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驟雨 しゅうう 歳時記
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積乱雲 入道雲

全国的に梅雨明けが発表されたものの台風や前線の影響で「観測史上最大の雨量」という言葉が空しくすら感じる豪雨などに日本列島が見舞われる天気が続いています。
暦は大暑の末候「大雨時行(たいうときどきふる)」と移っていきます。

空を見上げれば夏のモクモクとした雲が現れるようになりました。
雲の峰」や「積乱雲」と呼ばれる入道雲。夏の思い出の中に、入道雲を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。雲の形が坊主の頭のように見えることから入道雲と呼ばれますが、関東では「坂東太郎」、大阪では「丹波太郎」など、それぞれの地方によって面白い名前が付いています。

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大雨時行(たいうときどきふる)

驟雨 しゅうう

暦は8月2日より大暑の末候「大雨時行(たいうときどきふる)」と移ります。
夕立はもとより、集中豪雨ゲリラ豪雨などが多くなる頃です。
夕立は馬の背を分ける」ということわざがもあるように、突然、雲が高く沸き上がり雷鳴とともに大粒の雨が降ってくる季節です。

今年は台風5号が東シナ海を足早に通り抜けましたが、向こう2週間は全国的に気温が高く、関東以西は猛暑となる見込みです。
天気は変わりやすく、晴れても急な雨や雷雨に注意が必要だそうです。

これからのシーズンは夕立のみならず、強大化する台風による大雨にも要注意ですし、線状降水帯という語句が耳慣れてしまう昨今、台風以外の豪雨災害にも警戒が必要でしょう。

ゲリラ豪雨という言葉が使われるようになって久しいですが、気候変動によるゲリラ豪雨は世界中で起きており、今年も記録的な熱波に襲われる地域が出る一方、これまでになかったような洪水や土砂崩れを伝えるニュースが連日のように報じられています。
いよいよ地球のバランスが崩れ出していることを感じているのは私だけでしょうか。

片降り かたぶい

先ほど触れましたが「夕立は馬の背を分ける」は、馬の背の半分は雨に濡れているものの、もう半分は濡れていないといった状況を雨の降り方に例えています。
沖縄では「片降り(かたぶい)」という言葉もありますが、この二つはまさしく「夕立」の局地的な降り方を表しています。

さて七十二候で言う「大雨」は突然降りだす雨のことを指しています。
この時期ですから「夕立」をイメージしてしまいがちですが、「夕立」ばかりではなく日中に降る強い雨も含まれています

夕立とは

夕立

私たちが一般に使っている「夕立」という言葉の語源には有力なものが二つあります。

その一つはまさに「夕」にちなんで、夕方に雲、風、波が起こることを「夕立つ」と呼んでいたことより、その雲や風が起こすものとしての雨を含めて「夕立」としたものです。

もう一つは突然にものすごい勢いで降る雨のことを「彌降り立つ雨(いやふりたつあめ)」と呼んでいましたが、それが省略され「やふたつ」になり「ゆふだち」と変遷し、「夕立」という字が充てられたという説です。

ちなみに夕立には、急に激しく降り出す雨を「驟雨(しゅうう)」、また雨脚が激しく、真っ白にみえることから「白雨(はくう)」など違った呼び方もあります。
その他にも銀竹(ぎんちく)銀箭(ぎんせん)篠突く雨(しのつくあめ)濯枝雨(たくしあめ)日照雨(そばえ)喜雨(きう)など様々な読み方もされていて、改めて「日本語」奥深さが感じられます。

土用の丑の日の食べ物・黒い食べ物

大暑の初侯の桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)記事土用丑の日の食べ物の話題に触れましたが、今回はその第二弾は「黒い食べ物」をご紹介いたします。
土用の丑の日が過ぎた今回になぜまた丑の日の話題に触れるかといいますと、今年は夏土用の期間中に丑の日が二回あります。
二の丑」と言いますが、そこでご参考までに追加記事として丑の日の食べ物の話題をお伝えしておきます。

前回書いた「う」のつくものを食べると良いと書きましたが、黒い食べ物もよいそうです。
なぜ「黒い食べ物」かというと、「丑」の方角は「北北東」で、その北方を守る四神(中国の神話の霊獣)は「玄武(げんぶ)」であり、五行説では「黒」が結びつけられています
そこから「黒」い食べ物となったという説と、土用には田や水牛をも休ませることから田や水牛に感謝する意味を込めて田の土の色、そして水牛の色にあやかって黒い食べ物を食べると良いとされてきました。

黒い食べ物とは

植物性のもの

黒糖 黒砂糖 サトウキビ

黒豆・黒ゴマ・玄米・黒砂糖・ナス・ゴボウなど

動物性のもの

どじょうの唐揚げ

鯉・鮒・鰻・ドジョウ・黒鯛・シジミ・サザエ

こうやって見ていくと、土用の丑の日の食卓のバリエーションはどんどん広がっていきます。

結詞

冒頭にも触れましたが、梅雨前線も北上し、全国的に梅雨明け宣言が報じられています。今年は梅雨明け後に各地で大雨に見舞われています。
そのような豪雨のリスクが突然襲ってくるかもしれません。
日頃よりハザードマップ避難場所を確認したり、家の内外に備えを施し、非常持出袋を用意するなど、心掛けたいものです。

今年も新型コロナウィルス第七波豪雨の二重苦、いやその上の猛暑での熱中症と三重苦の中、本格的な夏を迎えていますが、暦は8月7日より、二十四節気は「立秋」。

立秋

そして七十二候はその初候「涼風至(すずかぜいたる)」と移っていきます。あちらこちらから「暦の上では秋」という常套句が聞こえてきそうですが、猛暑はこれからです。

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