立夏|りっか|蛙始鳴|かわずはじめてなく|2023年|端午の節句

歳時記
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立夏 りっか

「夏も近づく八十八夜」(2023年は5月2日)も過ぎ、5日より暦の上では夏を迎える二十四節気の「立夏(りっか)」となります。そうです!歌も「卯の花の匂う~夏は来ぬ」と変わります。
そして七十二候は「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」へと移ります。沖縄では「うりずん」の頃もそろそろ終わりに近づき、「若夏」になり、梅雨入りのシーズンを迎えます。

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立夏

新緑

5月6日は二十四節気の一つ「立夏」を迎えます。
立夏は立春、立秋、立冬と並んで「四立」の一つで春夏秋冬の始まりを表す重要な二十四節気となっています。
旧暦と新暦の間で季節感のずれが大きい今日ではあくまでも暦の上の話ですがこの日より立秋(2023年は8月8日)までが「夏」となります。
今年は、3年ぶりに全国で行動制限が解除された中で大型連休を迎えました。
とは言え、「薫風」に吹かれながら、感染拡大に注意を払いながら楽しみたいものです。

蛙始鳴(かわずはじめてなく)

七十二候は立夏の初候「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」です。
かわずは「かえる」のことを言い、読んで字のごとく冬眠から目覚めたカエルたちが水辺や田植えに向けて水がはられた田んぼなどで動き回わり、オスのカエルが繁殖のため鳴き声を響かせ始める頃という意味です。

蛙始鳴 かわずはじめてなく

皆さんは「かえるのうた(合唱)」をご存じだと思います。

日本の唱歌ともなっているので日本生まれの歌だと思われている方も多いようですが、実は19世紀の『Froschgesang(フロシュ・ゲサング)』というドイツ童謡(民謡)です。
そしてこの歌をみんなで輪唱した記憶をお持ちではないでしょうか。
この歌の輪唱、本来のカエルの鳴き方と無縁ではありません。
日本の大学の共同研究チームの調査によるとアマガエルたちは、お互いに声がかぶらないように、実は隣り合った蛙とは必ず声をずらして鳴くというのです。
その声に「筑波山麓合唱団」にあるようにガマガエル、トノサマガエルなども加わり輪唱から重唱に、そして合唱へとなっていくフロッグコーラスはこの時期風物詩の一つでしょう。

原曲『Froschgesang』の歌詞と意味

歌詞(ドイツ語)

Ganze Sommernächte lang,
hören wir den Froschgesang;
quak quak quak quak,
kä_kä_kä_kä_kä_kä_kä_kä
quak quak quak.

意味

長い夏の夜には カエルの歌が聞こえてくる
クァック クァック クァック クァック
ケーケーケーケーケーケーケーケー
クァック クァック クァック

そして作者はドイツ国歌やドイツの童謡『ぶんぶんぶん』、『かっこう』などで知られる19世紀ドイツの童謡作家ホフマン・フォン・ファラースレーベンという方だそうです。

端午の節句

*詳細は別記事にてお伝えしております。

5月5日は端午の節句人日、上巳、七夕、重陽と並ぶ五節句の内のひとつで、これもまた季節の節目となる日です。
中国の陰陽五行説に由来し日本に伝わった年中行事ですが、5月5日の端午の節句は現在と違って、もともとは「女人の節句」でした。
中国では5月は物忌み月と言われ邪気を祓う行事が行われてきました。
男は家を出て、女性だけが残り香りが強く、邪気を祓うと言われていた蓬(よもぎ)で作った人形(ひとがた)を軒に飾ったり、菖蒲酒を飲んだり、菖蒲湯に浸かって邪気祓いをしていました。

菖蒲湯

そしてこの時期はちょうど田植えのシーズンとも重なり、昔は田植えは女の人の仕事とされていたので女性を労わる意味も含まれていたようです。
それが日本に伝わり、田植えをする女性が巫女となり菖蒲や蓬(よもぎ)で屋根を葺いた小屋で身を清め五穀豊穣を祈る神事が行われ、現代でも菖蒲湯に入るという風習は脈々と残っています。

こどもの日

その「女人の節句」が江戸時代になると、「菖蒲」が「勝負」や「尚武(武を尊ぶ)」ことに通じることから男の子の祭りへと変遷していきました。そして現在では5月5日の定番グルメとなっている「粽(ちまき)」や「柏餅」を食べながら子供の成長を祝うようになりました。

粽 ちまき

いずれ菖蒲か杜若

またまた今回も見分けのつきにくい花の見分け方についてお話しておきます。
前回の「立てば芍薬・・・」と同様に美しい人を表す表現で「いずれ菖蒲か杜若」という慣用句はご存じの方も多いでしょう。

この慣用句は、源頼政がぬえ(想像上の怪しい鳥)退治の褒美として菖蒲あやめの前まえという美女を賜るにあたり、同じような美女一二人の中から見つけ出すよう命じられた時に詠んだ『太平記・二一』にある「五月雨に沢べのまこも水越ていづれあやめと引きぞわづらふ」という和歌によるものとされています。
意味としては、五月雨が降り続いて沢辺の水かさが増したため、真薦も水中に隠れてどれが菖蒲かわからず、引き抜くのをためらっているというものです。
それが転じて、どちらも同じようで、区別がつけ難いこと、あるいは、優劣がつけ難く、一つを選ぶのに迷うことを言います。
では、このあやめとしょうぶ、かきつばたの見分け方ですが、まずは「しょうぶ」からお話ししましょう。

先ほども書きましたが、「端午の節句」に入る「菖蒲湯」に使う「菖蒲」は一般的にはサトイモ科に属する植物花は黄緑色の小花を密集させて「ガマ」のように咲かせるため地味であまり目立ちません。きれいな青紫の花を咲かせるのは「ハナショウブ」でアヤメの品種改良したもので、したがってアヤメ科の植物です。

菖蒲 サトイモ科

さてここからアヤメ、カキツバタ、ハナショウブの見分け方ですが、細かく説明をするとかえってややこしくなりますので今回はそれぞれの花に絞って見分ける方法をご説明します。

アヤメ

菖蒲 あやめ アヤメ

花弁の根元が白と黄色で網目模様がある

ハナショウブ

花菖蒲 花しょうぶ ハナショウブ

花弁の根元が白と黄色で模様がない

カキツバタ

杜若 燕子花 カキツバタ かきつばた

花弁の根元が白一色で模様がない

このように花弁の根元の色、模様の有無で見分ける方法が一番わかりやすいと思われますが、最近では品種改良された園芸品種もたくさんあり花の色も豊富になってきましたので当てはまらないこともあります。
それでも青紫の花を見たら見分けてみてください。

結詞

薫風

大型連休も後半に突入しますが、本土では心地よい天気が続きそうですが、沖縄ではそろそろ「梅雨入り」の気配が漂い始めました
天気の良い日は窓など開け放ち「薫風」を部屋中に吹きわたらせ5月の風の香りを満喫したいものです。

蚯蚓出 みみずいずる

次回は立夏の次候「蚯蚓出(みみずいずる)」をお伝えします。

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