秋の名月(十五夜・十六夜・十三夜・十日夜)

秋の名月 お月見 風物詩
スポンサーリンク
十五夜

本格的な秋の訪れとともに、空気も澄み、そして秋晴れの日が多くなります。
そして夜には、十五夜十六夜十三夜十日夜と「秋の名月」には名月鑑賞にはうってつけのシーズンがやってきます。

スポンサーリンク

十五夜

旧暦の8月15日「十五夜」です。
「中秋の名月」とも呼ばれています。
中には新暦の9月15日がその日だと思われている方も多いとは思いますが、中秋の名月は旧暦の8月15日の月を指しています。

そして十五夜とは新月から15日目の月を言うのですが、実際の新月から満月までは月と地球の公転軌道の関係から14日から16日と若干の幅があり必ずしも十五夜が満月とは限りません

中秋の名月と仲秋の名月

余談にはなりますが、皆さんが「ちゅうしゅうのめいげつ」を漢字で書く場合に「中秋の名月」と書かれますか?それとも「仲秋の名月」と書きますか?
結論から言いますと、その答えは、どちらも「正解」です。
中秋と仲秋では若干意味が違いますが、旧暦8月15日の「月」を指していることには違いありません。そこでその違いを簡単にまとめておきましたので参考になさってください。

中秋

旧暦では7月・8月・9月を秋としていますので、ちょうどその真ん中の日すなわち8月15日を「中秋」と呼んでいます。ですから、8月15日の月を指しています。

仲秋

旧暦の7月を「初秋」、8月を「仲秋」そして9月を「晩秋」と呼んでいたので、8月の満月すなわち15日の月を指しています。

お月見のしつらえ

秋の名月 お月見

窓辺やベランダ、縁側や庭先にテーブルを置いて簡易の月見台を設えて、テーブルの上には収穫に感謝するお祭りという意味合いに因んでお供え物を飾り、月の出を待ちたいものです。ちなみに九州・沖縄8県の月の出・月の入りは概ね19時前には月が出て、翌朝6時前後には沈みます

その際のお供え物は一般的には次のようなもので良いのではないでしょうか。

お月見団子

月見団子

12個(閏年は13個)また15個の満月のように丸く作り、積み上げた団子は米などの穀物の収穫に感謝する意味があります。
また丸くせず里芋のような形に作るところもあります。また月見団子の場合その供える数も簡略化して5個でもかまわないようです。

月見団子 サトイモ型

沖縄では「ふちゃぎ」という餅に塩ゆでした小豆をまぶしたものを食べます。

ふちゃぎ フチャギ 沖縄

サトイモ(きぬかつぎ)、サツマイモ

十五夜は別名「芋名月」と呼ばれ芋類の収穫に感謝する日でもあります。

さといも サトイモ 里芋

ススキ

すすき ススキ

ススキは月の神様の依り代と言われています。本来は稲穂が依り代とされていたのですが、この時期に稲穂が無かったため稲穂に似たススキが代用されたようです。ススキとともに「秋の七草」なども飾ってみるのもいいかもしれません。

秋の七草

十六夜(いざよい)

十六夜 いざよい

十六夜は文字通り十五夜の次の夜の月を指し「じゅうろくや」と読みますが「いざよい」とも読まれます。
その「いざよい」の意味は、「躊躇(ためら)う」=「いざよう」という動詞の名詞形です。
それを月に当てはめたのは、月の出の時間に関係しています。
月の出は30分程度日々遅くなっていくのですが、前夜に愛でた美しい月を再び見たいと思う気持ちに反して、月は前夜より遅く、まるで躊躇っているように出てくるので「いざよい」と表現したのだと言われています。

十三夜

十三夜

お月見は十五夜だけではないのはご存じでしたか?十五夜の他にも「十三夜」のお月見行事があります。
十三夜とは十五夜の後に巡ってくる十三夜をさし、旧暦9月13日のお月見のことをいいます。 その月は十五夜に次いで美しい月だといわれ、昔から大切にされてきました。

どうしてまんまるな(もしくはそれに近い)月ではなく、まだ少し欠けている「旧暦13日」の月なのでしょう。
それは、完璧ではない未完成ゆえの美しさが、日本人の心に響いたからだと考えられています。
そう言われると、まんまるの月も確かに綺麗で素晴らしいけれど、これから満ちていく少し欠けた月には、ほどよく品のある独特の美しさがあるような気がします。

十五夜と十三夜

十五夜は、もともと平安時代に中国から伝わってきました。一方、十三夜は日本オリジナルの風習で延喜19年(919年)に宇多天皇が十五夜と同様に十三夜にも観月の宴を催したのが始まりと言われたり、醍醐天皇(平安時代 885~930年)が月見をしたのが始まりとも、また、秋の収穫祭ではないかとも言われています。

観月会

十五夜と同じように、栗や大豆、果物など秋の実りとともに月見団子をお供えします。団子の数は12ないし13が良いとされます。
ススキやナデシコなど、秋の草花もあれば飾るとよいです。収穫の喜びと感謝を込めて、月を見上げて楽しみましょう。

また十五夜を中秋の名月と呼ぶのに対し、十三夜は「後の月(のちのつき)」とも言われています。
さらには十五夜、十三夜のどちらか一方のお月見しかしないことを「片見月」と呼び、縁起が悪いといわれてきました。

例年ですと十五夜の頃(新暦9月頃)は台風や秋雨の時期で天気がよくなく、「中秋の名月、十年に九年は見えず」という言葉があるくらいです。
一方、十三夜の頃(新暦10月頃)になると、秋晴れが多く美しい月が見られることから「十三夜に曇りなし」といわれますが、今年はどうなりますでしょうか。

十日夜

十日夜 とうかんや

さらにもう一つのお月見が十日夜(とおかんや・とおかや)もあります。
十日夜とは旧暦10月10日に行われる収穫祭で、東日本で多くみられます。
稲刈りが終わって田の神様が山に帰る日とされているため、稲の収穫を祝ってお餅をついて食べたり、稲の茎をたばねた「わらづと 」や「わら鉄砲」で地面を叩きながら唱えごとをして地面の神を励まし、作物にいたずらをするモグラを追い払います。
また、「かかしあげ」といって田んぼを見守ってくれたかかしにお供えものをし、かかしにお月見をさせてあげる地方もあります。

結詞

十五夜、十三夜、十日夜の3つで三月見(さんつきみ)と呼ばれたりもしています。
昔から十五夜、十三夜、十日夜の3日間が晴れてお月見ができると縁起が良いとされています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました