下の唇の外へ出すこと。
10.口を固く閉じること。
11.右手に剣をとること。
12.左手に羂索を持つこと。
13.行者の残食を食べること。
14.大磐石の上に安座すること。
15.色が醜く、青黒であること。
16.奮迅して忿怒であること。
17.光背に迦楼羅炎かるらえんがあること。
18.倶力迦羅竜くりからりゅうが剣にまとわりついていること。
19.矜羯羅童子と制多迦童子の二童子が侍していること。
住所・連絡先
大分県大分市永興1-1-1 TEL 097-543-4330
(地図)
アクセス
【車】
大分自動車 大分インターを出て約10分
【電車】
JR大分駅より久大線にて南大分駅(普通列車で2駅)下車、徒歩7分
【バス】
大分駅間バス乗り場より「城南団地行き」乗車「三ヶ田駅」下車徒歩5分
【タクシー】
大分駅より約15分
駐車場 有 50台
ご詠歌

はるばると たずねてまいる りんさいじ
ふどうのいりき あらたなりけり
霊験あらたか厄除け不動

境内に入り、多くの幟がはためく石段を登ると高台に本堂があります。
臨済寺の歴史は江戸時代まで遡り、大法院と称する山岳信仰の道場でした。

時代はくだり、明治24年(1891年)に秀教上人がこの地にめでたいことの前兆として起こる不思議な現象(吉兆)を感じて、移築したそうです。
何度も夢に見た、天に上る黄金色の龍に因んで山号は「金龍山」とし、多くの人々を救いたいという願いから、寺号を「臨済寺」と名付けました。

その本堂は別名・威怒殿(いぬでん)呼ばれ、平成9年(1997年)に改築されました。
ご本尊は秘仏となっていて、像高45cmとこぶりながら、厄除け不動として名高く、治るはずのない病気や金銭トラブルなどの問題が解決したといった声も少なくなく霊験はあらたかだそうです。
現在は、平成2年(1990年)に刻まれた「平成不動明王」の胎内仏として納められています。

その境内は心がほっこり温まるような空気に満ち溢れ、思わず微笑んでしまうような石仏が並んでします。
これも現住職の「寺には堅苦しいイメージがありますが、境内に踏み入れた途端に笑顔になれる場所を作りたくて…」というお考えを具現化させています。
春になると、納骨堂浄土院、鐘楼門、仁王門などいたるところに植えられた桜が咲き乱れ境内を華やかに彩ります。
とりわけ本堂への石段の登り口にあるしだれ桜はひときわその存在感を放っています。

南無根本伝教大師福聚金剛

臨済寺では、1月28日に恒例となっている厄よけ行事「火渡り」と「湯立て」が有名な初不動大祭(星まつり)あります。
護摩木を焼いた後の炭火の上を参拝者らが素足で歩き、無病息災や家内安全をなどを祈ります。
僧侶の読経が響く中、炎がおさまった護摩木の炭を行者が竹などを使ってならし、長さ3mほどの通り道を作り、まずは僧侶や行者が素足で歩き、その後に参拝者らが続きます。
また、その火でぐらぐらと煮立たせたお湯を振りかけるという荒行が行われます。
次回は九州三十六不動尊霊場 第十九番札所「雁回山 長寿寺 木原不動尊」をお伝えしていきます。
願がわくは
この功徳をもってあまねく一切に及およぼし
われらと衆生とみなともに仏道を成ぜんことを 合掌

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