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朝露 寒露 かんろ 歳時記
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朝露 寒露 かんろ

気候温暖化のためか季節が遅くずれてきている昨今ですが、そんな中でも秋の気配が感じられる日が少しずつ増えてきました。暦は二十四節気は「寒露(かんろ)」そして七十二候は寒露の初候「鴻雁来(こうがんきたる)」と移っていきます。季節も「晩秋(ばんしゅう)」に入ってきました。 行楽などに最適なシーズンとなり、GоTоトラベルなどの補助事業等もある一方で、未だ新型コロナウィルス禍の不安も残り今一つ盛り上がりに欠けた秋になってしまっていると感じているのは私だけでしょうか。

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寒露(かんろ)

朝霧 朝露 寒露 かんろ

いつの間にか、朝晩の冷え込みや冷たい風に、肌寒さすらを感じ始め、秋が少しずつ深まってきました。二十四節気は「寒露(かんろ)」と移っていきます。

「寒露(かんろ)」とは、暦便覧によれば、「陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすればなり」とあり、晩夏から初秋にかけて野の草に降る冷たい露のことを言います。二十四節気では「寒露」は草木にその冷たい露が降りる頃という意味です。少し前まで青かった山が色づき始め、朝晩の冷え込みで地表や水面では水蒸気が凝結し、細かな水滴となり大気中を漂う「霧(きり)」となります。春の霞(かすみ)と同じ現象ですが、平安時代以降、春は「霞(かすみ)」秋は「霧(きり)」と呼び分けるようになりました。さらに時間帯や降りる場所ににより「朝霧」「夕霧」「夜霧」「山霧」「川霧」と、その情景が目に浮かぶような言葉で表し、昔の人たちの季節やそれに伴う自然現象に対する繊細な感受性には感心するばかりです。

そして天候も、大気の状態が安定してきて、空気が澄んだ秋晴れの日が多くなってきました。

少しずつ秋の気配が深まり、稲刈りが終わり、他の農作物の収穫も最盛期を迎え、北の方からは紅葉の便りが届きはじめます。

日本気象協会からは今年(2020年)も「紅葉の見ごろ情報」が発表され始めました。

紅葉の見ごろは、秋(9~11月)の気温が低いと早まり、高いと遅れます。第1回の予想では、11月にかけて気温は全国的に平年並みか高く、朝晩の冷え込みも強まる時期が遅れる予想から、今年の観光名所の紅葉見ごろ時期は、全国的に平年並みか遅い予想です。

ちなみに九州地方では紅葉見ごろ時期11月の下旬頃で平年より遅いと予想されています。

それでも見あげてみれば空の色はたしかに秋の気配が漂い、澄んで高く穏やかで和やかに感じられます。

葉の色も少しずつ褪せて赤や黄に変りつつあります。

秋の深まりはふと気づくと一気に進んでいるもの。

いつもの散歩道にも9月とは違う気配を感じることはありませんか?

肌に触れる朝の空気、夕方の風の匂いにあなたの感覚を研ぎ澄ませてみてください。身のまわりにあるあなただけの小さな秋がきっとみつかるはずです。 このように秋は気温などの体感だけではなく五官で感じるものかもしれません。五感を少し研ぎ澄ましながら深まりゆく秋を見つけてみたいものです。

鴻雁来(こうがんきたる)

鴻雁来

この頃は、露が冷たい空気と接し、霜に変わる直前であり、平年ですと紅葉が濃くなり、ツバメなどの夏鳥と雁などの冬鳥が交代される時期でもあり、七十二候は寒露の初候「鴻雁来(こうがんきたる)」となります。

「鴻雁来」とは雁が北から渡ってくる頃という意味です。

清明の次候「鴻雁北 (こうがんかえる)」と対になった候で、つばめ(玄鳥)などの夏鳥が南へ帰るのと入れ違いに、春に北へ帰って行った冬鳥が再び日本へやってきます。

ツバメなどのように、春に日本に帰ってきて子育てをし、秋になると南へ旅立つのが「夏鳥」ですが、雁やオオハクチョウのように、寒さが厳しくなる頃日本にやってきて冬を越し、春には子育てのためまた北の国に戻る渡り鳥を「冬鳥」と言います。

「鴻雁」の「鴻」は大きな雁を、「雁」は小さな雁を指すのだそうです。その雁は日本で冬を過ごし、暖かい春になるとシベリアの方へ帰っていきます。毎年、初めに訪れる雁を「初雁(はつかり)」と呼びます。その鳴き声を「初雁が音(初雁金)」といいます。

そしてこの頃に吹きはじめる北風の名が「雁渡(かりわた)し」。

この風が吹き出すと、秋も深まり、空や海の青色が冴えてくるので「青北風(あおきた)」とも呼びます。

余談ですが、雁といえば手紙のことを「雁の玉章(たまずさ)」という言葉をご存じですか?

昔、中国の前漢の蘇武という人が使節として北方遊牧民の匈奴に遣わされました。しかし捕らえられ19年間も抑留されてしまいました。蘇武は救いを託した手紙を雁の足に結びつけ、その手紙が無事に長安の都に届き国へ帰ることができたという故事に由来しています。

さて日本に来る雁の仲間は6種類くらいで、その中で最も多いのはマガンです。

鴻雁来 落雁

カモより大きくハクチョウより小さい体長約70センチ程の水鳥です。

そして開発などによる市街化などによる越冬地が徐々に減り、現在ではそのすべてが伊豆沼や蕪栗沼など宮城県北部で冬を越しています。

羽を休める沼と、落ち穂や雑草が食べられる田んぼの両方が隣接する地域が残っているのが宮城県北部の一体しか残っていないのがその理由だそうです。

雁はいつも群れで行動します。

雁行 雁の隊列

雁の仲間は隊列を組んでV字型になったり、あるいは一直線になったりして、長距離を飛来してくることで有名です。

その雁の隊列はカギ状やサオ状になって飛ぶことから「雁の列(つら)」「雁の棹(さお)」「雁行(がんこう)」と呼ばれ、秋の季語となっているものもたくさんあります。

とりわけV字型の隊列は、雁の繁殖地の北極圏から日本の東北地方までの飛行距離は実に4000キロメートルに及び、そのような長距離を飛んでくる為に必要な知恵と工夫と言われています。V字編隊で飛ぶことで、翼の動きで生まれた上昇気流が斜め後ろに飛ぶ鳥に伝わり、少ないエネルギーで飛ぶことができるのだそうです。

雁行 雁の隊列 Ⅴ字編隊

先頭以外の雁たちは気流の流れを利用して飛びやすいわけですが、先頭の雁は体力ある者が担うものの消耗度合いが大きいので、雁たちは、時折先頭を交代することで体力を温存しつつ、隊列全体として遥かな長距離飛行を実現させています。 雁の見事な連帯感と連係プレーで支え合う姿から、私達人間も、改めて社会やチームにおける連帯感の中、力を合わせたり、絆を大切にしてお互いが支えあう「共助」の心を大切にしていきたいものです。

結詞

皆さんも空気の澄んだ日、今が旬のでも食べ、秋の夜長に美しく輝く月をのんびりと眺めながら、心を洗うのも一興かと思います。

寒露の頃になったら、空を見上げてみてはいかがでしょう。これまでと違った、秋の清々しさと趣を感じる空に出会えるはずです。

また徐々に昼が短くなり夜が長くなるのを感じる頃です。

菊花開 きくのはなひらく

井戸から水を汲み上げる滑車を使った桶のことを「釣瓶」と言いますが、その釣瓶が井戸の底へサーッと落ちていくように、夕暮れから急に日没を迎えるという例えで、「秋の日はつるべ落とし」といわれるように、まだ明るいと思っているといつの間にか、まっ暗になってしまいます。 そのような季節の移り変わりの中、暦は寒露の次候「菊花開(きくのはなひらく)」と進んでいきます。

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