2月23日は天皇誕生日

天皇誕生日 風物詩
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天皇誕生日

2月23日は「天皇誕生日」です。
天皇誕生日は祝日法では、文字通り「天皇の誕生日を祝う」祝日となっています。

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天皇誕生日の歴史

天皇誕生日は、光仁天皇在位の宝亀6(775)年に天皇の誕生日(光仁天皇(第49代天皇)誕生日709年11月18日)を天長節と称したのが始まりと言われています。
その後、長らく国民に親しまれていたようで1948年までは「天長節」と呼ばれていました。

戦前、天皇は神様として崇められ、天長節は祭日として扱われていたと言われています。
しかし戦後になり、天皇は「日本国民の統合の象徴」という意味をもつようになったため、国民と天皇陛下の距離を縮めるための日として、1948年(昭和23年)に「国民の祝日に関する法律」により天長節は「天皇誕生日」という祝日に改められました。

皇居 イラスト

天皇誕生日には、国民が天皇陛下や皇族の方にお目にかかれる一般参賀のほか、宮中では皇族の方や内閣総理大臣、政治家や諸外国の要人などを招いて、祝賀の儀宴会の儀茶会の儀が行われています。
ちなみに、皇居での天皇誕生日の一般参賀は、昭和23年4月29日から始まりました
このように天皇誕生日は、天皇陛下がさまざまな方との交流をもつ日とも言えそうです。

天皇誕生日 カレンダー

令和に移り必然的に日付が移動し、2020年より2月23日が令和の天皇誕生日になりました。
ただ、2019年は「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」の施行をうけて祝日法が一部改正され、天皇誕生日が改められましたが、現天皇徳仁(誕生日2月23日が即位(5月1日)であったため、特例により天皇誕生日の無い年となりました。

なお、令和4年の「天皇誕生日一般参賀」は、令和3年に続き、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から午前のお出まし、午後の記帳いずれも取りやめることになっています。

「昭和」と「明治」の天皇誕生日は別の祝日に

明治天皇と昭和天皇の誕生日は、それぞれ崩御後に「みどりの日(昭和の日)」(4月29日)と「文化の日」(11月3日)として祝日になりました。
一方、大正天皇の誕生日は、大正天皇の在位が短かったことや、祝日を作ろうという動きがなかったことなどで、現在は祝日にはなっていません

明治天皇の誕生日「文化の日」に

明治天皇 イラスト

明治天皇1912年に崩御された後、崩御から15年後(1927年)に「明治天皇の功績を世に伝えたい」という明治天皇を偲ぶ国民の声が上がり、1927年に「明治節」という祝日が制定されました。

文化の日 明治天皇誕生日 明治節


1948年の国民の祝日に関する法律制定により、明治節は廃止され、11月3日は「文化の日」になりました。
この日は日本国憲法の公布日でもあり、これを記念する祝日としても位置付けられています。

昭和天皇の誕生日は「みどりの日」から「昭和の日」に

昭和の日 昭和天皇誕生日

昭和天皇の誕生日である4月29日は、崩御された1989年に「みどりの日」として新たな祝日となりました。
「みどりの日」という名前は、昭和天皇が自然を愛し、植物学者だったことに由来しています。
昭和天皇の誕生日が祝日として残された背景については諸説ありますが、明治天皇の誕生日が「文化の日」として祝われていることや4月29日が「ゴールデンウイーク」の一環として親しまれてきたおり、平日になるとゴールデンウィークが従来より短くなり、国民の生活に大きな影響が及ぶと考え、この日を平日にはせず、祝日として残すことにしたようです。

そして現在は4月29日は、2007年の祝日法の改正により「昭和の日」と呼ばれるようになりました。

「みどりの日」

みどりの日

昭和天皇が崩御し、昭和の時代から平成の時代へ変わったとき、新しい平成天皇の誕生日である12月23日が「天皇誕生日」の祝日に変わりました。

平成元年の法改正では、我が国は緑豊かな自然を持った国であることにかんがみ、この自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむことを願い、それまで天皇誕生日であった4月29日が「みどりの日」とされました。

また、平成17年の祝日法改正により、平成19年から、4月29日は「昭和の日」とされるとともに、「みどりの日」は5月4日に変更されました。これは、「みどりの日」の意義にかんがみ、祝日の増加による影響にも配慮しつつ、青葉若葉の時節であり、ゴールデンウイーク中の一日である5月4日を「みどりの日」とすることとされたものです。

「昭和の日」

昭和の日」は、平成17年の祝日法改正により設けられた国民の祝日です。

祝日法にある「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。」という趣旨は、歴代最長といわれる60年余りに及ぶ昭和の時代は、未曽有の激動と変革、苦難と復興の時代でした。今日の日本は、このような時代の礎の上に築かれたものであり、昭和の時代を顧み、歴史的教訓を酌み取ることによって、平和国家、日本のあり方に思いをいたし、未来への指針を学び取ることは、我が国の将来にとって極めて意義深いことだという観点から、昭和の時代に天皇誕生日として広く国民に親しまれ、この時代を象徴する4月29日を「昭和の日」とすることとされました。
「天皇誕生日」から「みどりの日」になった4月29日ですが、2007年に改正された祝日法で、4月29日を「昭和の日」に、そして「みどりの日」は5月4日に移動することが定められました。

もちろんその制定には「建国記念の日」同様、賛否両論、紆余曲折もあったことは事実で、「昭和の日」法案は、2000年4月に提出され、2回の廃案を経て05年4月に成立しましたという経緯もあります。

結詞

明治天皇や昭和天皇の誕生日が現在も祝日になっているのに平成の天皇誕生日もなぜ祝日にならないのかという素朴な疑問も浮かんできます。
これについては、まず基本的には天皇誕生日が自動的かつ永続的に祝日にはならないということです。
また平成天皇の場合は、異例の生前退位という経緯もあり、現在も存命中の上皇陛下の誕生日を祝日にしてしまうと、今上天皇との間で「二重権威」が生じる懸念の声があるためといわれています。
お亡くなりになった後に検討する可能性はあるとしても、少なくとも上皇陛下がご存命中は祝日にならない見込みと同時にその議論にもならないようです。

最後に、「みどりの日」が移動した「昭和の日」も、令和となった現代においても、戦後から復興を遂げた昭和の時代を忘れず、平和な未来へつなげようという願いが込められていることが重要です。
今後とも、天皇誕生日を祝日にする際はもとより、他の祝日を制定す際には、名称が政治利用されないようにしていただきたいものです。

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