霜降 | そうこう | 霜始降 | しもはじめてふる | 重陽の節句 | カジマヤー祝い

霜降 霜始降 歳時記
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霜降 霜始降

徐々に秋も深まりつつあり、山では「初冠雪」などの報も聞かれるようになり、23日より暦も二十四節気は「霜降(そうこう)」、七十二候もその初候「霜始降(しもはじめてふる)」と移っていきます。

また、23日沖縄では生年祝いでは最も盛大に行われる「カジマヤー祝い」、そして25日は旧暦の9月9日で五節句の一つの「重陽の節句(菊の節句)」です。

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霜降(そうこう)

霜降 霜始降

朝晩だいぶ空気がヒンヤリしてきましたが、二十四節気では「霜降そうこう)」となります。

紅葉の便りとともに初霜の知らせが聞かれるのも大体このころからです。

江戸時代、太玄斎により著わされた暦便覧には「陰寒の気に合って、霜むすび凝らんとすれば也」とあります。

旧暦9月は長月といわれますが、稲の刈り取り時期から「小田刈月(おだかりづき)」、菊が咲き始めるため「菊月」、そして木々の葉は色をかえ染まり出すことから「色取月」と様々な呼び名があります。いずれも自然とともに暮らしてきた昔の人々の感性から名付けられたものです。

霜が降りるのは気象台で発表される最低気温が3℃以下に冷え込むと周辺の地表温度が0℃を下回ると言われています。このような気温になると今までは露となっていた水分が凍り付き霜となります。

そろそろ冬物衣料や暖房器具の準備など、この頃から冬支度を始めるといいでしょう。また草木や農作物に降りると枯らしてしまうこともあるので、農業はもちろんのこと、花や植物の栽培にも霜は要注意ですので、予想最低気温が3~4℃とあれば、霜対策をしておいた方がいいです。

霜始降(しもはじめてふる)

霜降 霜始降

七十二候は「霜降」の初候「霜始降(しもはじめてふる)」に変わり、北の方からだんだんと初霜が降り始める頃となってきます。。

氷の結晶である、霜がはじめて降りる頃。昔は、朝に外を見たとき、庭や道沿いが霜で真っ白になっていることから、実際は空気中の水分が凍り付いたものですが、雨や雪のように空から降ってくると思われていました。そのため、霜は降るといいます。

また時期の日本本土の山里の風物詩として思い浮かぶのは茅葺の農家の庭先に鮮やかな色で実った「柿」ではないでしょうか。

柿は沖縄以外の日本いたるところで見られる落葉樹でその「」には防腐剤としての作用もあります。

その色は赤でもなく、橙色でもなく、黄色でもない、正しく「柿色」ですね。

この「柿色」、細かく言うと柿の果実に由来する色と柿の渋で染められた時の色の二つの系統に分かれます。

そしてさらには柿の果実に由来した系統にも一般的に柿色という鮮やかで濃い橙色と熟しきった柿の果実の色の赤身の濃い「照柿色」に分けられます。また、柿渋で染められた時に発色した際の色味と歌舞伎の成田屋が着用した衣装の中から「団十郎茶」と呼ばれた茶色がかった色目の物もあります。

カジマヤー祝い

カジマヤー祝い

徐々に「紅葉便り」も届き始める頃ですが、その紅葉に彩られた山々を「山装う」と表現し秋の季語ともなっています。

ちなみに春に花が咲き鳥が鳴く山は「山笑う」、青葉茂る夏山は「山滴る」、そして冬山の静けさを「山眠る」と擬人的に表現しています。

これは中国の画家の郭煕の画論「臥遊録」の中にある漢詩に「春山淡治にして笑うが如く、夏山蒼翠にして滴るが如く、秋山明浄にして装うが如く、冬山惨淡として眠るが如く」の一節に由来しています。

亜熱帯気候のため「四季」が感じにくいと言われている「沖縄」では柿もなく紅葉もなく「秋」はないと思われている方も多いと思われますが、沖縄にも紅葉する木があります。

それは「ハゼ・櫨」の木です。「ケラマブルー」でも有名な慶良間諸島の座間味島などでは10月の終わり頃からだんだんと赤く色づく姿を眺めることができます。

櫨は安土桃山時代に中国南部からロウソクの蝋を採取するためにその種子を輸入し栽培したのが始まりと言われています。

江戸時代中期には中国から琉球を経由して盛んに輸入されるようになり薩摩でも本格的に栽培されました。

そんな南国・沖縄ではこの時期の風物詩のひとつである「カジマヤー祝い」が旧暦9月7日前後に各地で行われます。2020年は10月23日がその日に当たります。

数えで97歳になったお年寄りを盛大に祝います。

これは、干支ごとに数えで13歳、25歳、37歳、49歳、61歳、73歳、85歳、97歳に行われる生年祝いの日(トゥシビー)のひとつです。その他にもトゥシビーではありませんが、本土では「米寿」にあたる「トーカチユーエー」というお祝いもあります。

その中でも、カジマヤーともなると親戚だけではなく、地域の人たちを巻き込んでの一大イベントになります。

カジマヤー祝い

主役のお年寄りは、真っ赤なちゃんちゃんこを羽織り、頭には赤い頭巾、手には大きな風車を持ち、豪勢に造花や風車で飾り付けされたオープンカーに乗り、「風のカジマヤー」を流しながら集落の七辻、七橋を一筆書きのように一度通った道は通らないというしきたりに倣ってパレードをします。オープンカーが借りられなかった時代は、トラックの荷台にひな壇をつくって村中を回ったとそうです。

現在は「子を育て、孫、ひ孫を見守ってくださってありがとうございます。これまでの長い人生、たくさんの苦労もしたでしょう。これからは童心に戻って、楽しい余生をお過ごしください」という子孫たちの気持ちが込められたお祝いというのが一般的解釈になっています。

しかし、このように解釈するようになったのは比較的最近のことで、文献によれば、明治のころまでのカジマヤーは、「トーカチの祝い」と同様、模擬葬式の儀式だったところも在るようです。

死に装束を着せ、集落の七つのカジマヤー(四辻)を回りお墓まで連れて行ったといいます。

カジマヤーには、風車という意味の他、風車の十字にちなんで四辻(交差点、十字路)指す沖縄の方言でもあります。ということから、カジマヤーの名称も「風車」ではなく、こちらの儀式からつけられたものだという説もあります。

重陽の節句

2020年10月25日は旧暦の9月9日で、五節句の一つの「重陽の節句」を迎えます。旧暦の9月9日ごろはちょうど菊の最盛期でもあるので「菊の節句」あるいは「栗の節句」とも呼ばれています。

五節句とは1月7日の「人日の節句(七草の節句)」、3月3日「上巳の節句(桃の節句)」、5月5日「端午の節句(菖蒲の節句)」、7月7日「七夕の節句(笹の節句)」そして9月9日「重陽の節句(菊の節句)」を言います。

重陽の節句では菊酒や菊の被綿(きせ わた)を使い、菊の薬効により健康を祈願します。

また、「後(のち)の雛」としてお雛様を飾るところもあります。

現在では五節句の内で一番影の薄い節句ですが、古来中国では、奇数は良いことを表す陽の数であり、陽数の極である「9」が重なることから「重陽」と呼ばれ、陽の極が二つ重なることから五節句の中でも大変おめでたい日とされた一方不吉なことが起こると考え、長寿をもたらすおめでたい花であり、強い香りで邪気を祓うとされる菊の花にあやかり、邪気を払い不老長寿や繁栄を願って、菊の花をかざったり酒(菊酒)を酌み交わしてお祝いしていたそうです。

重陽の節句

日本でも平安時代からこの風習は宮中を中心に行われ、五節句を締めくくる「菊花の宴」として盛んだったようです。そして江戸時代には五節供のひとつとして、諸大名が江戸城に集まって菊酒を飲み、栗飯を食べて菊花を観賞したそうです。 やがて菊の花の庶民への流行とともに、重陽の節供も庶民へと広がっていきました。

その重陽の節句、地域ごとに新暦、月遅れあるいは沖縄のように旧暦で「健康祈願行事」として行われてきましたが、高齢化が進み、後継者も居なくなり風習としては廃れてきてしまっています。沖縄では「菊酒(きくざけ)・菊御酒(チクウジャキー)」という行事が以前は各地で行われたそうです。

菊酒といっても菊の香りを移した水や米で仕込んだ日本酒や梅酒のように焼酎に菊の花を漬けたものもあるようですが、一番お手軽なのが菊の花を浮かべた泡盛や日本酒です。

重陽の節句の風習では、菊酒のほかにも「被せ綿(きせわた)」というものがあります。前日より菊の花に綿を被せて一晩置き、菊の花に朝露(菊の露)を宿らせます。その朝露とともに菊の香りが浸み込んでいる綿で体を拭いて不老長寿を願うという重陽の節句を象徴する風習です。そういえば沖縄の泡盛の銘柄で「菊の露」というのもありましたね。

長崎くんち

また、重陽の節句は秋の収穫祭として全国に伝統行事が残っています。特に有名なのは九州地方の「くんち」。くんちとは、9日が訛ったもので、「長崎くんち」や「唐津くんち」などが新暦の10月に盛大に行われています。重陽の節供が姿を変えて残っている例でしょう。

唐津くんち

結詞

実りの秋」「食欲の秋」を象徴するかのように、柿、栗、梨、ぶどう、林檎とそしてキノコや新米など秋は美味しいものがたくさんあります。秋の実りをたっぷりといただき暑い夏で疲れた体を養生しながら元気をつけて寒さに向かいましょう。

また未だ新型コロナウィルス禍の中ではありますが、晴れれば青空はどこまでも天高く澄みわたり胸いっぱい爽やかな空気をすいこんで穏やかな光の中行楽にも出かけたくなります。天気も落ち着き紅葉狩りや梨狩りや葡萄狩りなどお出かけの機会も増えてくるこの時期、お出かけの装いに「柿色」取り入れてみたらいかがでしょうか

また静かに降りそそぐ雨音に耳を傾けながらに栗をむいたり、重陽の節句には栗ごはんと菊の花のお吸い物や9日に食べると中風(ちゅうふう)にかからないと言われる茄子のおひたしで重陽の節供をお祝いし、健康長寿を祈りながら菊酒を楽しんだり、今の季節らしい味わいのある時間を過ごしたいものです。

霜降 霎時施 こさめときどきふる

これから日一日と冬の足跡が聞こえてきます。暦は霜降の次候、霎時施(こさめときどきふる)と進んでいきます。

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