九州八十八ヶ所百八霊場 第十五番札所 青龍山 西教院

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青龍山 西教院 九州二十四地蔵尊霊場
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西教院の創建は平安時代の中期、天暦4年(950年)に願成法印が村の疫病を鎮める為に、当地に草庵を結び十一面観音を安置した事に始まります。御本尊の十一面観音は、殊に病気平癒に効果が有ると古来より広く信仰を集めています。
又、内陣左側に鎮座する福智延命地蔵尊九州二十四地蔵尊霊場第四番札所の御本尊に認定され、福徳と智慧を授け、そして寿命を延ばす功徳が著しいと、毎月24日の御縁日には、多くの参拝者で賑わっています。
九州八十八か所百八霊場~九州を周る「心巡り」の旅~より

『概略』

青龍山 西教院
(御朱印)

青龍山 西教院 御朱印

創建

950年 願聖法印

宗派

高野山真言宗

ご本尊

十一面観音立像(九州八十八ヶ所百八霊場ご本尊)
(お御影)

青龍山 西教院 御影

ご真言

おん まか きゃろにきゃ そわか
(おん ろけいじばら きりく そわか)

十一面観音について

苦しんでいる人をすぐに見つけるために頭の上に11の顔があり、全方向を見守っています。またそれぞれの顔は人々をなだめたり怒ったり、励ましてくれたりするといわれています。十種勝利(現世利益)と四種果報(死後成仏)という様々なご利益があり、千手観音菩薩と並んで人気の高い観音である。六観音の1つに数えられ、修羅道に迷う人々を救います
奈良時代から多く信仰されるようになり、延命、病気治療などを願って多く祀られるようになりました。
ちなみに頭上面のうち前3面を菩薩面、左3面を瞋怒面、右3面を狗牙上出面(くげじょうしゅつめん)、うしろ1面を大笑面といい、頂上に仏面を配して11面です。中には本面とあわせて11面となる場合もあります。また11面の配列が異なる場合もあります。 大笑面は、悪行を大笑いして改心させ、善の道に向かわせるといわれています。

住所・連絡先

福岡県直方市下境1487 TEL 0949-22-3271

(地図)

アクセス

JR筑豊本線直方駅下車
西鉄直方バスセンターより、「永満寺行き」もしくは「内ヶ磯行き」にて「光福寺前」下車
車の場合
飯塚方面より国道200号線バイパス直方大橋を渡り、 左側「えくぼ屋」そして立橋を越え、すぐ左に上りつき当たりを右、 右側「西教院」を通過し、左側100m先に駐車場あり

ご詠歌

諸人の 願いをここに 観世音 救わせたもう 慈悲のみ光

他の霊場札所

九州二十四地蔵尊霊場第十番

九州二十四地蔵尊霊場第十番
 霊場ご本尊・本堂内、福智延命地蔵尊
 ご詠歌 福と智と 授けてさらに 延命に 導き給う 誓いたのもし
 ご真言 おん かかかび さんまえ そわか
(御朱印)

青龍山 西教院 御朱印

多くの逸話に触れて(第十五番 西教院)

飯塚を打ち終わり、次は直方の三ヶ寺に向かいます。
直方は、国道200号線バイパスで繋がっていて、比較的短時間の移動で済みました。

まずは、バイパスから程近い「西教院」を訪ねることにしました。
それほど密集しているわけではない住宅街の一角に切妻造の山門が建っています。
山門の右手には位牌を奉安した宝塔形の霊宝殿が私たちを迎えてくれました。1層は切妻造。2層は宝形造と目立つ造りですが、本堂は山門をくぐり奥まったところに佇んでいます。

青龍山 西教院

正面入り口の右側に「九州八十八ヶ所百八霊場」の表札、左手に「九州二十四地蔵尊霊場」の表札が掲げられていました。

青龍山 西教院

本堂内にはご本尊の「十一面観音」をはじめ、タイから勧請した金色の釈迦如来像、ガラスケース内に収められた「十三仏」などの諸尊が安置されています。
その十三仏はすべて「立像」で日頃「坐像」でしか表されない「大日如来」まで立像で表されていました。

西教院は、数々の逸話が伝えられていて、ご本尊である「十一面観音」は、病気平癒にたいへん霊験あらたかで、かつて疫病が流行った時は、観音像を村中に担ぎ出し、家々を巡ったそうです。そして家々で甘茶を差し上げると悪疫が治ったと言う言い伝えがあるそうです。

またここは、九州二十四地蔵尊第四番札所でもあり、霊場のご本尊である「福智延命地蔵尊」は内陣左手に奉安されています。
福徳と智慧を授け、そして寿命を延ばす功徳が著しいと言われ、彫刻された際に、以前より祀られていた「延命地蔵尊」を胎内仏とされました。
また境内には水子子育地蔵尊などを祀っていて、8月24日の地蔵盆をはじめとして毎月24日の地蔵縁日には多くの参拝者で賑わうそうです。

青龍山 西教院

さらに、下境小学校近くの飛地境内にある「弘法大師霊水の井戸弘法井戸)」は、昔、唐から帰った弘法大師が八木山を越え宇佐八幡に向かわれる途中この辺りを通った時、のどが渇いたため、老婆に水を所望したが、桶を持って出て行った老婆がなかなか戻ってこなかったそうです。
ややしばらくして水を携えて戻ってきた老婆に事情を聞くと「村に水が出ないので、遠くまで汲みにいっていた」ということでした。
そこで大師が金剛杖で地面を突くとそこから滾々と清らかな水が湧き出したという逸話が残っています。
その井戸は、現在でも水が涸れることがなく、篤い信仰を集めているそうです。

南無大師遍照金剛

齢も「年金世代」へと突入し、知らず知らずの内に体力的にも若いころとの違いを感じ始めている筆者自身ではありますが、新型コロナウィルス禍が未だ燻ぶる中、「疫病退散」という願いは続いていきます。

龍青山 善覚寺

次回は第十六番札所「龍青山 善覚寺」をお伝えしていきます。

願ねがわくは
この功徳くどくをもってあまねく一切いっさいに及およぼし
われらと衆生しゅうじょうと
みなともに仏道ぶつどうを成じょうぜんことを 合掌

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