黄鶯睍睆 | うぐいすなく | 鶯 | 鳴き声 | 初鳴 | 梅 | 名所 | 七十二候 | 歳時記

うぐいす ウグイス 鶯 歳時記
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うぐいす ウグイス 鶯

2月8日より七十二候は「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」、山里ではウグイスが鳴き始める頃となります。

花を咲かせた梅の枝にとまっているうぐいすの様子は「梅に鶯」といって、古来より春の兆しとして愛されてきました。その情景はたくさんの絵に描かれ、歌にも詠まれています。

梅の花も少しずつほころびはじめ、景色はしだいに春らしくなっていきます。吹く風も三寒四温の寒暖の繰り返しとともに春めいてき始め、五感を研ぎ澄ませば寒いながらも春を感じることが多くなってきます。

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黄鶯睍睆(うぐいすなく)

「睍睆」という難しい漢字は、「けんかん」と読み、鳴き声の良いという意味です。

うぐいすは「ホーホケキョ」という美しい鳴き声が有名で、オオルリコマドリとともに日本の三鳴鳥の仲間に入っています。
昔の人は、うぐいすを飼ってさえずりを楽しんでもいました(現在は勝手に野鳥を飼うことはできません)。

そのうぐいす、春とともに渡ってきて鳴くわけではありません。
一年中日本で暮らす留鳥(りゅうちょう)で、夏は山、冬は人里の近くの竹やぶなどで暮らしています。
特に冬は近隣の公園や庭の植え込みの中に潜んでいることも多いのだそうです。
それにしても、春以外にウグイスの声なんて聞いたことありません。 その訳は、繁殖期以外のうぐいすは、ひっそりと潜伏しています。たまに鳴くとしても「チャッ、チャッ」という地鳴き(笹鳴き)と呼ばれるお馴染みの「ホーホケキョ」とは似つかぬ鳴き声をするだけなので、人が聞いてもまさかうぐいすとは思わないようで、気づかないそうです。

その「ホーホケキョ」と鳴くのはオスで、その初鳴日が昨年までは気象庁から発せられていました。

概ねうぐいすの初鳴日の目安を書いておきます。

・九州地方~沖縄県:2月前半~3月始め頃
・四国~中国地方 :2月後半~3月初め頃
・関西地方    :2月前半~3月後半頃
・中部地方    :3月初め~3月前半頃
・関東地方    :2月後半~3月初め頃
・東北地方    :3月初め~5月初め頃
・北海道     :4月後半~5月初め頃

ちなみに九州・沖縄の2020年の初鳴き日は福岡3月2日 佐賀3月7日 大分1月20日 長崎3月4日 熊本2月14日 鹿児島―観測無 宮崎2月18日 那覇2月24日でした。(気象庁データより)

先程も書きましたが、気象庁は今年1月から、動植物の動向で季節の移り変わりを調べる「生物季節観測」の対象を大幅に縮小しました。生態環境が変化した昨今では、対象植物の標本木を確保することや、動物を見つけることが困難になっていることが、縮小に至ったのが理由だそうです。季節感が観測できないというのは、どこか寂しい感じもします。

さて鳴き始めの頃のうぐいすの鳴き声は初音(はつね)といってまだまだ本調子ではなく、トレーニング中といったところです。
有名な「ホーホケキョ」の「ホー」は息を吸う音で「ホケキョ」がさえずりと言われています。

黄鶯睍睆 鶯 ウグイス

うぐいすの鳴き声には、以下の様なものがあります。

 谷渡り鳴き

繁殖期のオスだけが出す鳴き声で、縄張りに天敵が近づいた時、さえずりとは違う、「ケキョケキョケキョ」や「ピーヒョロロロピヒョピヒョ」とけたたましい鳴き声を放ちます。

 笹鳴き

冬期のオスとメスが雀の鳴き声のように可愛らしく、チャッチャッという小さな声で鳴くもの。主に冬の時期に聞けるようです。

 地鳴き

地鳴きはオスとメスが一年を通して出す鳴き声で、「ヂュンヂュン」というように鳴きます。笹鳴きと似ていますが、やや地鳴きの方が大きく、濁音が混ざったように聞こえます。

 さえずり

私たち人間も春を感じる鳴き声として魅了される、おなじみ「ホーホケキョ」はオスからメスへの求愛の時に出される鳴き声です。
このさえずりには、縄張り宣言の意味もあると言われているのですが、全く同じさえずりではなく、求愛の時と聴き比べると、もう少し低い「ホーホケキョ」のようです。

さて、うぐいすは別名をたくさん持っている鳥で春告鳥春鳥(はるどり)報春鳥(ほうしゅんどり)花見鳥(はなみどり)歌詠鳥(うたよみどり)経読鳥(きょうよみどり)匂鳥(においどり)人来鳥(ひとくどり)百千鳥(ももちどり)など様々な呼び名で呼ばれています。

冒頭に書きましたが、「梅に鶯」という言葉が使われます。
これは春告鳥と春の訪れを告げる梅とのおめでたい2種の美しく調和する理想的なコラボレーションをイメージしたものです。
他にも「松に鶴」「竹に虎」などがあり、松竹梅をベースに慶事・吉兆の象徴として、古くから絵柄などにも良く使われてきました。

うぐいすは、声は聞こえるけど実はなかなかその姿を見ることは難しく、めじろと勘違いされ間違えられることも多いです。
うぐいすの普段の暮らしは藪の中を素早く動き回っているので、なかなか見つかりません。梅によって来るのは殆どがメジロだそうです。

梅にメジロ

それはうぐいすとメジロの食性によるもので、メジロは花の蜜を吸いに梅などの花々に寄ってきますが、うぐいすは主にクモなどの昆虫を食べるため中々梅の枝にとまるうぐいすにはお目にかかれないというわけです。

九州沖縄の梅の名所・梅祭り

黄鶯睍睆(うぐいすなく)は以前の七十二候では「梅花乃芳(うめのはなかんばし)」と言われていました。
梅に鶯ではないですが、この時期各地から梅の見頃情報が届いてきます。
福岡管区気象台によりますと2021年は、福岡では2月1日に梅(ハクバイ)が開花したと報ぜられました。。平年より1日早く、昨年より12日遅い観測だそうです。

梅は菅原道真公の影響か九州各地に梅の名所があります。
また福岡県や大分県では県の花(大分県では県の木にも)に指定され馴染みの深い花木となっています。

そこで九州・沖縄の主な梅の名所を列挙しておきます。

・福岡県
太宰府天満宮
三岳梅林公園
白木谷梅林
宮ノ陣神社
八木山高原花木園
谷川梅林
梅林寺
普光寺

・佐賀県
高伝寺
牛尾梅林
伊万里梅園
・長崎県
島原城
梅園身代わり天満宮

・熊本県
人吉梅園
谷尾崎梅林公園
熊本城飯田丸梅園

・大分県
吉野梅園
おおくぼ台梅園

・宮崎県
月知梅
かいごん塔
市民の森

・鹿児島県
藤川天神(菅原天神社)
仙厳園

・沖縄県
屋嘉梅園

結詞

桜に鶯

さて「梅は咲いたか桜はまだかいな」という江戸端唄の一節をご存じだと思いますが、日本気象協会から2021年一回目の「桜の開花予想」が発表されましたので拝借して載せておきます。今年は例年と比べて少し早めの開花予想となっています。

桜開花予想 2021年

新型コロナウィルス禍も季節の移り変わりとともに徐々に収束してくれることを期待したいと思います。

魚上氷 うおこおりをのぼる

暦も沖縄では「旧正月(12日)」を迎え、七十二候は立春の末候、13日より「魚上氷(うおこおりをのぼる)」と移っていきます。

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