九州三十六不動尊霊場 第三十五番札所 瑠璃山 恵光院

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九州三十六不動尊霊場
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恵光院は、筥崎八幡宮の「結縁寺」として、歴代座主の墓所があり菩提を弔っております。そのため廃仏毀釈の難を逃れ、数多くの仏像・仏画等の什物が移され今日に残され、神仏習合の時代における筥崎宮社坊の歴史を知る上で貴重なものとされています。

『概略』

瑠璃山 医王密寺 恵光院
(御朱印)

別称

五鈷不動 本堂

創建

寛永年中(1624年~44年) 黒田忠之 開基 法印正範大和尚 開山

宗派

高野山真言宗

ご本尊

薬師如来坐像(本堂内)

ご真言

おん ころ ころ せんだり まとうぎ そわか

霊場ご本尊

不動明王坐像(九州三十六不動尊霊場ご本尊)
(お御影)

ご真言

のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろ しやだ そわたや うんたらた かんまん

不動明王について

不動明王は、密教の教主、大日如来が衆生教化のため変身した明王の中では最高位の仏様です。
普段は柔和な大日如来が、優しさだけでは通用しない人々を救済するために、あえて怒りの形相をしています。
邪悪な相手には徹底的に厳しく、人が間違った道へ進もうとした時には、正しい道へと戻れるように諭してくれる存在です。
迷いの世界から煩悩を絶ちきり、仏の道を教えてくれる尊い存在なのです。

空海が日本にもたらした最初のお姿は両目を見開く恐ろしい形相で、おさげ髪のお姿でした。その後19世紀になると、「不動十九観」が定められ左目をやや閉じ、右目を開ける天地眼、上唇を下歯で噛み下唇を上歯で噛むといった特徴となりました。
そして倶利伽羅剣という宝剣と悪い心を縛り上げることにより、善き心を呼び起こさせるための羂索と呼ばれる網をもっておられます。
さらに背後には炎が立ち上げる火焔光背があります。

不動十九観とは

不動明王を心に浮かべる時、その見た目の特徴を表すもので、これを満たしたものを心に描くと理想的な不動明王の姿が描ける考えられます。

1.大日如来の化身であること。
2.真言中に「ア」・「ロ」・「カン」・「マン」の四字があること。
3.常に火生三昧に住していること。
4.童子の姿を現わし、その身容が卑しく肥満であること。
5.髪の毛の上に七沙髻があること。
6.左に一弁髪を垂らすこと。
7.額に水波のようなしわがあること。
8.左の目を閉じ右の目を開くこと。
9.下の歯で右上の唇を噛み、左下の唇の外へ出すこと。
10.口を固く閉じること。
11.右手に剣をとること。
12.左手に羂索を持つこと。
13.行者の残食を食べること。
14.大磐石の上に安座すること。
15.色が醜く、青黒であること。
16.奮迅して忿怒であること。
17.光背に迦楼羅炎かるらえんがあること。
18.倶力迦羅竜くりからりゅうが剣にまとわりついていること。
19.矜羯羅童子と制多迦童子の二童子が侍していること。

住所・連絡先

福岡市東区馬出5-36-35 TEL 092-651-5133
(地図)

アクセス

JR箱崎駅より徒歩10分
地下鉄箱崎宮前駅より徒歩2分
駐車場あり

ご詠歌

瑠璃光の 五鈷不動尊 ここにまし 恵みの光 発心の慈悲

日本三大八幡の結縁寺(第三十五番 恵光院)

宇佐、石清水両宮と並び日本の三大八幡宮の筥崎宮の程近くに恵光院はあります。
恵光院は高野山金剛峯寺の末寺で、明治時代の廃仏毀釈により筥崎宮周辺の多くの社坊が廃されたり併合される中、唯一残存した社坊です。
そのため筥崎宮や各社坊にあった多くの仏像、仏画、仏具などが恵光院に移され、現在に至っては、いずれも文化財指定を受け、神仏分離以前の歴史を知る貴重なものとして伝えられています。
また社坊中唯一存する寺院として八幡宮守護の法燈を守り、筥崎宮の歴代座主、祀官各家の霊牌を安置し供養しています。

参道は2ヶ所ありますが、筥崎宮表参道側より入るのが恵光院の表参道のようです。

九州二十四地蔵尊霊場 第二十一番札所 瑠璃山 医王密寺 恵光院

山門をくぐりすぐ左わきに地蔵堂(九州二十四地蔵霊場第二十一番札所)、正面に銅葺屋根の本堂、右手に庫裡と並んでいます。
庫裡に霊場参拝の旨を告げると本堂に上がってお参りするように促されました。

本堂には中央に恵光院のご本尊・薬師如来と弘法大師、右手に弁財天、毘沙門天、大黒天、左手に不動明王、愛染明王、弥勒菩薩の尊像が安置されています。
そしてご本尊の前に密教法具の「五鈷杵」が置かれていて触れることが出来ます

本堂でのお参りを終え納経朱印もいただき境内に戻ると広さは然程でもありませんが、実に整然と四国八十八ヶ所霊場や西国三十三ヶ所霊場、地蔵堂、五大明神社、燈籠堂などが並んでいます。

とりわけ天正15年に豊臣秀吉が筥崎宮在陣中、千利休と共に茶会を催した燈籠堂には箱崎の海から出現したと伝わる石仏の十一面観音菩薩が本尊として安置されています。
堂の前に植えられている菩提樹は6月ごろ満開となり、その時期に合わせて大祭が催され本堂内の釈迦涅槃図も御開帳されるそうです。

南無大師遍照金剛

今回は九州三十六不動尊霊場「第三十五番札所 瑠璃山 恵光院」をお伝えしてまいりましが、恵光院は九州二十四地蔵尊霊場第二十一番札所ともなっています。

二十四地蔵尊霊場第二十一番札所の記事はすでに九州二十四地蔵尊霊場のカテゴリーに公開しておりますので、ご参照ください。

九州八十八所百八霊場 第三十八番札所 蓬莱山 長久寺
KODAK Digital Still Camera

次回は九州八十八所百八霊場に戻り、第三十八番札所「蓬莱山 長久寺」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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