「もういくつ寝るとお正月」の豆知識

お正月 風物詩
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迎春

何気なく「お正月」「元日」「元旦」という言葉を使っていますが、それぞれ意味があります。また、飾り物やお料理なども意味がちゃんと込められています。

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正月

お正月

本来「正月」は徳歳神(年神様・正月神)をお迎えし、歳を重ねられたことを祝うお祭りなのです。年神様は一家に「五穀豊穣」「子孫繁栄」「無病息災」をもたらしてくれる有難い神様です。

正月の由来

名前の由来は中国の秦の始皇帝の降誕月を意味する「政月」が変化して「正月」となったという説や「正」の字の元々の意味が「あらためる」という意味から「あらためる月=正月」となったという説とか諸説あります。

もともとはご先祖様をお迎えする祖霊祀りとして夏冬二回行われていたものが仏教の普及に伴い夏に行われる「盂蘭盆会」に祖霊をお祀りする行事は集約されていき、冬の祖霊祀りは年神様をお迎えする神祀りへと変遷していったようです。

この年神様も一家の祖霊といわれ何故か美しい女性として描かれることが多いようです。毎年変わりますが年神様のおられる方角が「恵方」といい、節分の時にその方角に向って恵方巻を食べるという習慣は現代でも定着してきたようです。

ちなみに2021年の恵方は「南南東です。

正月と元日と元旦

正月は一年最初の月を表しますが、一般的には元日から三日までと松の内を含む正月を祝う期間を指すことが多いようです。

さて皆さんは「元日」と「元旦」の違いをお分かりになっていらっしゃいますか?
たまに年賀状で「一月元旦」と書かれているものを見かけますが、これは明らかに間違いです。

初日の出

元日は一年最初の日を意味しています。そして「元旦」その元日の「朝」を意味します。
「旦」の字には太陽が地平線から昇る様を表している漢字なので朝や夜明けを意味しています。
よって「元旦の朝」も間違いなのです。

郵便局が「元日までに年賀状を確実に配達するには〇〇日までに出してください」と広報しているのは、年賀状は一月一日の朝に届くように出すのが礼儀と言われていることからだと思いますが、そのために年賀状には元日ではなく「元旦」と書くのが良いとされています。

年賀状

また「一月元旦」は間違いなのは、元旦の中に一月という意味が含まれているので「一月」が意味合い上ダブってしまうからなのです。ちなみに「令和3年元旦」は誤りではありません。

門松

お正月飾りと言えば「松飾り」「門松」ではないでしょうか。
門口の左右に一対飾る門松、これを頼りに年神様が降りて来られ最初に宿る依代(よりしろ)となります。

門松

依代とは、神霊は物に依りついて不思議な霊験をあらわすという考えからで、依りつくものとしては樹木・動物・御幣などがあります。

そして門松を頼りに一家を訪問した年神様は小正月に行われる左義長・どんど焼き・とんど焼き・鬼火焚きなど地域によって様々な呼び名はありますが、正月の間に飾ったお飾り、しめ縄、門松などを燃やす炎とともに帰っていきます。まるでお盆の送り火を連想させてくれます。

しめ縄としめ飾り

しめ縄は神様をまつるのにふさわしい神聖な場所であることを示しています。と同時にその中に不浄なものが入らないようにする役目も果たしています。

しめ縄

その由来は、天照大神が天の岩戸からせっかく出てきてくれたので、再び岩戸の中に戻らないようにしめ縄で戸を塞いだという日本神話の記述によるものだとされています。

しめ飾り

そしてそのしめ縄に縁起物などの飾りをつけたものをしめ飾りと言います。

鏡餅とお年玉

お正月飾りで無くてはならないものに「鏡餅」があります。

多くのご家庭では丸いお餅を大小二段に重ねて飾ります。
鏡餅はお迎えした年神様の家の中での居場所となっています。

鏡餅

繰り返しになりますが、鏡餅を依り代とされた年神様は新しい年の幸福や恵みを与えてくださると同時に一年分の生きる力や気力を分け与えてくださるのです。

そして鏡餅に宿った年神様の御魂を「餅玉」として家族に分け与えたのが「お年玉」の由来です。
三が日にお雑煮をいただくのも年神様の魂を体に取り込むという意味もあります。

お年玉

ではなぜ丸い形の餅かというと、三種の神器のひとつでもある古来の「鏡」に由来しています。
鏡は陽の光を反射し、まるで太陽が輝いているように見えることから日本書紀では太陽神として天照大神に見立てられ神様が宿るものとされていました。

その縁起の良い丸餅を二段重ねることによって「太陽と月」「陰と陽」を表していると同時に円満に歳を重ねる願いや夫婦和合の願いが込められているのです。

お節(せち)料理

ここでは個々の食材や料理の来歴などは省きますが、「おせち料理」は漢字では「御節料理」と書きます。

「御節料理」は昔は正月だけのものではなく元日の他、五節句などの節日を祝い、神様にお供えして食べる「御節供(おせちく)」と呼ばれていた料理でした。

おせち料理

江戸時代からはこの風習を庶民の間にも広まり一年で一番大切なお正月に振舞われる料理を「おせち料理」と呼ぶようになりました。

もともとは収穫の報告や感謝の気持ちを込めてお供えしていたものですが、庶民の暮らしが豊かになり、食文化も豊かになってきたことに伴い山海の幸を盛り込んだご馳走に変わっていきました。
それが現代の「お節料理」の原型です。

またお正月三が日くらい「かまどの神様」にも休んでいただきたいという気持ちや、主婦を家事から解放してあげようという気持ちも込められていました。
そのため保存性の高い食材が中心となりました。

お屠蘇(とそ)

最近では呑まれる家庭も少なくなってきているようですが、平安時代に中国から伝えられ嵯峨天皇の頃には宮中の正月行事として始められていました。
江戸時代には一般庶民の間にも広まり、家族一同が健康で幸福な一年を送れるようにと願いを込めて飲まれていました。

お屠蘇

屠蘇とは「邪気を屠(ほふ)り魂を蘇らせる」という意味があります。

現代でも年末になるとスーパーマーケットなどでも「屠蘇散」を販売されており、五六種類の生薬が含まれています。
胃腸を活発にし血行を改善し、発汗を促し風邪が引きにくくなる効果があるようです。

その屠蘇散を日本酒やミリンに6から7時間漬け込んで「お屠蘇」が出来上がります。
一人これを呑めば一家苦しみなく、一家これを呑めば一里病いなし」と言われどうしても飲みすぎ食べすぎに陥りやすい正月から健康に気遣う習慣は嬉しいものです。

結詞

あと4っつ寝るとお正月です。
お正月の準備も今日(28日)と明後日(30日)の二日となってしまいました。何かとバタバタしがちになりますが、そんな時でもお正月の準備のひとつひとつの意味や由来を思い起こしながら準備していくと少しは穏やかに準備が進められると思います。

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