魚上氷|うおこおりをいずる|ワカサギ|バレンタインデー

歳時記
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魚上氷 うおこおりをのぼる

七十二候は14日より立春の末候「魚上氷(うおこおりをいずる)」となります。また14日は新型コロナウィルス禍の行動制限も解除された中で迎えるバレンタインデーです。バレンタインデーの記事は、加筆して分離して「風物詩」のカテゴリーにてアップしてありますので、ご一読ください。

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魚上氷(うおこおりをいずる)

魚上氷 うおこおりをいずる うすらい 薄氷

魚上氷は「うおこおりをいずる」と読ませたり、「うおこおりにのぼる」または「うおこおりをのぼる」など読ませ方が違いますが、それは基になった暦の違いで「をいずる」は明治以降の「略本暦」、「にのぼる」は宝暦暦・寛政暦・貞享暦、そして「をのぼる」はそれ以前の大衍暦・宣明暦から引いたもので、いずれにしても凍っていた川や湖の表面が割れだし、そんな氷の間から、魚が目覚めて動き出した魚が飛び跳ねる頃という意味に変わりはありません。

立春の七十二候では「春告草」の、「春告鳥」の、そして、今回の末候では「春告魚」が主役となって季節を表現しています。

その「春告魚」は鶯や梅のように特定なモノを指すわけではなく、実は必ずしも一種類の魚には限りません

鰊 ニシン

ちなみに北日本では、ニシンが「元祖春告魚」とも言われる存在で、関東や東海では、産卵のために浅瀬にやって来るこの時期が旬とされるメバルが「春告魚」と呼ばれています。

メバル

また関西では、瀬戸内海に春になるとやってくるサワラ)が漢字からして魚偏に春でもあり、「春告魚」とされ、同じ瀬戸内海の魚で兵庫イカナゴ玉筋魚)なども挙げられています。

鰆 サワラ

河川・渓流に目を向けると、2月から渓流釣りが解禁になるところが多い、イワナヤマメを指す場合もあります。
冬の間、魚たちは氷の下に閉じ込められて、湖・川・池・海などの深場にうずくまって代謝活動を極限まで落としています。
凍りついた川や湖沼も少しずつ春の温もりで溶け出し、その下では吹く風も柔らかくなり、温かくなった水の中で春の気配を感じ始めた魚達が動き出します。

岩魚 イワナ

この時季に見られる溶けかけて薄くなった氷を「薄氷(うすらい)」とも呼ばれ、浅き春を感じさせてくれる象徴です。

「魚」&「氷」とくれば、イメージするのは、この時期に旬を迎える「わかさぎ」ではないでしょうか。
本来ならばこの時期の風物詩として氷上のワカサギ釣りがイメージされますが、昨今では異常気象のせいかしっかりと厚く結氷する湖が減り、氷上での釣りを中止し、ドーム船や屋形船、または桟橋からの釣りに変更するところも続出しています。
諏訪湖でも、全面結氷が4回あり期待が高まったが、寒気が続かなかったため、5年連続で「御神渡り」が出ない「明けの海」を宣言してしまいました。
残念な面もありますが、着実に「春」は近づいています。

ワカサギ 公魚 穴釣り

その「ワカサギ」ですが、別名「公魚」とも呼ばれています。
それは、昔、常陸国麻生藩からあの子だくさんで有名な第11代将軍徳川家斉公に年貢として納められ公儀御用魚とされたことに由来しています。頭から食べられるワカサギの天ぷらとこちらも旬の野菜の春菊の天ぷらなどはこの時期の最高のご馳走です。

三寒四温を繰り返しながら、春はもう、すぐそこまで近づいているのかもしれません。
気象庁は昨年(2022年)は2月15日に北陸地方、3月5日に関東と東海地方、3月18日に九州南部・奄美地方で観測されました。 

結詞

氷の下で縮こまっていた魚たちが躍り出るように、「春になったら旅行へ行きたいな」とか、「春になったらあんなことを始めたい」など…、そんなことが自然に頭に浮かび、心も次第に浮き立ってくるかもしれません。

雨水 うすい

暦も18日より二十四節気は「雨水(うすい)」、七十二候はその初候「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」と移っていきます。

土脉潤起 つちのしょううるおいおこる

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