九州八十八ヶ所百八霊場 第十番札所 大日山 不動寺

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九州三十三観音霊場
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不動寺は、開基 凰令尼が聖地インド ブッダガヤにて不思議な体験とともに『釈迦の教えを歪めずたがえず 人々に伝えよ』との釈尊の言葉を授かったことにより開山されたお寺です。以来「西牟田のお不動さん」と呼ばれ祈願・供養・法話を通じて人々が幸せに暮らして行く為の道を参詣者にお伝えしています。
その境内には奈良薬師寺の物と同形の仏足石や江戸時代の四国八十八ヶ所のご本尊の石仏などが祀られています。

九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

大日山 不動寺
(御朱印)

別称

西牟田のお不動さん

創建

昭和45年(1970)開山 凰令(こうれい)尼
昭和59年(1984)創建

宗派

高野山真言宗

ご本尊

不動明王立像(九州八十八ヶ所百八霊場ご本尊)
(お御影)

ご真言

のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろ しやだ そわたや うんたらた かんまん

不動明王について

不動明王は、密教の教主、大日如来が衆生教化のため変身した明王の中では最高位の仏様です。
普段は柔和な大日如来が、優しさだけでは通用しない人々を救済するために、あえて怒りの形相をしています。
邪悪な相手には徹底的に厳しく、人が間違った道へ進もうとした時には、正しい道へと戻れるように諭してくれる存在です。
迷いの世界から煩悩を絶ちきり、仏の道を教えてくれる尊い存在なのです。

空海が日本にもたらした最初のお姿は両目を見開く恐ろしい形相で、おさげ髪のお姿でした。その後19世紀になると、「不動十九観」が定められ左目をやや閉じ、右目を開ける天地眼、上唇を下歯で噛み下唇を上歯で噛むといった特徴となりました。
そして倶利伽羅剣という宝剣と悪い心を縛り上げることにより、善き心を呼び起こさせるための羂索と呼ばれる網をもっておられます。
さらに背後には炎が立ち上げる火焔光背があります。

住所・連絡先

福岡県久留米市三潴町西牟田6400-29 TEL 0942-64-2654
(地図)

アクセス

JR鹿児島本線 西牟田駅下車 徒歩5分

高速道路 九州縦貫道

 広川インターより 約10分
 八女インターより 約15分
 国道209号線 一条交差点より西へ 約1.5km

境内に駐車場あり

ご詠歌

一筋に 祈る心に 住みたもう 誓い頼もし 不動明王

他の霊場札所

九州三十三観音霊場第六番

霊場ご本尊・境内内
 ご詠歌 観音の くどくも深き ぼけ封じ のちの世までも すくいたまわん
 ご真言 おん あろりきゃ そわか
(御朱印)

観音像前に仏足石があり、奈良薬師寺と同型のものだそうです。

九州二十四地蔵尊霊場第十一番

霊場ご本尊・庫裡棟続きの地蔵堂内、一願地蔵尊

幼な児が無心に母の許へかけ寄って来るような心ですがって来るなら切なる願いは成就させてくださる地蔵尊だそうです。

 ご詠歌 ありがたや 衆生を救う 地蔵尊 恵みを受けぬ 人はあるまじ
 ご真言 おん かかかび さんまえ そわか
(御朱印)

この尊像は、元久留米有馬藩の祈願寺に安置されていたものでしたが、不思議な縁で凰令尼が祀るようになったそうです。

法話と護摩祈願の寺

ここ三潴町西牟田は、肥沃な田園地帯ですが、宅地開発も進んでしまったため、寺の入り口までの道は非常に狭く、ちょっと大きめな車だと往生してしまいますが、なんとか気をつけながら辿り着くと、境内は広々としていてホッとします。

正面に大日不動堂があり、不動尊の他、十一面観音像などが安置されています。
またその不動尊と同じお姿の石仏が境内に立っており、身代り不動尊として信仰を集めています。
大日不動堂の周りには、 四国八十八ヶ所霊場のミニチュアの石仏群が円形に並んでいます

不動堂の右手に入母屋造妻入の本堂があります。
本堂内には矜羯羅(こんがら)童子と制多迦(せいたか)童子を従え、岩座に立つ不動尊が祀られていて、こちらがご本尊です。

西牟田のお不動さん」として親しまれていて毎月1日・21日・28日には護摩祈願祭が行われています。
また本堂に収められている弘法大師像は、昔、川で釜を洗っている時に上流から流れて来た像と伝わっていて、かなり古い像ゆえか秘仏となっているそうです。

そして庫裏と棟続きの地蔵堂があり、納められている地蔵尊は「一願地蔵尊」といい九州二十四地蔵尊霊場第十一番札所となっています。

さらに境内には先ほどの身代わり不動尊のほかにも「ぼけ封じ観音」も造立されていて、ぼけ封じ三十三観音特別霊場、九州三十三観音第六番札所となっています。

南無大師遍照金剛

冒頭にも書きましたが、開山の凰令尼のブッダガヤ参詣した際の話をもう少し詳しく話すと、大塔の前で「家運繁栄」を祈願素養とした際、なぜか心の中で「私に霊感・法力・神通力を授けてください」と叫んでいたそうです。
その時、不思議な一条の光が射し「釈迦の教えをゆがめることなく、まっすぐ伝えよ」とお釈迦様の言葉を授かったそうです。

されにその帰国後、高野山奥の院に月参りを三年三月行うという「願」を立て実行していたところ、21回目の参拝の時に弘法大師より「せせらぎの音を聞きながら、法の舟に乗せられて、流れ流れて行く身ではないか」というお告げがあったそうです。

こうして不動寺は創建され、「法話と護摩祈願の寺」として近隣の人々に篤く信仰されているお寺となりました。

次回は第十一番札所「金比羅山 明観(みょうかん)寺」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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