九州八十八ヶ所百八霊場 第百七番札所 風浪山 隆善寺

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九州二十四地蔵尊霊場
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隆善寺は玄界灘の美しい海と雷山山脈の深い山々に囲まれた“自然豊かな町”、“福岡のベットタウン”という二面性を持った自然と人工の調和した町、糸島市にあります。厄除開運・商売繁昌・病気平癒・学業上達等、種々の御祈祷・御祈願の寺で参拝者が絶えません。ご本尊の将軍地蔵菩薩は諸々の禍や様々な魔に対して、打ち勝たせてくれる地蔵尊です。その他、境内には修行大師を始め、十三仏・文殊菩薩わらべ地蔵などを安置しております。またお腹をくぐりご縁を願うカエルもいます。
創建は昭和32年(1957年)、住職隆善が泊の大日如来の導により大日如来、波切不動明王を安置して加持祈祷の寺として建立し、昭和39年(1964年)に現在地に移転し、山、寺号を風浪山隆善寺としました。
その隆善師が鎮西本山、吉祥寺に参龍した折、弘法大師が夢に現れ「将軍地蔵大菩薩を安置し、あまねく一切衆生を済度し救済せよ」とのお告げを受け、弘法大師御誕生所の総本山善通寺に安置の地蔵尊の姿が現れたそうです。
その後、身丈五尺余の将軍地蔵尊を御本尊として建立し、安置されました。

九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

九州二十四地蔵尊霊場会~より

『概略』

風浪山 隆善寺
(御朱印)

別称

将軍地蔵尊

創建

昭和32年(1957年) 住職 隆善師

宗派

真言宗 善通寺派

ご本尊

将軍地蔵立像(九州八十八ヶ所百八霊場ご本尊)
(お御影)

ご真言

おん かかかび さんまえ そわか

地蔵菩薩について

大きな慈悲の心で人々を包み込んで救うといわれています。弥勒菩薩が56億7000万年後に現世に出現するまではこの世には仏がいない状態とされているため、その間命あるものすべてを救済する菩薩です。閻魔大王の化身であるともいわれ、この世で一度でも地蔵菩薩に手を合わせると身代わりとなって地獄の苦しみから救うとされ人々から信仰を集めました。
また他の仏とは違い人道など六道を直に巡って救済を行うとされ、親しみを込めて「お地蔵さま」の名で呼ばれています。
日本では、六地蔵像は墓地の入口などによく6体の地蔵が祀られています。
仏教では六道輪廻と呼ばれ、六道のいずれかに転生しているご先祖様や故人を導いてもらうために、それぞれ1体ずつが各世界を担当して見守ってくださっています。
また日本においては、浄土信仰が普及した平安時代以降、極楽浄土に往生の叶わない衆生は、必ず地獄へ堕ちるものという信仰が強まり、地蔵に対して、地獄における責め苦からの救済を欣求するようになったそうです。

お姿は出家僧の姿が多く、六道をめぐりながら、人々の苦難を身代わりとなり受け救う、代受苦の菩薩とされました。
際立って子供の守護尊とされ、「子安地蔵」と呼ばれる子供を抱く地蔵菩薩もおられます。そのため小僧姿も多いです。

ちなみに六道とは、人道・天道・地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道からなる世界で成り立っています。

天道

天道は天人が住まう世界。天人は空を飛ぶことができ、享楽のうちに生涯を過ごすが、死を迎える時は5つの変化と苦しみが現れ、これを五衰(天人五衰)と称し、体が汚れて悪臭を放ち、脇の下から汗が出て自分の居場所を好まなくなり、頭の上の髪飾りが萎み、楽しみが味わえなくなるそうです。

人間道

人間道は人間が住む世界で四苦八苦に悩まされます。
『往生要集』の徳川家康の旗頭にも書かれている「厭離穢土(おんりえど)」では「苦しみの相」・「不浄の相」・「無常の相」と、三つの相があると記されています。

修羅道

修羅道は阿修羅が住み、終始戦い争うために苦しみと怒りが絶えない世界だそうです。

畜生道

畜生道は鳥・獣・虫など畜生の世界。
種類は約34億種で、苦しみを受けて死ぬそうです。

餓鬼道

餓鬼道は餓鬼の世界で腹が膨れた姿の鬼になると言われています。
餓鬼は36種類に分類されていると言われ、旧暦7月15日の施餓鬼は餓鬼を救うために行われます。

地獄道

地獄道は罪を償わせるための世界で、地下の世界で、『往生要集』などにも「上下に八層重なっている」と記述されています。
賽の河原で、獄卒(鬼)に責められる子供を、地蔵菩薩が守る姿は、「西院河原地蔵和讃」を通じて広く知られるようになり、子供や水子の供養において地蔵信仰を集めました。
関西では地蔵盆は子供の祭りとして扱われています。

西院河原地蔵和讃

これは この世の 事ならず  死出の 山路の すそ野なる
西院の河原の ものがたり  聞くに つけても 哀れなり
二つや 三つや 四つ 五つ  十にも 足らぬ みどり児が
西院の河原に 集まりて  父 恋し 母 恋し
恋し恋しと 泣く声は  この世の声とは 事変わり
悲しさ 骨身を とおすなり  かのみどり児の 所作として
河原の石を 取り集め  これにて 回向の 塔を組み
一重組んでは 父のため  
二重組んでは 母のため
三重組んでは ふるさとの  兄弟 我が身と 回向して
昼は 独りで遊べども  日も 入りあいの その頃に
地獄の 鬼が 現れて  やれ 汝らは 何をする
娑婆に 残りし 父母は  追善 作善の つとめなく
ただ 明暮れの 嘆きには  むごや 可愛いや 不憫やと
親の 嘆きは 汝らが  苦げに 受くる 種となる
我を 恨むる 事なかれ  くろがねの 棒をのべ
積みたる 塔を 押し崩す  又 積め積めと 責めければ
おさな子 余りの 悲しさに  まこと 優しき 手を合わせ
許し たまえと 伏し拝む  罪(つーみー)なく思うかや
母の 乳房が いでざれば  泣く泣く 胸を 打つ時は
八万地獄に ひびくなり  母は 終日 疲れにて
父が 抱かんと する時は  母を 離れず 泣く声は
天地 奈落に ひびくなり  言いつつ 鬼は 消え失せる
峰の 嵐の 音すれば  父かと 思うて はせ登り
谷の 流れと 聞く時は  母かと思うて 馳せ下り
あたりを 見れども 母も無く  誰とて 添え乳 なすべきや
西や 東に かけめぐり  石や 木の根に つまづいて
手足は 血潮に 染めながら  おさな心の あじきなや
砂を 敷きつつ 石枕  泣く泣く寝入る 折りからに
又 清冷の 風吹けば  皆 一同に 起き上がり
ここや かしこと 泣き歩く  その時 能化の 地蔵尊
ゆるぎ 出でさせ 給いつつ  何をか 嘆く おさな子よ
なんじら 命 短くて  めいどの 旅に 来るなり
汝が 父母 娑婆に有り  娑婆と 冥土は 程遠し
われを 冥土の 父母と  思うて 明け暮れ 頼めよと
幼き者を 御衣の も裾の 内に 掻き入れて
哀れみ給うぞ ありがたき  いまだ歩まぬ 幼子を
鉛杖の 柄に 取り付かせ  忍辱 慈悲の みはだに
いだきかかえて なでさすり  大悲の 乳房を 与えつつ
泣く泣く 寝入る 哀れさは  たとえ がたなき 御涙
袈裟や 衣に したしつつ  助け給うぞ ありがたや
わが子を ふびんと 思うなら  地蔵菩薩を 念ずべし
南無や 大悲の 地蔵尊
南無や 大悲の 地蔵尊

住所・連絡先

福岡県糸島市萩浦1丁目5-7 TEL 092-322-2792
(地図)

アクセス

JR筑肥線「美咲ヶ丘駅」徒歩10分
JR筑肥線「筑前前原駅」車で5分
門前に駐車場あり

ご詠歌

六道の 迷いを開く 南無地蔵 願いぞ叶う 法の不思議さ

他の霊場札所

九州二十四地蔵尊霊場第十九番

霊場ご本尊・本堂内、将軍地蔵尊
ご詠歌 六道の 迷いを開く 南無地蔵 願いぞ叶う 法の不思議さ(九州八十八所百八霊場と同じ)
ご真言 おん かかかび さんまえ そわか
(御朱印)

弘法大師の夢告による将軍地蔵(第百七番札所並び九州二十四地蔵尊霊場第十九番札所 隆善寺)

隆善寺は今福岡でも注目を集めている糸島市にあり、南風台と美咲ヶ丘という二つの団地の囲まれた住宅街の一角にあります。
しかしながら、国道から少し離れているだけで、喧騒から離れた環境の中に建っています。

昭和32年に泊の大日如来の導きにより隆善師が建立し加持祈祷の寺として大日如来、波切不動明王を奉安したのが寺の始まりだそうです。
その後昭和39年に現在地に移転し、その後弘法大師の夢告により「将軍地蔵尊を安置し、あまねく一切衆生を済度し救済せよ」とのお告げを受け、身の丈五尺余りの将軍地蔵尊をご本尊として奉安されました。
そのお地蔵様は九州二十四地蔵尊霊場の第十九番札所の霊場ご本尊ともなっています。

阿形吽形の仁王像に守られた山門を入るとすぐに石造の将軍地蔵の像が迎えてくれます。

仁王像の間を緩やかに登る参道でには、十三仏の石像や

親しみのあるお姿をされたお地蔵様に歓迎されながら入母屋造の本堂へ向かいます。

本堂に安置された将軍地蔵尊は通常は秘仏で、3月24日の将軍地蔵大祭のときに開扉されます。

将軍地蔵尊は厄除開運はもとより家内安全、商売繁盛、病気平癒、交通安全、学業上達等々に霊験あらたかだそうです。

本堂の参拝を終え、開山堂にも参拝。

堂内にはもちろん開山の第一世・隆善上人のお姿がありました。

南無大師遍照金剛

境内にはその他、文殊菩薩や十三仏、修行大師などに多くの石仏が並び、中でも、開山堂右手には、お腹をくぐりご縁を願う「くぐり抜けのカエル石像」が注目を集めています。

次回は九州八十八所百八霊場第八十四番札所並びに九州二十四地蔵尊霊場 第二十番札所「飛形山 長栄寺 法蔵院」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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