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玄鳥去 つばめさる 歳時記
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玄鳥去 つばめさる

17日より七十二候も「玄鳥去(つばめさる)」になります。今年はラニーニャ現象出現により向こう一か月は平年より気温の高い傾向のようですが、日中の残暑はさておいて、朝晩吹く風は幾分凌ぎやすくなってきました。

そしてまた17日は農家の三厄日の一つの「八朔」を迎えます。

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玄鳥去(つばめさる)

玄鳥去 つばめさる

春先に日本へやってきたツバメたちが子育てを終えて南へ渡っていく頃です。

玄鳥とは「ツバメ」のことを指し、旧暦8月は「燕去月(つばめさりづき)」とも呼ばれ、季節の移ろいを知らせる象徴の鳥の一つとして親しまれてきました。

ツバメは春と秋に渡りをします。「玄鳥去」と対をなす七十二候は清明の初候、第13候の「玄鳥至つばめいたる)」で2020年は4月4日でした。「玄鳥至(つばめいたる)」は越冬地から再びツバメが戻りやってくるという意味です。

ツバメの渡りの距離はなんと3000kmから5000kmにも及び、東南アジアの台湾、フィリピン、マレー半島さらにはオーストラリアにまで渡っていきます。

2月の初旬から1羽ずつ南西諸島に現れ9℃の等温線に沿って1日に20kmから30kmずつ北上し、4月下旬ごろ北海道に達します。その際は、オスがメスより数日早く昨年子育てをした巣に戻ってくるようです。

そしてそのツバメが子育てを終えた9月中旬から10月下旬にかけて今度は越冬地の南へと小グループ単位の集団を作って旅立っていきます。

ツバメは1シーズンに2回の子育てをすると言われています。育つまでは凡そ20日間で巣立ちますが、最初の子育ての幼鳥は巣立った後の巣が2番目の子育てのための巣となってしまうため帰る巣も無く出発の日まで間は水辺のアシ原や大きな樹木などで集団を作って一人前の「渡り鳥」になるための鍛錬をしながら成長していきます。夏になると、2番目に巣立った幼鳥や子育ての終わった親鳥たちも加わります。

そして旅立ちの日、親鳥から順に旅立っていきます。親たちは幼鳥たちを連れて行ってはくれません。

そんな幼鳥たちも生まれながら、太陽や地磁気によって方角を知り、目的地に近づくと地形や目立つ建造物をたよりに正しい場所を見つけるという「渡りの能力」を持っています。

玄鳥去 つばめさる

さらにツバメは飛びながらほとんどの生活を送れるようその体は出来ていて、食事や水浴びなど空中で飛びながら何でもこなしてしまいます。まるで走りながら何でもこなしてしまう自転車のロードレーサーのようです。

その抜群の飛翔力で島伝いに渡っていくのです。

越冬地では巣は作らず、日中は田んぼ・川・沼などでエサを捕り、日暮れになるとエサ場から市街地の電線や街路樹に帰ってきて集団で眠っているそうです。

八朔(はっさく)

八朔はっさく)とは八月朔日の略で、2020年の旧暦の8月1日にあたる日は17日が八朔(はっさく)です。

旧暦ではこの頃、稲穂が実り始める大切な時期ですが、と同時に台風が襲来することも多く、せっか実った作物に被害が及ぶこともあり、農家にとっては二百十日、二百二十日と並んで三大厄日のひとつともなっています。

また、「田の実の節句」とも呼ばれ、豊作祈願のお祭りを行って「田の実り」を願いました。

この「田の実」が「頼み」に転じ、八朔に日頃お世話になっている方々に贈答品を贈る風習が生まれました。農村では初穂をお世話になている方に贈ります京都の祇園では8月1日に芸妓や舞妓が盛装をして芸事の師匠やお茶屋などに「おめでとさんどす、これからもよろしゅうおたのもうします」と挨拶回りをする風習が今でも残っています。

そしてこの時期に西日本を中心に八朔祭をする地方もあり、九州では熊本県上益城郡山都町の「八朔祭」は江戸時代中期ごろから約260年の歴史を持ち豊作祈願と商売繁盛を願うお祭りとして有名です。お祭りの見せ場は山野の自然の素材を活用した何体もの「大造り物」と呼ばれる山車が町内を引き廻されます。

八朔祭 山都町 大造り物

しかし残念ながら、例年9月第一土曜日と日曜日に行われるこの祭りも2020年は新型コロナウィルス禍の中、感染拡大防止のため中止となってしまいました。

この山車はその年の世相を風刺や庶民の願望などを上品な洒落とともに表現していて、祭りは中止となってしまいましたが昨年の山車が展示されていたそうです。

例年ですと、町内各所を練り歩いた大造り物のゴール地点に近い「通潤橋」では五穀豊穣を願う「八朔祭」のフィナーレとして夜には花火大会も開催されます。

通潤橋

通潤橋は1854年この辺の住民と田畑を潤すために建造された美しい石造りのアーチ水路橋で、国の重要文化財にも指定されています。

しかし通潤橋も地震や豪雨被害で損傷していましたが、地域の努力により修復を終え、放水を4年ぶりに再開しました。

九州からもう一つ。

福岡県遠賀郡芦屋町では約300年前から「八朔の節句」という伝統行事が今でも続いています。

この日を初めて迎える男の子のいる家ではたくさんの「ワラ馬」を、そして女の子のいる家ではたくさんの「団子雛(だんごびーな)」を作り座敷に飾ります。

節句の日にはそれをご近所に配り地域で子供達の成長を祈る行事です。この風習も五穀豊穣・子孫繁栄に通じるものがあるような気がします。

芦屋町では2020年も27日の「ワラ馬」の無料配布は屋外で行うなど一部変更しながら、9月1日から27日までお祭りを行っていますので、観光協会から出されているパンフレットを転載さえていただきます。

芦屋町 八朔の節句 ワラ馬 団子雛

結詞

さて、余談になりますが、八朔(はっさく)といえば柑橘類の「はっさく」が思い浮かびますよね。

それは、ちょうどこの時期に食べられるようになることからその名がつきました。

空を見上げれば、モクモクとした入道雲とともに羊雲や鰯雲など秋の訪れを示す雲も現れて、秋が着実に近づいてきているのを感じさせてくれます。

秋分 雷乃収声

暦は二十四節気は「秋分」そして七十二候は「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」と移っていきます。

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