地始凍 | ちはじめてこおる | 亥の子の日 | 十日夜 | 時雨忌 | 七五三

地始凍 ちはじめてこおる 歳時記
スポンサーリンク
地始凍 ちはじめてこおる

七十二候も2022年は12日より立冬の次候「地始凍(ちはじめてこおる)」となります。
大地が凍り始める頃という意味で、各地から初霜、初氷といった報せが届き始め、冬の訪れが、はっきり肌で感じられる季節と移っていきます。
冷気をまとった季節風が吹き、日ごとに寒さが増し、季節は本格的な冬を向っていきます。
その頃になると、夜は冷え込みがいっそう厳しくなるので、カビの原因ともなる部屋の窓の結露にもご注意ください。

そして常夏と言われる沖縄でさえ最低気温が20℃前後となりウチナァンチュ(沖縄の人)の中では寒いという声も聞かれ始めます。
(本土の人にとってはとても過ごしやすい気候ですが・・・)

スポンサーリンク

地始凍(ちはじめてこおる)

地始凍 ちはじめてこおる

朝は霜が降り、場所によっては地中の水分が凍ってできる霜柱がみられるところもありますが、地球温暖化の所為か、実際にはもう少し時の経過が必要のようです。
また昨今ではアスファルトで覆われた地面が多くなり見ることも少なくなってはきましたが、それでも九州の山あいの集落などの田畑では薄っすらと霜がおりていたり、土の地面には霜柱が立っていたりすることもあります。

地始凍 ちはじめてこおる

ところで、霜と霜柱、同じ霜という字で書きますが、その出来方は違い、霜は空気中の水蒸気が昇華し凍り付き地表に降りたもので、霜柱は地中の水分が凍り付きながら毛細管現象により地表に染み出し、徐々に冷気で凍結していき、柱状に成長したものです。
霜の降りるような夜、地中の水分が凍ってできる氷の柱が霜柱です。
そのため霜柱は湿気の多い柔軟な土質に生じます

さらに霜柱ができるには条件があり、地面近くの気温が0℃、下の地中の温度が0℃以上、土壌の含水率が30%以上ある場合に発生しやすいと言われています。
そして、その成長点は柱の上部ではなく下部にあり、押し出されるように伸びていきます。

一方、雨が降った後のように地中の水分が多すぎる状況では、結氷してしまって、霜柱にはならないそうです。
また、硬い土・固まった土では土が持ち上がりにくいので霜柱は発生しにくく、耕された畑の土などでは出来やすいようです。そのため霜柱は堅い地面には出来にくく、柔らかい畑にできることが多いです。
地面が持ち上げられて農作物が被害を受けるため、農家は苦労するそうです。

私も子供の頃、通学の途中、霜柱で盛り上がった地面を見つけるとわざと踏みしめて遊んでいました。
その時のあのザクザク感は今でも感触の記憶として残っています。

亥(い)の子の日

亥(い)は十二支の数え方なので、亥の日というのは12日ごとにやってきますが、一般的には亥の月の最初の亥の日のことをいいます。
2022年の「亥の子の日」は11月6日(日)でした。 この日は、西日本を中心に「亥の子まつり」という収穫祭が行われます。
ちなみに2023年は11月1日(水)がその日に当たります。
一方、東日本では、旧暦10月10日(2022年は11月3日)の「十日夜(とおかんや)」が同様の行事にあたります。
こちらも2023年は11月22日が「十日夜」です。

「亥の子の日」は亥の月、亥の日と亥が重なるため「玄猪(げんちょ)」とも呼ばれ、多産のイノシシにあやかり亥の子(猪の子)に見立てた『亥の子餅(別名「玄猪」)』を食べ、無病息災や子孫繁栄を祈ります。

亥の子餅

この風習は、古代中国で「亥の月、亥の日、亥の刻に餅を食べれば無病息災である」といわれたことに由来し、新米に大豆・小豆・ささげ・ごま・栗・柿・糖(あめ)の7種の粉を混ぜて作った餅で、亥の子の色や形を模して作られ、「亥の子餅」と呼ばれるようになりました。

現在は材料や形もさまざまですが、10月から11月頃に和菓子屋の店頭に並びます。

また昔から「亥の子の日」に火を入れると火事にならないといわれており、「こたつ開き」をする習わしがあります。
今年は幾分早かったかもしれません。

亥は陰陽五行説で火を制する水にあたるため、亥の月亥の日から火を使い始めると火事にならないとされていました。
そこで、「亥の子の日」にこたつや囲炉裏に火を入れるようになり、「こたつ開き」「炉開き」と呼ばれて親しまれました。
今でも、茶の湯では「亥の子の日」に「炉開き」を行うところが多く、新茶を初めて使う「口切り」をして「亥の子餅」をいただきます。

最近でも「こたつ開き」にならい、「亥の子の日」が暖房器具を出すひとつの目安になっています。
実際に使用するのは気温などによりますが、この日に、こたつ、ヒーター、ストーブなどの暖房器具を出して準備をしておけは、縁起もよくて安心もあると言うわけです。これも昔ながらの知恵といえるでしょう。

前回の記事にも書きましたが、くれぐれも一年間仕舞っておいたり、一時期使用しなかった機器・器具ですので、説明書のメンテナンスの仕方や注意事項に従って「シーズン前点検」をしてから使用を開始してください。

十日夜(とうかんや)

十日夜 とうかんや

先ほど触れましたが、十日夜とは旧暦10月10日に行われる収穫祭で、東日本で多くみられます。
稲刈りが終わって田の神様が山に帰る日とされているため、稲の収穫を祝ってお餅をついて食べたり、稲の茎をたばねた「わらづと 」や「わら鉄砲」で地面を叩きながら唱えごとをして地面の神を励まし、作物にいたずらをするモグラを追い払います。
また、「かかしあげ」といって田んぼを見守ってくれたかかしにお供えものをし、かかしにお月見をさせてあげる地方もあります。
昔から十五夜、十三夜、十日夜の3日間が晴れてお月見ができると縁起が良いとされています。皆様の地域はいかがでしょうか。

時雨忌

さて11月5日(旧暦10月12日)は、あの「奥の細道」で有名な俳人「松尾芭蕉」が亡くなられた日「芭蕉忌」でしたが、別名「時雨忌」とも言います。
こちらも過ぎてしまいましたので、2023年は11月24日(金)になります。

松尾芭蕉 時雨忌

芭蕉は降ったり降らなかったりの不安定な時雨の気候を人の浮き沈みになぞらえ句材として数多くの句を詠んでいます。
時雨が降りそうな空模様は鬱陶しくどこかうら寂しく人生の儚さを感じさせる時節ですが、こんな日は心静かに今までのことを振り返りそして思いを馳せるには逆に打ってつけの時節であるかもしれません。

旅人と 我名呼ばれん 初時雨

結詞

皆さんは昨日の天体ショー(皆既月食・惑星食)はご覧になられたでしょうか。
いつもですと白く冴え冴えと見える月も月食前より幾分黄色味がかった月が東の空から上ってきました。
時間が経つとその黄色味に徐々に赤みが差していき、完全に潜入すると赤銅色に変化していきます。
理屈は分かっていても神秘的な光景でした。

さてこの時期の最もポピュラーな風物詩として「七五三」があります。

七五三については別記事にて掲載してありますので、ご参照ください。

七五三

さて、朝晩の冷気を肌で感じて、冬用の布団や毛布を引っ張り出してきたり、日によってはコートを羽織ったり、私たちの生活も少しづつ冬模様が濃くなっていきます。
そのような中、西高東低の冬型の気圧配置が少しずつ顕著となり暦は立冬の末候「金盞香(きんせんかさく)」と移っていきます。

金盞香 きんせんかさく 水仙

これからは、寒さの中で身体の活動が鈍くなりがちですが、是非、積極的に全身を動かして柔軟さを大切にして、脳や心のリフレッシュも意識して暮らしていきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました