冬の足音が聞こえる「地始凍(ちはじめてこおる)」

地始凍 ちはじめてこおる 歳時記
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地始凍 ちはじめてこおる

七十二候も2020年は12日より第56候、立冬の次候「地始凍(ちはじめてこおる)」となります。

大地が凍り始める頃という意味で、各地から初霜、初氷といった報せが届き始め、冬の訪れが、はっきり肌で感じられる季節と移っていきます。冷気をまとった季節風が吹き、日ごとに寒さが増し、季節は本格的な冬を向っていきます。

その頃になると、夜は冷え込みがいっそう厳しくなるので、カビの原因ともなる部屋の窓の結露にもご注意ください。

そして常夏と言われる沖縄でさえ最低気温が20℃前後となりウチナァンチュ(沖縄の人)の中では寒いという声も聞かれ始めます。

(本土の人にとってはとても過ごしやすい気候ですが・・・)

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地始凍(ちはじめてこおる)

朝は霜が降り、場所によっては地中の水分が凍ってできる霜柱がみられるところもありますが、地球温暖化の所為か、実際にはもう少し時の経過が必要のようです。また昨今ではアスファルトで覆われた地面が多くなり見ることも少なくなってはきましたが、それでも九州の山あいの集落などの田畑では薄っすらと霜が降りていたり、土の地面には霜柱が立っていたりすることもあります。

地始凍 ちはじめてこおる

ところで、霜柱、同じ霜という字でかきますが、その出来方は違い、霜は空気中の水蒸気が昇華し凍り付き地表に降りたもので、霜柱は地中の水分が凍り付きながら毛細管現象により地表に染み出し、徐々に冷気で凍結していき、柱状に成長したものです。

霜の降りるような夜、地中の水分が凍ってできる氷の柱が霜柱です。そのため霜柱は湿気の多い柔軟な土質に生じます。

さらに霜柱ができるには条件があり、地面近くの気温が0℃、下の地中の温度が0℃以上、土壌の含水率が30%以上ある場合に発生しやすいと言われています。そして、その成長点は柱の上部ではなく下部にあり、押し出されるように伸びていきます。

一方、雨が降った後のように地中の水分が多すぎる状況では、結氷してしまって、霜柱にはならないそうです。また、硬い土・固まった土では土が持ち上がりにくいので霜柱は発生しにくく、耕された畑の土などでは出来やすいようです。そのため霜柱は堅い地面にはできにくく、柔らかい畑にできることが多いです。地面が持ち上げられて農作物が被害を受けるため、農家は苦労するそうです。

筆者も子供の頃、通学の途中霜柱で盛り上がった地面を見つけるとわざと踏みしめて遊んでいました。

その時のあのザクザク感は今でも感触の記憶として残っています。

つわぶき(石蕗、艶蕗)

霜柱が立つような寒さの中、目を楽しませてくれるのがこの時期に花を咲かせる石蕗(つわぶき)です。

つわぶき 石蕗 艶蕗

「艶のある葉を持ったフキ」から転じ艶葉蕗(つやはぶき)とする説や、「厚い葉を持ったフキ」から転じた厚葉蕗(あつはぶき)とする説など諸説ありますが、葉が蕗に似ていて艶々しています。

また山陰の小京都として観光地ともなっている島根県の「津和野」という地名は「石蕗の野(ツワの多く生えるところ)」が由来となっているそうです。

その名に「フキ」という言葉が含まれているように鹿児島県や沖縄県を中心に西日本の一部地域ではフキと同じように葉柄を食用として用いられています。

つわぶき 石蕗 艶蕗 煮物

特に奄美大島などの奄美料理では塩蔵した骨付き豚肉とともに煮る年越しの料理の具に欠かせないもので、沖縄県でも豚骨とともに煮物にして食べるそうです。食用とするまでには、軽くゆがいて皮を剥き、酢を少量加えた湯で煮直し、1日以上水に晒すなどの灰汁抜きが必要で、フキよりも準備に大変手間手間がかかるため、鹿児島県などでは、灰汁抜きしたものが市場で売られていたり、灰汁抜きした状態で冷凍保存し、後日調理したりするようです。

また三重県南伊勢町や高知県土佐清水市などでは木枠にツワブキの葉を敷いて押し寿司である「つわ寿司」が作られますが、その香りを楽しむのが主で、葉にはラットに肝ガンをおこし、発ガン性が疑われる、アルカロイドが含まれているため葉そのものは食べません

いずれにしても、緑の葉にパッと目を惹く黄色い小ぶりの花が鮮やかで、寒さで縮こまっていた気持ちを癒してくれます。

結詞

朝晩の冷気を肌で感じて、冬用の布団や毛布を引っ張り出してきたり、日によってはコートを羽織ったり、私たちの生活も少しづつ冬模様が濃くなっていきます。

そのような中、西高東低の冬型の気圧配置が少しずつ顕著となり暦は立冬の末候「金盞香(きんせんかさく)」と移っていきます。

金盞香 きんせんかさく

これからは、寒さの中で身体の活動が鈍くなりがちですが、是非、積極的に全身を動かして柔軟さを大切にして、脳や心のリフレッシュも意識して暮らしていきましょう。

さて、当ブログもお陰様で、前候の「山茶始開(つばきはじめてひらく)」を以って一巡しました。

今回の「地始凍(ちはじめてこおる)」よりまた新たな一年が始まります。

これからは歳時記と風物詩や行事を分けるなど内容の細分化を図りながら、より一層充実したブログを目指して書き続けていきたいと思っておりますので、これからもよろしくお願いいたします。

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