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水始涸 みずはじめてかるる 歳時記
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水始涸 みずはじめてかるる

月も替わり、体感的にも「秋」が感じられるようになってきました。
2021年は3日から七十二候が秋分の末候「水始涸(みずはじめてかるる)」となります。
さらに旧暦の10月(2021年は新暦では11月5日より)には出雲の国では神様たちのサミットが開かれます。

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水始涸(みずはじめてかるる)

水始涸 みずはじめてかるる

神様版サミットの議題である作物もこの時期収穫の時期を迎え、七十二候も「水始涸(みずはじめてかるる)」となります。
「涸」という漢字は、水が干上がる・枯れる・尽きてなくなることを意味しています。
日本では季節を農事と結びついて解釈することが多いので、田んぼの水を抜き、稲刈りの準備をする頃と解する方が一般的で自然な感じがします。

一方、七十二候が考案された古代中国では、『淮南子』という前漢時代の古典の中に、「水始涸」の由来となった文章が残っていて、夏の陽気が衰退し、秋分の頃に水も涸れ始める情景を記していることから、井戸水などの水源が涸れ始める頃という説もあります。

米という漢字は、八十八という字の組合せでできており、昔から米作りには八十八の手間がかかると言われています。
また、田んぼ一面黄金色に実った稲穂が風に揺れるさまは、海の波に喩えられ、「穂波」「稲の波」「稲穂波」などと呼ばれ、秋の季語にもなっています。
その実った稲は、神様に「初穂」を捧げ、収穫の感謝を祈念する行事や秋祭りが行われる時季を迎えます。宮中では17日に「神嘗祭」が行われ、朝、天皇陛下が賢所に新穀を供え、天照大神がおられる伊勢の神宮をご遙拝になります。
私たちもお米の一粒一粒は農家の方々の多くの苦労を経て生産されていますので、今年も農家の皆さんのご苦労に感謝しながらありがたくいただきたいものです。

神無月と神在月

カレンダーは10月。和風月名で「神無月かんなづきかみなしづき)」となりました。
10月は旧暦では神様たちが出雲の国に行ってしまい、各地が留守になってしまうという意味が定説です。

しかし一方、神様たちが集まる出雲の国では「神在月かみありづき)」と言われています。

もう少し詳しくお話しすると・・・
全国八百万の神様たちが出雲の国へ参集する目的は何なのでしょうか。
それは、来年の天候、それに伴って農作物や酒の出来などについて話し合う会議のためです。
その議題の中でも人の運命や「縁」などは重要な議題の一つで、そのため出雲大社縁結びの総本山と言われています。

出雲大社

ではどうしてその会議の場所が出雲大社なのでしょうか。

出雲大社

神様たちが年に一度出雲大社に集まるのは、そのご祭神に大きく関係しています。
有名な天照大神(あまてらすおおかみ)が天の象徴であるのに対して、出雲大社のご祭神な大地を象徴する大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)だからです。

大国主大神は大勢の子供たちがいます。その子供たちを全国に配して各地を管理させていました。
その子供たちが年に一度出雲大社に戻り、今年の報告や来年の相談をしていました。
現代風に言えば、年に一度の「里帰り」の際に行われる「家族会議」のようなものだと言ってもいいと思います。

やがてその里帰りに他の神様たちも一緒に出雲に参集することになったと言われています。

その神様たちの出雲行きのスケジュール(日付はいずれも旧暦)は

・10月1日  神送り(出雲へ出発)

 各家庭では神様たちのお弁当としてお餅やお赤飯をお供えします。

・10月10日 神迎え(出雲に到着)

 出雲の国・稲佐の浜にお迎えし出雲大社に向います。

稲佐の浜

・10月11日~17日 神在祭(かみありさい)

 神議(かむはかり)という会議をします。
 その会場の出雲大社の上宮ではお祭りが執り行われ、神様たちの宿泊所となる境内の19社でも連日お祭りが行われます。
 地元の人々は「お忌みさん」と呼んで、神々の話し合いの邪魔をしないよう、「神在祭」の間は静かに暮らすことになっているそうです。

・10月17日 神等去出祭(かみさでさい)

 神様たちは出雲大社を出発し出雲の国へ向かわれます。

・10月26日 第二神等去出祭

 出雲の国を出発し各地に向われます。

・10月末日 神迎え(帰宅)

 各家庭ではお餅や作物を入れたすいとんなどを供えます。

このような日程で神様版サミットは開催されますが、その期間出雲以外の各地には神様はいなくなるのかというとそうではなく、留守番をする神様もちゃんとおられます。

恵毘須神(えびすしん)

恵毘須神(えびすしん)を筆頭に金毘羅神(こんぴらしん)、竈神(かまどしん)、道祖神(どうそじん)などがその神様たちです。
これらの神様たちが多くの神様たちが留守の間私たちをしっかり守っていてくれています。そのためこの時期に「恵比寿講(えびすこう)」を行う地方も多くあるようです。

結詞

緊急事態宣言蔓延防止等重点措置解除されましたが、依然としてウィズコロナウィルスの中でもあります。
引き続き感染の再拡大の防止策を維持しながらではありますが、幾分穏やかな日々を送れるのではないでしょうか。
一方、農家の方々は収穫の秋まっ只中で、大忙しです。
黄金色に色づいた稲穂が輝き、風の足跡が描く風景はとても美しく、刈り取った稲が稲木にかけられ、垣根のようにずっと続いている光景は、まさに日本の秋の原風景です。
農家の皆さまのご苦労が実を結び、おいしい新米になりますように祈りたいと思います。

鴻雁来 こうがんきたる

これからどんどん秋が深まり、暦は二十四節気では「寒露(かんろ)」、そして七十二候は寒露の初候「鴻雁来(こうがんきたる)」と移っていきます。

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