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蟷螂生 かまきりしょうず 歳時記
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芒種 ぼうしゅ

新型コロナウィルスも変異株に置き換わりつつ依然として猛威を振い続けていますが、暦は5日より二十四節気は芒種(ぼうしゅ)そして七十二候はその初候の蟷螂生(かまきりしょうず)へと変わっていきます。

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芒種(ぼうしゅ)

この馴染みの薄い二十四節気の「芒種」ですが、芒(のげ)のある作物の種を撒いたり収穫したりする時期という意味です。
この芒(のげ)とは、麦などの実の先端から一本のヒゲのようなものを見たことがあると思いますが、それを指しています。

芒 のげ

暦便覧にも「芒(のげ)ある穀類 稼種(かしゅ)する時なればなり」とあり、この稼種の「稼」とい漢字には植える・耕す・実るという意味を含んでいます。
現代の田植えは人手不足などから5月のゴールデンウィーク期間に離れて暮らしている親族、親せきなどが参集して行われることが多いようですが、昔は5月の中旬から6月の始めごろ麦の刈り入れを終えて、そしてその間に育てていた苗を本田に植えていました。

関東以北ではまだ梅雨入り宣言はされていませんが、「梅雨の走り」と思われる天気が続いています。
すでに梅雨入りしている地域の中の「沖縄」では、小満の記事でも書きましたが、「小満」と合わせてこの「芒種」の時期を「スーマンボースー」と言って雨の多い時期、すなわち「梅雨」と同じ意味で使われています。

田植え

芒種の頃に行われていた田植えは昔から神聖な行事として、田の神様が男性であることから女性が邪気を祓い身を清めて、田の神様に五穀豊穣の祈りを捧げ田植えに向かったそうです。
現代でも御田植祭や田楽が奉納されるなど様々な神事が各地で続いています。
とりわけ西日本では田植えをする若い女性=早乙女(さおとめ)が大太鼓や小太鼓、笛や鉦(かね)を打ち鳴らし、田植え歌を歌いながら設けられた田の神様の祭壇を前に苗を植えていきました。
それを今でも伝え続けているのが重要無形民俗文化財のみならずユネスコの無形文化遺産にもリストアップされている広島県山県郡北広島町で例年ですと6月の第1日曜日に行われる「壬生の花田植」です。
この行事も2021年は当初、保存伝承を目的に無観客開催が予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染症拡大に伴い広島県も緊急事態宣言が発出されたことも考慮し中止となってしまいました。

花田植え

農耕の重要な一翼を担っていた牛たちも美しく飾られ「飾り牛」となってこの神聖な行事に並びます。

ちなみに九州では福岡県の住吉神社宮崎県の田代神社などで五穀(米・麦・粟・豆・きび)の豊穣・豊作を祈る「御田祭(おんださい)」が行われます。
いずれも開催中止や神事のみに変更になる可能性もあり、お出かけの際には、神社等に直接お問い合わせいただくのがよろしいかと思います。

蟷螂生(かまきりしょうず)

蟷螂生 かまきりしょうず

二十四節気の「芒種」とともに七十二候は「蟷螂生(かまきりしょうず)」に移ります。
カマキリが卵からかえる頃という意味です。いよいよ子供たちに大人気の夏の昆虫たちが目でも耳でも季節を彩ってくれる季節です。

蟷螂・かまきり・カマキリ

蟷螂 かまきり カマキリ 祈り虫 拝み虫 蟷螂の斧

NHKの教育番組の「昆虫すごいぜ!」で香川照之さん扮する「かまきり先生」が子供たちに大人気のようですが、実は本物のかまきりの一生は凡そ半年の儚い命です。
あの鎌のような前脚(名前の由来のひとつともなっています)や仲間まで食べてしまう共食いやかえるやトカゲまでムシャムシャと食べてしまう姿からかまきりは苦手だと言われる方も多いと思いますので、ここではかまきりの良い一面を選んでお話ししておきたいと思います。
ちなみにその物騒に見える前脚を持ち上げた姿は見ようによっては愛らしく、どこか祈っているようにも見えることから「拝み虫」・「祈り虫」の別名もあります。

カマキリは農作物にとっては益虫

ご存じのようにかまきりは肉食の昆虫です。しかも生きているものしか食べないそうです。
したがって作物には目もくれず、そこにいる作物を食い荒らす生きている昆虫たちのみを食べてくれる農家にとっては誠にありがたい生き物なのです。

蟷螂の斧

故事成語の中に「蟷螂の斧(とうろうのおの)」という言葉があります。
時は春秋時代、斉国の君主である荘公が馬車で出かけている途中、道の真ん中に一匹のかまきりがいて、逃げもせずに前足の鎌を大きく振り上げて馬車の車輪に向かってきたそうです。御者の「これはカマキリといって、進むことは知っていても退くことを知らない虫です。自分の力量もわからず、敵に向かっていくのです」という言葉に対し、荘公は「この虫がもし人間であったなら、必ず天下に名をとどろかす勇武の人になるであろう」と言って、かまきりの勇気を讃え、わざわざ車を迂回させて、かまきりをよけて通ったという故事があるそうです。
その話が日本にも伝来し、かまきりは勇気ある虫の代表とされ、戦国兜にかまきりの立物を取りつける者もいました。
しかし、その後、現在の日本では意味が転じてしまい、己の無力を知らない無謀さを揶揄する言葉として用いられることになってしまっていますので、誠に残念な話です。

衣替え

この時期、制服やユニホームを冬服から夏服に替え、冬仕様から夏仕様へと替わる皆さんも多いかと思います。
この衣替えという風習も中国の宮廷で行われたことが平安時代の頃に日本へと伝わり室町時代、江戸時代に定着した習慣です。
衣類を入れ替える際に大切なことは虫干しや洗濯などはもちろんですが、手持ちの衣料の総点検として行ってみるのはいかがでしょうか。

衣替え

快適に生活していくために、衣類をチェックするのに季節の変わり目は、よいタイミングです。
押し入れやクローゼットの奥から、もう絶対着ない(着られない)洋服もたくさん出てくるかもしれません。また着られるけど着ないものなどは思い切って処分するも良し、思いのあるものはフリマなどに出品してどなたかに着ていただくのも一つの選択肢かもしれません。
梅雨明けごろに衣類を整理したのち季節が変わり、新しいファッションが増えるとコロナウィルス禍の中、ちょっと気分もリフレッシュできるかもしれません

結詞

腐草為蛍 くされたるくさほたるとなる

次回七十二候は芒種の次候「腐草為蛍(かれたるくさほたるとなる)」と暦は移ります。そして雑季の一つ「入梅」となります。梅雨のないと言われる北海道を除き、全国的に梅雨入りするのも間近かもしれません。

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